滋賀県・京都府とその周辺の山と滝

比良・鈴鹿山等の滋賀の山や京都北山を中心とした、山登り・滝巡りなどを写真で綴る個人記録帳です。

2020.03.15 鈴鹿/高畑山・陣尾山・高室山

2020-03-15 22:25:25 | 鈴鹿の山
2020.03.15[佐目(トンネル公園駐車場)08:01〜09:39高畑山〜10:56陣尾山11:01〜12:42高室登山口〜13:02高室山13:15〜13:24倉骨山13:28〜13:38高室山〜13:51高室登山口13:52〜14:41佐目(トンネル公園駐車場)]with yamanekoさん、yamaizuさん、uriuriさん、churabanaさん(距離13.47km 累積標高↑842m)


高畑山〜林道間は不明瞭道または道なし


yamanekoさんから、お誘いを受け高室山へ。
当初、本日は鈴鹿の別の場所へ赤線繋ぎに行こうと思っていてお誘いをお断りしていたのだが、まだ足を踏み入れたこのとのない高室山周辺がだんだん魅力的に思えてきて、「やっぱり行きたいです!寄せてください!いいですか?」とのメッセージに「ぜひ!」とおっしゃってもらえたので、参加することに。
uriuriさん、churabanaさんとは初めてということもあり、前日からテンション高め。子どもの遠足のときのように、早くから準備して、そうだ山の上でイチゴでも食べようとスーパーに買いに走り、天候がよくなることを祈って床についたのである。

uriuriさんの車に大津駅から便乗させてもらい多賀へ。天気予報に反して快晴に近いが鈴鹿の山の上だけは雲がかかっている。集合地である佐目のトンネル公園駐車場に着く頃には雲が多くなってきたのがちと心配だ。churabanaさんともご挨拶し、いざ出発。
国道を後戻りし、右手にりんり園を見て、県道多賀永源寺線との分岐を越えたところから林道に入る。しばらく行くといきなり本日のメイン、ミツマタの群生地になる。谷と言わず斜面と言わず辺り一面の花園でいきなりテンションはマックス。ちょっとミツマタをなめておりました。こんなに可憐で美しい花だとは知らなかったし、それが群生するといってもこんなに広範囲だとは思っていなかった。ここにいるだけで幸せになれる。
花を愛でながら林道を登ると、防鹿ネットが現れる。ネット内は杉の幼木の育成地で立ち入らない方がよいので、ネット沿いに回り込み尾根に出る。yamanekoさん曰く「防護柵やネット沿いは、避けて通る人がいるため踏み跡があって安心して歩ける」と。

少し登ると高畑山山頂。展望もなく地味な山頂だ。鈴鹿の高畑山といえば最南部の高畑山を想像される方が多いと思うが、わたしもそのうちの一人、多賀にも高畑山があると知ったのはつい前日のこと。
鈴鹿山脈はメインとなる山の他にも多くのピークが存在し、その多くに名称がつけられている。特に滋賀県側は幾重にも山が重なり入り組んだ複雑な地形で、小さな集落も多く、古来から行き来のない集落の人たちによって、それぞれ呼んできた地元の山の名前が偶然同じであっても全く不思議ではない。

山頂を稜線沿いに北に進むと伐採地に出てようやく展望が開ける。激下りで昔からよく歩かれたであろう峠に下り立つ。峠らしい峠だが名称はないようだ。北への登り返しはなだらかな一定の傾斜の坂。昔は生活路で牛車でも通ったことあるのではないかとyamanekoさん。
その先で足元に小さな小さな白い花が咲いていることに気がつく。カタバミかと思いきや、ミスミソウだと教えてもらう。ミスミソウはあまり馴染みのない花だなぁと思って、帰ってから調べてみると石灰岩質を好んで生えるとのこと。そうか、なので比良や京都周辺の山では見かけないのかと納得。
再び尾根が開けると南方面を中心に展望がよい。近江盆地に浮かぶ島のような山々や対岸の比良山、比叡山、湖南地区の山も見える。もちろん御池岳をメインとした鈴鹿の峰々も見渡せ、みなさん指さしてあれが○○山だと言い合い(口げんかじゃないよ!)をしている。

