ブギーナイツの館 - 青春の蹉跌から超暇人への道までを記すブログ

のんきな人です。とにかくどうでも良いブログ。

今日の1冊 「神隠しと日本人」 小松和彦 著

2017-01-17 09:46:28 | 今日の1冊
本願寺月光蟲です。

興味深い本を読んだ。
これです。



今の日本は神隠しって言葉がなくなった。
昔、と言ってもたかが90年位前までは神隠しって言葉が普通に使われてた。
忽然と人が消える事を神隠しと言ったわけです。
今の日本社会は勿論死語に近い。
誰かがいなくなった場合、誘拐、蒸発、失踪と考えるし実際そんなパターンばかりで説明がつく。

昔の日本人は人がいなくなると神隠しと思ってた、と。
人が消える理由は様々だが昔の日本人は様々な理由はあれど一言「神隠し」って言葉を使ってたと言ってた。
地域によって神隠しの根源は違うが、何パターンかのようだ。

天狗
鬼婆



さらわれたり、一緒に遊んでたり、違う世界に連れてかれたとか思っていたと。
この本を読んでて興味深いのは、現代人は鼻で笑うが、天狗にしても狐にしても今の社会とあまり変わらないと言う事。

神隠しイコール天狗の仕業がダントツのトップで次は狐のイタズラや騙しが2位。

さらわれる場合違う場所に行くわけで、コレを異界と定義している。
異界に連れてかれたり、散歩してるうちに異界の入り口にたまたま入ってしまったとかね。
だが、結末は今と同じで、

殺された、
永久に行方不明、
帰ってきたものの、神隠しにあった奴の話を聞くと「どうもよくわからない事を言っている」になる。

ここで昔の民話や記録を調べると神隠しにあった奴らのタイプはあまりパターンがない。

ガキ
若い女
知恵遅れやただのキチガイ、今で言う統合失調

あまりパターンがない。
天狗や狐が人をさらうとか連れてくのも色々と理由づけをされていたみたい。

神隠しにあったら家族や周りの人間が探すわけだが、携帯やヘリコプターなんかはないから太鼓や鐘を鳴らしながらさがすわけだが、これもまた意味があって、太鼓や鐘は宗教的な楽器と思われていて。
で、それらの楽器はでかいわけで。
この音は「異界にも聞こえるハズだ」と思ってたらしい。

天狗説が日本で1番多かったらしい。
だが勿論、良い人間悪い人間もいるように良い天狗悪い天狗がいるわけ。
しかも天狗は基本ホモで。
天狗がホモってのはこの本ではじめて知った(笑)

あと、ガキのかくれんぼ文化は神隠しとかなり密接な関係にあるとかも詳しく書かれている。

神隠しイコール異界に行った、と昔の人は考えたわけだが、異界と言っても妖怪やら宇宙やら霊やらの世界ではない。
ようは今で言えばかなりの田舎から六本木にいきなり行ったら異界、そんな定義もしている。
コレを例に考えると、2.3歳のガキがロリコンホモに1日さらわれて六本木に連れてかれて次の日に寝たまま近くの村までまた送られた場合、2.3歳のガキは訳がわからないわけ。夢のような気分になるわけだ。
で、親にどこに行ってたのか聞かれても上手く説明できない。
だから昔の文献には「どうもよくわからない」とか「わけのわからない事しか言わなかった」と書かれて結局「天狗にさらわれた」とかになったらしい。



昔の人はまた逆におおらかと言うパターンもあったらしく。
誘拐レイプとかで1週間したらいきなり帰ってきて親に報告した場合、「神隠しにあった事にしよう」とか娘の名声を守るために周りに「神隠しにあったが戻ってきてよかった」とか。
あと、男の「全て捨てて1から誰も知らないとこで働きたい」とか「ひっそりと遠くで死のう」とかで家から消えても失敗や死に切れなかったりして戻ったらホントの事言えないから神隠しって事にしたり。
神隠しって言葉を上手く使うパターンもかなりあったとも考察している。
昔の人の知恵と科学捜査が発展してなかった時代の融合で、神隠しって言葉のおかげで上手く人間関係が回った場合もあったらしい。

