会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~ (光文社新書) 三木 那由他 (著)
会話というとコミュニケーションの手段であるということには疑いのないことですがその背景にある思惑というのは深いものがあります。あえて口に出したり、出さないことであえて恣意的に操ろうとしたり圧力をかけたりといった駆け引きが存在しているのはご存じの通り。この本はそんな複雑怪奇な会話の世界を文学作品を通じて哲学したものです。
会話はある程度の背景があって実施されるものなので背景を共有している人だけに届くメッセージがあるわけでそれが必ずしも直接に口にされないということがあり、筆者は「犬笛」という表現をしていますが当人にだけ刺さるものがあるのだというのがありそうです。 改めてこのような分析をすることで何気ない会話の背景を意識することになりそうです。 また日本では特に女性は「気づいてほしい」、男性は「言わないとわからない」というすれ違いが多いのかなと思います。特にこういった会話が情報伝達だけでない様々な機能・意図があるという視点は 女性ならではのものなのかなあと思うので非常に参考になりました。 あと会話はメールや手紙のように考えている時間はほとんどないのである意味細工しにくいというのはあります。そういった意味でも素が出るものなのでしょう。
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