丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

もやもや病を知ってますか?

2010年11月06日 | 医療・介護・健康
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/11/20101105t15015.htm

 もやもや病というふざけた名前の病気をご存じですか? 一般の人にはそれほど有名な病気という訳ではありませんが、医療関係者の間では一時国家試験に流行りのように出題されたりした病気でもあります。脳の大きな血管がつまって、それを補うために細い毛細血管がやたら増えて、これがまたしょっちゅう詰まったり切れたりするという病気です。血管造影すると毛細血管が煙のようにもやもやと映ることから命名されたそうです。子供の場合は長く息を吐くような状況になると(ラーメンをふぅふぅしたり、ハーモニカを吹いたり)酸欠になって倒れたり気分が悪くなったりという事から発覚することが多いようです。大人の場合は脳梗塞や脳出血から発覚することが多いように思います。
 さて、なんでこの病気の話を出したかというと、私の父がこの病気だったからです。その娘である私や弟ももしかしたら同じ遺伝子を持っているかも知れません。さらに言うならば、チビ子やチビ太郎もこの遺伝子を持っているかも知れません。仮に持っていたとして、100%発症する訳でもありません。十五年くらい前には遺伝子の問題であるという論文が出ていましたし、その頃から、多因子遺伝であり、遺伝だけで発症するものでもないという事は言われていました。こうして、改めて公になり、研究が進むであろう事は父の遺伝子を受け継ぐ者としては嬉しいことであります。

  子供の頃はとても不安でした。私も父と同じ病気になるんじゃないかとよく思っていました。父の血を受け継いでいるというだけで、自分の人生は他人の半分くらいに狭まっていると感じたこともあります。

 その考えが少し変わったのは、十五年くらい前に読んだ論文でした。それがもやもや病の遺伝子が特定されそうだという内容のものでした。ちょうどOTの学生で、色々な病気について勉強しているところでした。その論文は私に色々な事を投げかけてくれました。
 OTになり、色々な病の人と関わり、結婚し、子供を持ち、父を送り、そして今。昔のような不安はほとんど感じていません。

 人間、どんな病気にだってなる時はなるし、ならない時はならない。良い時があれば、悪い時もある。生きている限り、病にはかかる。絶対にかかる。健康な者は「まだ病になってない」状態であり、健常者と言われる者は「まだ障害を持ってない」だけであり、生きている者は「まだ死んでない」だけ。
 そんな風に思えるようになって、ずいぶん楽になりました。

 私自身がもやもや病の遺伝子を持っているかどうか、それを改めて調べるつもりはありません。でも、定期的に血管造影はしています。チビ子も一度しました。チビ太郎もいずれ検査をしようと思っています。万が一「黒」と出た場合、次の手立てを考えなければなりませんから。
 病気の遺伝子を受け継いでいないに越したことはない。それは確かです。でも万が一引き継いでいたら、「黒」と出たら……。その時は次の手段を考えなければなりません。最悪の事態は避けたいですからね。検査の前にはいつもそんな事を考えます。
 しかし、同時に不思議なくらい冷静な自分がいることも確かです。

 病の解明が進むという事は本当に喜ばしいことです。今、この病気と闘っている人々にとっては一筋の光明でしょう。早く根本的な治療手段が確立されることを祈っています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