12クール修了生の代表が、心のこもった答辞を修了式の中で
読み上げてくれましたので、ご紹介したいと思います。
寒さの中に春の暖かさを感じる季節となりました。
今日私たちHPS養成講座12クール生は12名揃って修了の時を迎えます。
ここまで支え導いてくださった先生方、諸先輩方そして私たちに関わってくださった
全ての方に一同を代表し、御礼申し上げます。
思えば10月31日 これからの学びに期待と不安を抱きながら迎えた開校式。
そこで初めて会った仲間たちは、今まで歩んできた道も抱えているバックグラウンドも
性別も様々でした。しかし、目指す道は同じ。年齢も近いということもありすぐに打ち解ける
ことができました。初めて会ったとは思えないほど仲良くなり、初日の帰りにはそれぞれの
呼び名を決めた事を昨日のことのように思い出します。
翌日の授業から講師の先生方にこのクールは明るく元気で仲が良いねと言われるほど
でした。
そう言われるたび、この仲間たちとならどんなことでも乗り越えていけれると確信を
深めていきました。
講義では、まず何より子どもを観察することの大切さを学びました。
目の前にいる子をよく観察し、その子が何を求めているのか必要なものは
何かを知る事。
子どもの波長に合わせ心地よいハーモニーを作ると心が通い合い、
それが何よりもより良い支援につながる事がわかりました。
私は今までの経験上子どもにとって遊びは必要なものであると感覚的には
わかっていましたが、なぜ必要なのか、どんな効果をもたらすのか具体的かつ理論的に
これほどまでに真剣に考えた事はありませんでした。
遊びは子どもにとって権利である。遊びは生きる事であり、喜び、癒し、日常の生活の
振り返り、そして何よりあちらの世界とこちらの世界を繋ぐ媒体である事が分かり、
遊びの奥深さを知りました。
エマ先生の講義では純粋に遊び改めて遊ぶことの楽しさを感じることができました。
また、ケースワークでは事例をもとにグループワークを重ね話し合う中で様々な見方が
あることを知りました。
また、子どもを中心に置くことそしてその子の周りにも目を向け環境を整えることの大切さも
分かりました。
この頃からHPSの視点をより深め始めた私たちはもっと学びたいという意欲が増しました。
そして、エマ先生も私たちの思いに応えてくださり熱心に指導してくださいました。
国境を超えて子どもたちへの熱い思いで繋がったように感じました。
実習では遊びの力と他職種との連携の大切さを学びました。
療養環境の中で過ごす子どもたちにとって遊びが癒しになっていたり、
医療者とつながる媒体になっていたり、自分の治療の振り返りをしたりすることで
子どもが前向きに医療を捉えていく姿を目の当たりにし、どんな薬よりも効果がある遊びの
もたらす力はすごいと感じました。
また、実習を進めていく中で自分自身の課題にぶつかり悩んだ時寄り添いながら丁寧に
指導してくださり、共に考えてくださったのは先輩HPSの方々でした。
そして、この先輩方が医療をチャイルドフレンドリーなものにするため苦労しながら他職種との
連携・協働の道を切り開いてくださった事も知り、この土台の上に私たちがいる事を自覚し
この道を途切れさせる事なく幾つにも枝分かれし道を広げていけれるよう精進しなければという
思いにもなりました。
私たち12クール生はこの講座期間中笑いの絶えない日々を過ごしました。
富士山を見ながらランチをしたり、仲間の誕生日を祝ったり、授業後遅くまで語り合ったり、
休みの日にはリフレッシュしに出かけたりとみんなで過ごし絆も深めました。
共に泣き、笑い、支え合える最高の仲間となりました。これからの道でもきっと困難に
ぶつかることがあるでしょう。でもそんな時は思い出してください。
みんながいる事、相談できる先生方先輩方がいること、私たちの道は繋がっていることを。
これからも支え合い切磋琢磨しながら医療をチャイルドフレンドリーなものに。
病院にはHPSがいて遊びがあって当たり前の環境となるよう一歩一歩確実に、
全ての子供達のために歩んでいきたいです。
最後になりましたが私たちに関わってくださった全ての方に、そして12クールの仲間たちに
感謝をし答辞とさせていただきます。
平成29年3月9日
12クール修了生代表