HPS Japan -チャイルドフレンドリーな医療と環境の実現のため、奮闘している人たちのブログ-

本ブログは、HPS(ホスピタル・プレイ・スペシャリスト)に係る情報を発信しています。

きょうちゃんのブログ

2011年10月04日 | 日記
HPS養成事業を通じてたくさんの「出会い」がありました。
どの出会いもかけがえのないものですが、
その中でも印象深く、われわれを大きく育ててくれた「出会い」を紹介します。


それは京ちゃんとの出会いです。

京ちゃんは来年度から小学生になるのですが、
SMAという病気を持って生まれました。
われわれは現在SMAの子どもたちを数名、在宅において、
遊びを通して支援しているのですが、その第一号が京ちゃんです。

京ちゃんに初めて出会った日のことは忘れません
京ちゃんの遊ぶ姿、お母さん、お父さんの強い思い、
そして遊んだ後にお父さんが言った「京ちゃんにはヘルパーさんもいる、
訪問看護師さんもいる、でも何かが足りないと思っていた。
今日、京ちゃんが遊んでいる姿を見て何が足りなかったのかが分った。」
との言葉を私は決して忘れないでしょう。


京ちゃんに初めて出会った時の様子をご紹介します。

まずは、初めての砂遊び


遊びの中に、目の動きの練習も取り入れていきます。


そのときの京ちゃんの様子は・・・



われわれを育ててくれたのは京ちゃんであり、京ちゃんには感謝の思いでいっぱいです。


京ちゃんに対して遊び支援を始める際に、私が作った詩があります。
これにはホスピタル・プレイの価値がたくさん含まれているのではないかと思うので、
紹介させていただきます。



京香ちゃんを支援する皆様へ


遊ぶことによって、子どもは成長します。
遊ぶことによって、子どもは学びます。
でも、それはあくまで遊びの副産物です。
遊びはおもしろい。遊びは楽しい。
遊びは人を無我夢中にさせる力があり、
それこそが遊びの偉大な力です。

京香ちゃんは、どの子どもがそうであるように、遊びたいと思っています。
楽しい遊び、ハラハラする遊び、どきどきする遊び、
たくさん経験したいと思っています。
そのような経験を積み上げて、京香ちゃんは成長していくのです。
そして、自分の思いや将来への夢が見えるようになるのです。

どうぞ皆さん、京香ちゃんに遊ぶチャンスをたくさん作ってください。
京香ちゃんはその障がいのため、皆さんの創意と工夫がなければ、
遊ぶ機会が減ってしまいます。
でも、皆さんの創意と工夫があれば、いくらだって遊べるのです。
たくさん、たくさん、遊べるのです。

京香ちゃんに遊びを提供するとき、
一つだけ忘れないでほしいことがあります。
それは、「選ぶ」ことができるときは、
必ず「選ぶ」機会を与えることです。

どの本を読むの?どの色を塗る?どっちの歌、歌いたい?などなど、
京香ちゃんに「選ぶ」経験をたくさん与えてください。

なぜなら、選ぶことによって、
京香ちゃんは自分が大事にされていると感じるからです。
自分の気持ちが分かるようになるからです。
京香ちゃんの個性が強まり、
その個性が皆さんにも伝わるようになるからです。
京香ちゃんは成長するにつれ、
自分の選択に対し責任を持つことの重要性が分かってくるのです。
そして、京香ちゃんは、素敵な自律した大人の女性になっていくのです。
残念ながら、療養環境にいる子どもは
「遊ぶ」経験も、「選ぶ」経験も不足しているのです。

子どもたちは、今、この瞬間を生きています。
今、この瞬間を輝いているのです。
さあ、遊び支援、はじめましょう!


京香ちゃんの遊びを応援する一同




当時まだ2歳だった京ちゃんも本当に大きくなって、
ますます笑顔が素敵な女の子になりました。
出会った当初から、京ちゃんはちょっとだけ勝気な性格でしたが、
今もそれは変わらないそうです。
そして来年度から小学校に上がるに当たり、
校区の小学校で地域の中に交じって通学したいと願い、
現在ご家族は活動を進めておられます。

ブログ Kyochan's blog  http://ameblo.jp/kyochan-blg/  もあるので、
一度のぞいてみてください
どうぞよろしくお願いいたします。


まっちゃん

HPS合同モデル部会が開催されました

2011年10月04日 | 日記
先月、HPS合同モデル部会が開催されました。

この会議は、本学が文部科学省補助事業として取り組む
「体系的なHPS養成教育プログラムの開発」に係る部会です。

最終年度となる今年度は、HPS教育カリキュラムの完成に向け、
各領域を専門とする先生によって議論されています。

当日の模様を少し、掲載させて頂きます。