あとがき・・・のようなもの～闇猫

　障子の向こうにぼんやりと行灯の光が見える。ゆらりゆらりと蠢く不気味な人影。そしてぴちゃぴちゃと微かな水音が聞こえてくる。そろりと障子を開け、中を覗きこんだ。そこには髪を振り乱し、耳まで口の裂けた恐ろしい形相の女がその長い舌で行灯の油を舐めているではないか。
　女はふいに顔を上げ、ゆっくりと私の方を見た。そしてにやりと嗤う。
「み～た～な～」

ぎゃああああああああああああ！


　子供の頃、テレビで入江たか子という女優さんが化け猫を演じているのを見たんですよ。記憶に残っているのがこのシーン。ゆらゆらゆれる行灯の不安定な光と、ひどく長い顔の入江たか子の恐ろしい顔。テレビで映画を映すと昔は画面が妙に縦長になってましたよね（笑）。だから余計に顔が長いんだ、きっと。
　これが妙に印象に残ってまして、化け猫というとこのシーンが甦ってくるんだな。
　で、今回化け猫小説ということで「闇猫」を書いた訳ですが、しっかり使わせてもらいました。「み～た～な～」ってヤツを（爆）。

　猫ちゃんは結構情に厚いのですよ。その証拠に飼い主が非業の死を遂げて、その血を舐めて化け猫と化し、飼い主の恨みを晴らすんですから。犬よりも強烈ですよねぇ（笑）。
　今回は化け猫ちゃんを男、それもイケメンにしてみました。というのは猫の身体の作りを知って、「こりゃ男の方がネタとしては面白いやんか～」ということになったのです。
　ブログに書いたのであんまり濃い描写と説明はあえて控えたのですが、♂猫の生殖器には棘がついているそうです。で、交尾の際、その棘が♀猫の膣に引っ掛かり抜けにくくなるそうなんですよ。
　……なんとおぞましい生殖器でしょうか。これは間違いなくエログロホラーシリーズ（勝手にシリーズ化している私）のネタになる！！　猫とはまぐわいたくないなぁ……。え？　だって、想像してみてくださいよ。ほら。……痛い、痛いってば（汗）。まずいでしょ、そういうプレイは（爆）。
　さすがにそれだけでは話にならないので、こんな感じの展開にしてみましたが（笑）。

　あんまり深く突っ込まず、気軽に読んで頂いて、ちょっぴり気分悪くなって頂けたら幸いです（笑）。


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