展望のよい尾根歩きも終わり突然急坂登りに変わる。道は消え歩きやすいところを登る。途中珍しく急斜面に鉄塔が建てられている。大抵は平坦な地に建てられているのだが、これにはちょっと驚き。
鉄塔からも急傾斜は続く。いつしかみなさん無口になっている。登り切ると植林地に変わりすぐに陣尾山頂に着く。churabanaさんはこんなに早く山頂だったかなとちょっと意外だったご様子。山頂からの展望はない。二等三角点のこの山の地元称は「ヒヨノ」。これも帰ってからナカニシヤ出版の「鈴鹿の山と谷」で調べてみたが、意味はわからない。
それにしても鈴鹿の山の名称には意味不明の不思議な名が多い。「ネコ」「クラシ」「ダイジョウ」「ソノド」「スモトリコバ」「コンデヘラ」……

陣尾山からは90度方向が変わって東南東から南東方面の尾根を歩くが、辺りの様子はいままでとは一変。植林地に変わったのはその一番の雰囲気の違いではあるが、地形が全く違う。広い平坦な尾根で、小さな岩がところどころ地面から生える様に突き出ている。
これはカルスト台地に入ったのだと教えてくれるもの。その石灰岩はカレンフェルトであるが、草原に突き出た白い石灰岩のいわゆる秋吉台などに代表されるカルスト台地での墓石っぽいものとはずいぶんと違う。ここでは表面を苔で覆われた緑鮮やかな小さなカレンフェルトで、どちらかというと大台ヶ原や北八ヶ岳などの苔むした岩に近い印象を受ける。岩の迷路を縫うように進むと一際緑鮮やかな岩が密集した場所が現れる。予想外の風景にみんなの足が止まる。
お昼にはちょっと早いがここでランチタイムはどうですか、とのyamanekoさんのご提案にもちろん反対する人はいない。

きょうもまたyamanekoさんyamaizuさんにごちそうになる。「マイタケとしらすのリゾット、フキノトウみそ添え」と「塩こうじの鶏肉ときのこ、野菜のみそ鍋」を振る舞ってくださった。毎度のことながらその手際のよい調理には驚かされる。
さすがに標高が上がって気温も低くなってきている中での温かい料理は、ほおが落ちそうになるほど美味で体も暖まる。食後にはサクラ紅茶、草餅、イチゴと贅沢なランチタイムでした。ごちそうさまでした。

さてさて、お腹も心も満足。午後の部がスタートです。カレンフェルトと倒木を避けながら広い尾根をしばらく行くと、突然植林地を抜け出し草原に出る。
その中央にある横に枝を伸ばしたサクラの木の根元には小さな祠があり、お地蔵さんが鎮座されている。いわゆる峠のお地蔵さんで、昔から集落の方が山を越え他の集落や町に荷を運んだり出かけたりする際には、ここでお地蔵さんに峠越えの無事を願ったり、行商の成果お礼として手を合わせていたであろうことは容易に想像できる。その日本昔話のような風景を想像すると当時にタイムトリップしたような感覚になる。ただ真上に送電線が通り、ジリジリと言う音(コロナ騒音というらしい)を立てているのには興ざめするが。この峠にはカルスト台地特有の凹地ドリーネも見られる。

