南河内ゴスペルフェスティバル！

　遅ればせだが、ついにこの日曜日にゴスペルの本番を迎えた。前述の記事の通り、すっかり森進一状態だったが日曜はやや回復、喋る声は悲惨だが歌はかなりしっかり唄える状態にまで戻った。ええい！今日が終われば声が出ようが出まいが知ったこっちゃない。燃え尽きるぜ！！とばかりに勢い込んでの当日だった。この意気込みがキリスト様に伝わったのか、朝から雨。空気が乾燥しなくていいじゃないですか。ふっふっふ。（でもめちゃめちゃ寒かったです・・・。）
　会場は大阪は狭山のSAYAKAホール。メインのクワイヤーは「なにわブラックペッパーズ」という大阪のゴスペル・クワイヤーの草分け的存在、そしてゲストはラニー・ラッカーというビックネーム（・・・と書きながら、私は全然知りませんでした。すんまそん。）。私が参加した羽曳野WSは総勢二十一名、その他、富田林、狭山、河内長野、松原、藤井寺の各WSが参加するという大所帯でのゴスペルのコンサートだった。
　朝から夜の八時まで、WSごとのリハーサル、通しのリハーサル、そして本番といった感じでほとんど唄いっぱなしの一日だった。感想はというと、一言に尽きる。「完全燃焼しました！」・・・それ以上のコメントは出てこない。思い残す事無く、体中のエネルギーを声帯から放出した。

　なにわブラックペッパーズ（NBP)は物凄く上手いグループだった。今までにもゴスペルを聞いたことはあるが、今回のライブほど感動したものはない。日本語の中で「言霊」を実感する事はあるが、未だかつて英語の歌を聴いて言霊を感じた事はなかった。しかし、今回のNBPの歌を聴いていると、英語なのでなかなか聞き取れないのだが、歌がずっしりとした質量を持って胸に押し迫るような気がした。それは言葉を越えた人間の魂の本質なのかもしれない。
　私はクリスチャンではない。実家は禅宗だし、嫁ぎ先は浄土宗、亭主の仕事場は聖徳太子の関係という思いっきりべたべたの仏教ファミリーだ。そして私は無宗教をモットーとしている。にもかかわらず、早朝のラジオで「宗教の時間」なんてのを聴くと、キリスト教の牧師さんの話に妙に納得している自分がいる。間違いなく私の中にキリスト教は無いのだが、牧師さんの話に出てくるようなエピソードや考え方というのは、私がこれまで出会ってきた人達から直接的・間接的に教えてもらった事にとても似ている。それを教会で教えてもらった人達がクリスチャンなのではないかと、ふと思った。
　そもそも宗教というのは人間が人間らしく人間社会で生きていくための心得を説いたものだと私は思っている。だからどんな宗教であれ、根本的には共通した考えなのだと思うのだ（怪しいカルトなヤツは別として）。だからこそ、クリスチャンでもない人間がゴスペルを聴いてこれほどまでに感動するのではないか。そして、神との対話というのは自分自身との対話でもあるように思う。
　My life is in your hand.という歌を今回ステージで歌ったのだが、クリスチャンではない私がこの歌を唄うのは如何なものかと思いつつ、Jesusの代わりに私の信じるモノを思い浮かべながら唄わせてもらった。私の信じるモノ・・・それを説明するのはとても難しいのだが、「人の本質を信じる心」とでも言ったらいいのか「全てをありのままに受け入れる存在」とでも言おうか・・・。上手く表現できないが、ようするに私の中の秘密の神様のようなものだ。

　すっかりゴスペルにハマッてしまいそうだ。キリスト様と敬虔なクリスチャンの皆さん、このゴスペルを唄いたいエセ・クリスチャンを許して下さいませ。私はクリスチャンの友人もおりますし、その人達の誠実さをとても尊敬しています。皆さんへの敬意を胸に唄いたいと思いますので、怒らないで下さいね。

　ちなみに声はガラガラのまま。当分この調子だろう。それもまた良し！中島みゆきの歌でも歌うとしよう。