日田 三隈川さんぽ (大分県)

大分県日田市を流れる三隈川、特に中ノ島周辺の風物詩。四季折々の花や鳥や風景をmorisongの写真でご紹介します。

三隈川で季節の風を楽しんでいた「バニラ」に捧げる。

2014年07月17日 | 三隈川周辺





今朝の三隈川です。湿度が高く朝日がぎらぎらしています。
一昨日の朝方、裏山から「カナカナカナ、、」と、ヒグラシの鳴き声が聞こえてきました。
そろそろ梅雨も明けるのではないでしょうか。




今日は中ノ島河川敷で出会ったラブラドール犬のお話しです。

morisongが三隈川さんぽを開始したのが1994年、最近はちょっとサボり気味ですが、今年で21年目になります。
同じ風景の中を歩いているわけですが、たまに見たこともないような美しい夕暮れ、虹、河原で見つけた小さな花、珍しい野鳥、そして犬や猫等色々な出会いや新鮮な発見がありました。その感動や発見をその都度写真に残してきました。



その中でも忘れることの出来ないのが、ここに紹介するラブラドール犬の「バニラ」君です。

最初の出会いは2010年だったと思います。
出会いといっても、すぐ目の前にいたわけではなく、
わが家の対岸である中ノ島河川敷で、距離にして百数十メートル先に佇む彼の姿を見つけたのが始まりです。
お座りをして、川の方をじっと眺め、そして耳を澄ましているのです。
普通の犬だっら広い河川敷を走り回るはずなのに、じっと座っているのです。
その姿を、それから何度も見かけるようになり不思議に思っていました。
まるで人間のように、川のせせらぎ、風、そして小鳥のさえずりさえも楽しんでいるかのようでした。
遠方なのに、たまにこちらを振り向いた時などは何故かハッとしたこともあります。



そして翌年の2011年8月、散歩中に彼に偶然会うチャンスがやってきました。
台霧大橋下に彼がいたのです。morisongは大急ぎで川原の土手を一気に下りました。
飼い主さんに一言ご挨拶して、事情を聞くと、名前はバニラと言って、最初は走り回る元気な犬だったそうです。
それがいつ頃からかは忘れましたが、後ろ足の筋肉が衰える病気になったとの事でした。

私がバニラの方へ歩み寄ろうとすると、初対面なのにしっぽを振りながら必死で私の元へ近づいてきました。
その時のキラキラと輝いていた目はとても印象的で、スキンシップをしながら、理屈ではない言葉にならないほどの「何か」を感じとることが出来ました。
ハンディがあるのに懸命に生きる姿に私はとても勇気づけられた気がします。
その時持っていたカメラは自然にバニラへと向けられていました。

その後も散歩中に何度かバニラと再会、そして会話を交わしました。

そのバニラ、最近は見かけないなと思っていましたが、こちらへの書き込みで、7月11日に息を引き取ったとのこと。
もう会えないかと思うと、とても寂しいです。

でもご家族の愛情にいっぱい支えられてきたバニラだから、きっと悔いはないはずです。
わが家の居間には、今もこの時に撮った写真がずっと飾ってあります。



いままであがとうバニラ!
安らかに眠ってください。