少し前に親が山で教育のためにわざとガキを放置にした事件あったでしょ?
親が脅しで置き去りにしたらガキが本気にして山で行方不明って言うかその場所から消えたから話題になったわけです。
しかも見つかった場所が「考えられないほど遠くで発見」だったわけだが。
これ昔なら神隠しと言われたわけだよ。
「1人であんなとこ行けるわけがない」みたいな。
だが、コレ大事なんだが人間の徒歩って実はかなり頑丈と言うか。
新宿から稲城市とかまで歩いても5時間から6時間とかだよ。
数日いなくなってたらガキだってかなり遠くまでいけるんだよな。
しかもガキなんか安全な近道だの危険な道だのわからないわけで。
身体が小さいから色々擦り抜けられるし。
今は天狗の仕業なんだなんて誰も言わないが昔の人は理由がわからなければ異界のせいにしてた、と。

この本の異界の定義や神隠しの定義は凄く面白い。
昭和の終わりや20年前とかの口裂け女や人面魚なんかもそれらの定義に入ると。
怪談のみならず、色々な民話で神隠しがある。
浦島太郎なんかもそうで3日竜宮城に行くが異界から帰宅すると300年、、、。

神隠しって言葉はなくなりつつあるが、神隠し自体は実は形を変え今でもあるね。

この本は日本の島国文化を知る上で非常に興味深いです。
昔の日本人の思考から色々学べるし、民話や妖怪やらの見方も変わる。

おすすめよ。








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今日の1冊 「キレる私をやめたい ~夫をグーで殴る妻をやめるまで~」田房永子 著

2017-01-14 12:55:19 | 今日の1冊
本願寺月光蟲です。

田房さんの本はミニコミ誌の「おいちわさま」からなんだかんだで9割目を通しています。
絵のタッチはかなり変わりました。
メジャー感な素晴らしい絵になった反面「とにかく怖い」と言ったイメージになっていった。
とは言えなんだかんだで読んでいる(笑)

今回は、売れてるっぽいこの漫画。



何が怖いと言うと、とにかく男にキツい。
メジャーになってからというもの一部の男の読者(学者だの知識人)以外なんか目に入ってないのかもしれない。
とにかくもう、男をやめたくなるくらい怖くなっていってる、、、。

で、母親ネタのあと、やはり、、やはりというべきか、、、予想どおりの男を殴るネタ
タイトルだけでかなりビビりまくりで読んだ。

やはり怖い。
夫やガキにイライラする自分を見返し、反省し穏やかな心を手に入れようとする。
素晴らしい先生等のおかげで克服していくというエッセイ漫画。
内容は素晴らしい。
絵も、話の流れも素晴らしい。
解説漫画にならないように工夫されてるのも素晴らしい。
が、やはり男の私からみると読後感はかなり嫌な気分。
素晴らしい本なのに。

漫画は流れがあるので一概にこけだけ抜き出すのもあれだが、、、









この流れのあと、警官に促される。
漫画だしある程度デフォルメされとるとは思うけど、あまり反省せず話が次に進むという、そりゃあ恐ろしい流れに。
話のテーマは他人にイライラするのを治すってわかるがこの流れにほぼ反省無しが非常に気になりました。
おまわりが頭悪かったり、おまわり特有の女にだけ優しい性獣だったりするパターンが8割だと思うし。
殴られた旦那は良いおまわりに当たったと言える。
これ、世の中こんなパターンはまずないからな?まじで。
逮捕まで行かなくても旦那が何故かおまわりに説教されんだよ。
しかもそれわかってる女性が大半で確信犯で悪質。
旦那殴って押さえつけたらDVで通報ってほんと悪質。
それこそフェミな方は問答無用で信じるし、夜回り先生ばりの偽善者も即信じるし。

漫画はデフォルメの世界だし、テーマはそこじゃないんだが、とにかくこの流れのインパクトが凄い。
女性向けだから皆こんな場所で思考することなんかないんだろうな、と。

話の流れはカウンセリングや思考の話になって行く。
わかりやすく読みやすいしためになる。

が。
が。

Amazonのレビューのみならず、ツイッターでは賞賛の嵐。
ようは「わかるわかる」って女ばかり。
だが、ぶっちゃけ、、、

この漫画をキチンと読んでカウンセリングや自分の思考を変えてる女はそんなにいないハズ。
表面上「わかるわかる」ってネタを出してくる作家さんにはあまりアンチがつかない。

田房さんは痴漢問題にも一石を投じているが、この本の層とも被りまくりだと思ったりする。
例えば「ツマンネー本だな」と男が言ってしまえば周りの信者が炎上させてくるだろう。

