腕白でもいい たくましく育って欲しい

　チビ太郎の懇談会があった。保育園の担任の先生とチビ太郎についてアレコレ報告しあった。

　その結論を一言で言うと。チビ太郎は意外なくらい優等生。
　家ではベタベタの甘えん坊の子犬もしくは小熊状態だが、保育園ではかなりリーダーとしての頭角を現しているらしい。お片づけも率先して行い、園庭の隅々まで忘れ物がないかチェックする。外遊びの後、手を洗わない友達に「手を洗うことがどれだけ大切か」を熱く諭す。セミを取ってきた友人に「セミは一週間しか生きられへんねん。とったら逃がしたれよ」と説得する（でも自分はセミが怖い）。なんだなんだ？　どうしたんだ、その優等生ぶりは！
　運動神経は私の息子とは思えない程いい。足は確かに速い。ダンスの時の敏捷性もなかなかだし、リズム感もいい。クラスの男の子達は「どれだけ速く走っても、チビ太郎にはかなわない」と口々に言っているそうな。サッカーでも一人でフォワードとミッドフィルダーをしているようなもので、残りの男子は皆キーパー（笑）だとか。そ、それはサッカーじゃないだろう。一人でプレーしてどうするよ、チビ太郎（汗）。
　運動しまくり遊びまくりながら、案外本を読むのも好きで、園でも家でも「ん？静かやなぁ？」と思うと、一人で本を読んでいる。静と動の切り替えが五歳児とは思えないほどはっきりしているのだ。これは我が子ながらすごいと思う。うん。

　こんな話を先生と延々していたのだが、話しながらニヤニヤしている自分がマヌケだった。嗚呼、私って情けないくらいに親バカ……。
　結局チビ太郎が可愛いということを再確認しただけという、世にも実の無い懇談会だった。

　もっともそんなのん気な事を言っていられるのも今のうちだけだろう。そのうち「クソババア」呼ばわりされて（実際に言ったらシバくけど）、「飯、風呂、寝る、小遣い」くらいしか言わなくなって、どっかのオネエチャンに現を抜かすようになる（笑）。
　その日が来るまでは、しばし、母ちゃんの可愛い小熊でいてほしいものだ……。