風信子(ひやしんす)の☆本の紹介&エッセー☆俳句

濫読・雑読の風信子(ひやしんす)が気の向くままに、お気に入りの本を紹介いたします。

4月4日 今日、紹介する本は『嫁してインドに生きる』 タゴール暎子 著作 です。

2005年04月04日 | ☆ひやしんすの☆好きな本の紹介♪


ちょっと前、スイス人と結婚してスイスで暮らしている人のブログ日記を面白く読んだ。他のことで検索をしていたら、その女性の日記が引っかかってきたのである。ちょっと気になって読んでみた。イタリア系の夫さんは、イタリア語、ドイツ語、中国語、英語ができたらしい。彼女は英語がしゃべれた。幼いときから外国人と結婚すると固く決心していて、スイス人と結婚することによって目的を果たしたのであり、英語はそれこそ夢中になって勉強したのだそうだ。凄い。色々な人がいるんだなあ。

イタリア系なので、スパゲッティ料理を作るとやさしい彼がこればかりは『どうして、スパゲティを盛る前にお皿を熱く温めておかないの。これは美味しく食べる基本だよ』とそりゃうるさかったようだ。

お気に入りに登録していなかったので再び読もうとしても検索にピッタリと重ならないのが悲しい。驚くべきことに、似たような内容のブログ日記はたくさんあるのである。

国際結婚の体験談はどこの国の人との結婚談でも面白い。ましてやインドで、それもノーベル文学賞に縁(ゆかり)のタゴール家に嫁ぐとあれば面白そうである。私は、タゴール暎子さんの本、『嫁してインドに生きる』を文庫で見つけると、すぐに買った。今回、ブログで紹介しようと題名を入力したら、アハハ間違って漢字を読んでいたよ。嫁(か)して、なんだなあ。嫁(と)してだと思っていたわ。あさはか。  

結婚は1958年の終戦後すぐだから、大家族主義の暮らしは昔どうりではないかもしれないが、読んでいてインドの暮らしを垣間見る楽しさがあった。

インドの人が金や宝石を身につけるのは、魔よけの他に医学療法としてかなっているという。金を肌身につけると高血圧やリュウマチの効くのだそうだ。

人が亡くなるとガンジス川で荼毘。
ここ近畿でも近親者が薪のうえに亡骸を乗せ、火葬したという。どうして田舎のように土葬でなかったのだろうか。母方の祖父が小さい時に近畿で過ごしていて、それを体験したと昔、直に話を聞いた。焼けた亡骸が筋(すじ)がちぢんでくるからだろうか、遺体の半身が起き上がってくるらしい。恐い話だった。

インドでは身内の遺体を荼毘にふすのは男子の役割だそうだ。本によると一体が灰に帰するまでは4、5時間くらいかかる。その間、頭蓋骨が音をたてて割れるのだが、ヒンドゥー教では、魂は頭にこもり、割れてはじめて昇天すると信じられている。とあった。音をたてて割れる・・・。凄い話である。

最後にひとこと。T市で昭和60年国勢調査票の点検作業という仕事をした。細かい作業で記入漏れや勘違いがないか見ていく仕事である。かなりの人数で、配布後に戻ってきた市民の調査票を手分けして見ていくのである。タゴール○○という一家の票があった。ふとインドのタゴールさんの親戚かなあなどと考えたが、まさかなあと思った。
あらためて本のあとがきを見て驚いた。
1984年初夏 大阪高槻の寓居にて、タゴール暎子  とあった。世間は狭し。