「わかるわかる」ネタが上手い作家さん、特にフェミな思考を持ってる作家さんにはキチガイがまわりにつく事が多い。
政治ネタで言えば小林よしのりの本でしか政治を知らないタイプ。
作家の書いてる本質、行間を理解できない層がヒステリーになって会話がまともに成り立たなかったりする。
最近の田房さんのまわり(ネットレベル)はそんな人達だらけでとにかく客の女が怖くなっている。

文学フリマの時代は男もよく買ってるのを見たし、タコシェや潰れる前のジュンク堂新宿でも男の指示も相当あったと思うが今は怖い女達のみに囲まれていて気の毒にみえる。

この本で、男を殴って悩んでる奴らの大半はカウンセリングになんか行くわけがないと思うし、親子関係の本についても同じに思う。
「あるある系本」は怖いなあ。

男の意見なんかほんとは関係ないのかもしれない。
低価格の呑み屋で彼氏や旦那の悪口しかネタがない女子会のような読者がこれ以上つかない事を祈るように最後のページを読み終わりました。
本の内容は素晴らしいのに、本のテーマと関係ないとこで色々考えた本でした。


おすすめです。









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虚しい対立と言えば、、、

2017-01-06 22:13:20 | 今日の1冊
本願寺月光蟲です。

非常に興味深い本を読んだ。
これです。




「本で床は抜けるのか」西牟田 靖さんの本です。

最初から何だが、世の中色々なコレクションのジャンルがあるが、キチガイ指数が高いのは本と蝶かと。
本と蝶のコレクターは時に殺人も平気でるような人が多い。

この本は、古本ばかりが出てくるが根本的にコレクター全般に共通する話ばかり。
しかも、同居人がコレクターで困ってる人にもオススメできる本になっている。


まずは何を置くにしても場所と棚。
日本は狭いしとにかく土地が高い。
と、なると財力がモノを言うかと思いきや実は違う。
コレクターは大金持ちだろうが家がでかかろうが結局のとこ置き場所に困る。
だからコレクターなわけ。
地球を買えたとこで地球が埋まるほど集めるって事。

変な言い方をすると、コレクターなのか?
ただ単に捨てられない人なのか?

この本の面白いとこは複数ある。
建築士に話をキチンと聞いているとこがまず一点。
本を保管する場合、木造、鉄筋、コンクリート、どれが適しているのか?
そして本の置き場所や置き方等、家や部屋のどの場所に置くのが良いのか?
これ、どうも正解がないっぽい。
手抜き工事ならどれもダメ。

あと、雑誌や新聞のコレクターになるとさらにやばい。
湿気を吸うからね。

で、本コレクターの悲しい末路も書いてある。
ちなみにコレクターだからと言っても整理整頓ができる人ばかりとは限らない(笑)
だよなー。
私もそうだ。

コレクターで乱雑なヤツは整理しないから並べても全く脈絡がない、、。
整理されてるのは頭の中だけだ。

物体である以上は生活スペースがなくなる事を意味している。
整理整頓ができる人でもしまいに、蟹寝になる(笑)
蟹寝、、、。
コレクターが蟹寝のまま死んでるパターンがある、、、。
本を置きすぎて普通に歩けない上に寝る時は布団のスペースしかない人。
本の場合風呂だけがなんもないわけだが、本を少しでも置くため、ドアがほとんど開かない。
しまいに風呂に入るにも蟹歩きで入らないといけない人。

で、この本にも書いてあったんだが3.11の地震以降コレクターの意識が変わったりしている。
それは地震で死ぬ恐怖ではなく、雪崩で死ぬ、もしくは失明や骨折、、。

で、電子化というのもテーマになるがこれまた難しい。
断裁機でスキャン、普通にやってたら本を読む時間やら集める時間がない。
というより一生かかっても電子化は終わらないだろうし。
で、出てくるのは業者だ。
電子化してくれる会社があるししかもかなり安い。
だが、この本を電子化する業者は法律的にはグレーゾーン。
私個人は法律的にの電子化を業者に頼んだら法的に完全にアウトだと認識している。
業者の誰かがそのデータを読んだら個人複製を超えてしまう、と思ってる。

話がそれた。
この本のさらに面白いとこは、

コレクターの家族の悲哀だ、、、。

自分の部屋だけでなく、家の中を侵食していく本。
地震が来て子供の頭上から落ちる心配や床が抜ける心配、ほこりっぽい、先に死なれたら掃除が嫌だ、とか色々あるわけだが、、、。
なんと言っても、

女性の大半は理解してるふりをしつつ理解できない

パターンが多い(笑)
女のコレクターも最近はかなりいるが女のコレクターの場合はキチンと整理整頓、自分のスペースで管理できてたりする。
それを超えると近所で有名なゴミ屋敷の変なババアという、、女の子のコレクターは真ん中があまりいないように思える。

