サン=テグジュペリの「夜間飛行」を読んだ。
星の王子さま(小さな王子)で有名なフランスの作家の作品。
1931年にサン=テグジュペリが31歳の時に刊行された作品で、当時南米と欧州を結んでエアメールを運んでいた郵便空輸にまつわる、ある夜の出来事を描いている。
郵便空輸に携わる様々な職業の視点から物語は進んでいくのだが、それぞれの仕事をする上での「意識」というものを登場人物たちは語りかけてくれる。
中でも、僕は次のシーンがズシリときた。
場面は物語のまだ前半。
従業員を査定する監督官を担うロビノーという人物が、その孤独感から監督対象のパイロットにちょっとした愚痴を聞いてもらおうとしていたところ、上司のリヴィエールに呼び出され、以下のことを言われる。
「君は彼の上司だろう」
「(部下に対して危険な乗務を指示するときに)友人だからという理由で相手が君に従うとしたら、それは相手に考え違いをさせたことになる」
「いっぽう、友人だからという理由で、相手が何かの、重荷を免れるとしたら、それも考え違いをさせたことになる。」
「たとえ疲れたにせよ、君を支えるために部下はいるわけじゃないんだ。君は責任者、責任者の弱みなど、もの笑いの種だ。」
そう言われたロビノーは、愚痴を聞いてもらおうとした部下のパイロットに関する処罰報告書をその場で書かされる。
物語全体からしたら、ほんの一場面。
でも、僕の日常には一番響いた場面だった。
正直に言うと、僕は今、抱えている仕事が自分のキャパを超えていると感じている。
辛い、キツイ、と感じている。
誰かに愚痴を聞いてもらいたい、そう思うこともよくある。
逃げたい…とまではいかなくても、誰かにわかってもらいたいという気持ちはある。
そんなロビノーと同じ心境の僕は、作中で叱責された。…と僕は感じた。
仕事を担う上で、責任を負うものとしての自覚を改めて言われた気がする。
孤独に耐える強さを改めて身につけなきゃいけない。
そんな気持ちにさせてもらえた作品でした。
まあ、基本的に僕は甘えん坊将軍。
死んだ母にもよく、
「あんたはいつもギリギリまで(やらなきゃいけないことから)逃げよーとしている」
…と言われたもんだ。
でももう一つ、言われていたことがある。
「逃げられず、どうしようもなくなると、あんたは諦めて必死になる」
どーやらそんな性格らしい。
ならまだやれるってことだ。
やれることを、一つ一つ、意識を高くしてやっていこう。
なーんて、思ったお盆の夜でした😁
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