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桐山徹也「愚者のスプーンは曲がる」

2017-08-15 23:46:08 | 小説・マンガ感想
今回はちょっと違った目線での作品となっています。


これまで名の通った作者での作品しか読んできませんでしたが、今回は自分の中の新境地を開くべく新たな作者での読書を決行しました。

そこで選んだのが桐山徹也さんの「愚者のスプーンは曲がる」。この作品は2017年「このミステリーがすごい!」大賞・隠し玉作品として取り上げられています。
隠し玉とは、その名の通り受賞には届かないものの、編集部が将来性はあると見込んで出版を行っているものです。

ちょうど7月の千葉旅行のときに空港で見つけて買ったのですが、いわゆるメジャーではなくて隠し玉扱いなのでどのくらい作品に入り込めるか楽しみでもあるし不安な面もあった。



話の内容としては、

この物語の中では「超能力」をもつ人が存在するらしい。超能力者はさまざまな普通の人にはない能力を持っているが、能力と引き換えに代償も与えられているとのこと。

主人公の瞬(大学一年生)は、「他人の超能力をキャンセルする」能力を持っているとのこと。もちろんこれまで生きている中で本人に自覚があるはずがない。
そんな瞬の代償は「不運」。大事な日に乗った電車はいつだって止まったり、道に落ちている動物のフンはいつだって踏むなど、とにかくツイてないことだらけ。本人からすると呪われているとすら思うほど。



そんな瞬が物語のキーパーソンとなる。超現象調査機構に所属するキイチは「手を触れずにモノを動かす」ことができるが、代償は「間断ない頭痛」となっている。同メンバーのマキは「液体の温度を上げる」能力を持っており、代償は「熱いものを口にできない」となっている。
そんな代償を抱える二人でも、瞬と一緒にいる時は頭痛も起きないし、ラーメンを食べることもできる。


今回の話のメインは未解決事件を調査することで、このほかにも様々な超能力や代償を持つ人が登場し、事件解決のための大きなカギを握ることになる。




かなり端折りましたが概要はこんな感じです。トータルで見るとサクサク読むことが出来ましたし、内容もその先の展開が気になるくらい面白かったです。
注文をつけるとすれば、せっかく個性あふれる登場人物が多数いるにも関わらず、登場回数が少なく勿体ない人物もいたこととか。あとは途中に挟むネタが物語を変えるような伏線にすらならなかったりとか。続編ありきではこれでも妥協することも必要かと思うが、これで読み切りとなるとちょっと不完全燃焼感のある作品という印象を受けた。
題材は面白かっただけに、ちょっと扱いきれない感じが出てしまったところは残念かなと思う。


たまにこうしてメジャーしたての作品を見つけて読むという経験も必要かなと思います。自分が本を選ぶ決め手は6割が内容、3割が作者、残りの1割がボリュームですかね。
次に選んだ本もすでに読み始めていますが、内容と作者のところでうまくマッチングしたので、ちょっとボリュームが多めですがしっかり読めています。



じゃこの辺で

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