話がそれた。
女性、主に妻や恋人はかなりストレスになるのは「自分のスペースに他人のモノが入ってくるのが嫌だ」って事らしい。
ようは「置き場所ないから君の部屋にコレだけ置かせて」となると怒る、みたいなさ(笑)
階段の端っこやトイレとかにコレクションを非難させても当然怒る(笑)
「ちょっとくらいイイじゃねーかよ」なんて一言は怒りをさらに倍増させるっぽいんだよなー。
ブックオフにたまにありえないほど豪華な全集とかありえない美術書なんかが一気に出るのは「旦那のゴミを引き取ってもらった」みたいな。
なんかこう、、冷たい気もしないでもないが、、、家族とは言っても他人にはゴミ(笑)

この本は本好きにとってかなり興味深い話が山盛り。
本好きだけでなく何かを集めてるコレクターにぜひオススメしたい。

面白いよ。










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今日の1冊 悪趣味ビデオ聖書

2016-11-13 12:09:01 | 今日の1冊
本願寺月光蟲です。

最近電車を長時間乗る事があるんでやっと読了。
タイトルに聖書とつけるだけあっ電車かなり分厚く、持ち運びはかなり重かった。



レンタルビデオ黎明期はよく覚えている。
邦画とエロビデオの数はあまりなく海外の映画がメインで。
ビデオメーカーはレンタル市場向けに、権利が安すぎる怪しい糞映画を買い付けて字幕を入れて作ってた

覚えてるが、ほんとにハリウッドの大作か糞みたいな映画の2択で。
邦画は後回しというか権利関係に時間かかったのかもだね。

で、ほんと糞ばかりなんだよ。
売れてる映画の駄洒落みたいな邦題をつけまくってレンタルビデオに卸すわけ。
しかもメーカーもあきらかに適当に作ってるわけで。

そんな時代ばかりの映画ばかり紹介してる映画で、今は入手不可の映画ばかり。
今、ユーチューブで観れたとして(違法)も外人が上げてるから当然字幕無し。
ヤフオクにすら全然出ない。
それは処分されてったわけ。
今みたいにプレミアだのなんだの考えないからな。

そんな時代のレンタルビデオ黎明期の糞洋画を集めた映画本だが、ほんと酷い(笑)
勿論私も観たことがある映画が結構載ってるが別に見直そうと思わないくらい糞なんだよ、、。
糞洋画ファンですら駄目な映画本だが、その糞洋画を集めてあるだけで圧巻(笑)
とにかく凄まじい量があるが、世界でみたら1ミリにも満たない量なわけで。

ブックオフで280円コーナーの棚の99%は50年、100年、2億年経っても誰も聴きたくないバンドのCDと同じでお宝に化けるなんて余程の事で。

きっつい映画ばかりの本で、メインはあらすじなんだが、ページの箸休めのコラムのほうが面白いので全部読んでしまった。
コラムはレンタル業界の話ばかり。
これがスゲー面白かった(笑)

オマケのページだけは読む価値あります。








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今日の1冊 「闇社会犯罪 日本人VS外国人」 著 丸山ゴンザレス

2016-01-05 02:06:34 | 今日の1冊
本願寺月光蟲です。

最近、移民問題が話題になってますね。
後やはりいまだに韓国やら中国やらの人が嫌いな連中や日本バンザイみたいな方もかなりの数いますね。
日本なのにブラジル人ばかり住んでる団地やら、外人しかいないエリアは増えているような気がします。
悪いけど外人に対し本能的に怖いと思う時間や、エリアがあるのは事実なんだよなー。
あと、飲食店は外人が多くて、「どうなってんだよ」と、なんとなく思う時がある。

この本はヤバい系の外人やらなんやら色々書いてあり興味深い。
特に新宿、新大久保界隈の話、黒人多発地帯、中国人多発地帯などのレポートが凄く面白い。
だが、日本人も負けてない(笑)
歌舞伎町における外人とヤクザの関係や、日本人が海外で犯す犯罪等かなり面白い構成。

少し文章がかたい気もしないでもないけれど。
オススメ。





■■■■■■
最近サブカルもオタクもつまんなくなりましたね。

自称する連中ばかりが多くてゲンナリしてます。
面白い文化って自分で見つけないといけないね。
メジャーもマイナーも関係ないっす。

読んだ本の感想です。(批評ではなくただの感想)








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