お地蔵さんより少し西に進んで峠から西側の眺望を楽しむが、徐々に天候は悪化してきているようで遠くは霞んできた。雲も厚くなってきたように思う。
ここからは明瞭な道があり、それをたどって再び植林帯に入るが、先ほどまでのような苔やカレンフェルトはない。その先は倒木帯となり何カ所か迂回を強いられる。倒木地帯を過ぎると大きな車止めと思われるコンクリート片があり林道に飛び出す。植林されていてよく分からないが、この周辺は地形図で見る限り凹地や平坦地が多く、ドリーネが点在しているものと思われる。
林道はぬかるんでいて歩きにくい。いくつかの分岐を見ながらちょっと退屈な林道歩きをすると高室山登山口の標識が見えてくる。ずいぶんと標高が高く既に8合目か9合目あたりだと思うのだが、登山口という表現にはちょっと違和感を覚える。しかし少し先には車が一台止まっており、ちょうど数名のグループが山頂方面から車をめざして下ってこられた。確かに登山口である。車移動で鍋尻山とのハシゴでもされているのだろうか。

この登山口で空から白いものが舞ってきた。この先は陣尾山への登り以来の自然林となり、道も登山道っぽくなる。高室山まではそう遠くはない。再び小さなカレンフェルトが現れると広い山頂に着く。展望は360度、鈴鹿の山々が見渡せ、足下には採石場が見下ろせる。展望の影響だろうか実際の標高よりも高く感じる。ただ残念ながらやはり天候は下り気味で、近江盆地や琵琶湖とその対岸の山々は徐々に見えなくなってきており、霊仙山の横に見えるはずの伊吹山も雲の中で全く見えない。
高室山は、昔このあたりに室三郎という豪族があり、その名からきた山名ではないだろうかと「鈴鹿の山と谷」では言っている。また別に倉保根十内(鞍骨重内)という武士も室ヶ谷(陣尾山と高室山との間にある谷)付近に館をもって暗躍していたとあり、これが倉骨山として高室山の東のピークの名称となっているのだろうか。そんな倉骨山はchurabanaさんのおすすめポイントであるらしい。ではでは行ってみることに。

高室山から少し下り平坦な尾根を行くと、その先に石灰岩のがれきが重なり合った小山が見えてくる。それが絶景ポイントの倉骨山だった。高室山からよりも御池岳方面がより近くどっしり見える。石灰岩の隙間にネコノメソウが花を咲かせている。
高室山に戻り、ルートを外れ尾根を下る。先ほどの登山口に下りるがここからが本当の下山。yamanekoさん先導の元ショートカットをくり返し本当の下山道に出る。本当でないことばかりしている。激下りのち小ピーク越えで麓の佐目集落に下りる。
大杉に抱かれた十二相神社をお参りし、明智光秀公口伝の地「十兵衛屋敷跡」を見学して駐車場に戻る。

その後、守山のオリーブキッチンで反省会をしてuriuriさんに堅田駅まで送っていただく。
今回も楽しくご一緒させていただきました。みなさんありがとうございました。またどこかに登りましょう。















































ミツマタの花園にて


高畑山からしばらくは広い歩きやすい尾根です


鉄塔の配置がバランスよく決まってます


陣尾山をめざします


御池岳方面を望む


湖南方面の山々を望む


南後谷の集落を見下ろす


再びいい天気になってきました いい景色です


ミスミソウ


彦根の荒神山と奥は比良山




山に囲まれた集落


陣尾山まではきっつい登り


カレンフェルトが現れ出しました




カレンフェルトの迷路を進む




一際色鮮やかな苔に覆われた別天地 ここでランチ




峠のお地蔵さん


倒木をかわして進む


高室山直下の並木道


山頂のがらくたオブジェが見えてきた


高室山山頂


石灰岩が露出する山頂より霊仙山を見る
残念ながら伊吹は雲の中


山頂


御池岳方面


足下には佐目の採石場








倉骨山


倉骨山から高室山に戻る


再び高室山山頂


ナツエビネ?ですね


ホコリタケですね


あとは下るだけ


下りてきたところは佐目集落の十二相神社


すぐそこには十兵衛屋敷跡


控えめな梅の木が1本

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