Takekida's log

千里の道も一歩から

流れとともに歩んだ人生

2008-07-20 20:46:36 | What`s new ?
大学、大学院時代の指導教授が紫綬褒章を受章されたとのことで記念講演と祝賀会が開催されたため駆け足でしたが仙台に行ってきました。

講演会・祝賀会案内

講演会は2部構成で前半は受賞された南部健一先生より、後半はこれまた自分の大学時代に東北大総長であった阿部博之先生より。

南部先生の講演は先生が退官時に出した本「果てなき海へ漕ぎいでて」にそって受賞要因となったBoltzmann方程式の解法を中心に退官までの研究生活を振り返った内容でした。先生の作られたスライドには幼い頃のエピソードを描いた手書きのイラストや式、そして心情を花の写真で綴るなど先生の人柄や信条、文学的なセンスのにじみ出た講演だったと思います。


先生から学んだことは色々ありますが自分の中で大きくまとめてしまうと
1.信念を貫く
 …人に批判されようと本当に正しいと思うことを貫く。
  正しいことをすれば評価は後からついてくるもの。

2.ビジョンを持って未来を見据えた研究を行う
 …層流や乱流の研究から希薄気体、プラズマの研究へ大きく舵を切ったのは
 その分野が今後の産業のためになるというしっかりとした展望があったからこそだと思います。

3.人生に対する目的意識を持つ
…上の2項目とも被るのですがライフワークとして自分が世の中に残したいものは何なのか?
 自分はどのように世の中の役に立っていけるのか?というしっかりしたビジョン
 を持って人生の設計そのものを考えていく必要があると思います。

すばらしい指導教官に巡り合えたと改めて出会いに感謝します。 
はたして自分は死ぬ前に「何を残してきた」といえる人間になれるかどうか? 仕事に関しては5年10年スパンが一つの目安になると感じています。今の仕事はやっと3年目に突入しました。

南部先生Blogもご覧ください。

講演の中で気になったのは自己相関係数や環境相関係数を高め過ぎないという話。
自己相関係数、環境相関係数というのはつまり自分の経験に頼りすぎるということです。経験を生かして、というのは良く聞かれることですが独創的な仕事を考えた時には逆に足かせになってしまうのだと思います。難しいですがうまくミックスできると良いと思います。そのためにも常にアンテナを張って新しい物をキャッチできるようにすることが必要です。


後半の阿部先生の講演の内容は「科学技術の行方‐その文化的背景について‐」という題目でした。
過去を振り返りながらこれからの日本の科学技術政策のあるべき姿を探る内容。

簡単にまとめてしまうとこんな感じ
WWⅡ後の日本はキャッチアップ型でアメリカという大きな手本を元に発展してきたが一番手型への移行、グローバル化への対応が求められている。
科学技術を作るのは「人材」。世界で通用する独自の知を作るためには世界観、倫理観を育む風土を作る必要がある。

講演会では助教として頑張っている同期やOBの方々と久しぶりにお会いすることが出来、とても良い機会となりました。

講演、祝賀会の行われた片平さくらホール

“生”紫綬褒章
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