
パンソリをテーマにした韓国映画を見たことがある。題名は『風の丘を越えて~西便制(ソピョンチェ)』
(林權澤監督、1993年作品)は、とっても良かった。アタシは映画のなかで流れる歌、パンソリに心惹かれた!
特に、透き通った声でヒロインが歌う沈清(シムチョン)歌には心を奪われた。音楽は知人にいただいた。でも物語歌である沈清の歌詞を読みたくて、古典として岩波文庫ででていないか探したことがある。身も凍るような雪の朝に歌う沈清の曲。日本の演歌はあまり好きではない。でも、恨(はん)の歌パンソリは身に沁みるものがある。
と思っていたら
河合隼雄文化庁長官が韓国文化院でパンソリを鑑賞 という記事をネットで発見。
昨年(2003年)11月、韓国のパンソリと日本の文楽がユネスコ世界無形遺産に登録されたことを記念し、両国の伝統芸術分野の交流拡大を目指し、韓国文化院では日本の文化庁と共同でパンソリと文楽の共同公演を計画しています。今回の訪問はこうした流れを受け実現したものです。
とあり、なんて素敵と思った! そうだ!パンソリは文楽と非常に似合う。どちらもユネスコの世界無形遺産に登録されていたなんて知らなかった。交流で、共同公演ができたら『沈清』物語を文楽を使って表現できるのかもしれないなあ。
ともあれ、パンソリが縁で、呉 善花(お ふぉんふぁ)の本を手に取ったのでありました。
彼女の解説で、映画で繰り返しでてきた「恨」なる言葉の微妙な性格をしった。韓国の男女の交際の様子もわかった。ふう~ん。韓国の男性は日本の男性より非常に紳士的ながら、押しの一手で、かなり強引にアタックするのか。しかもやさしい。しかし、いったん釣り上げた魚(結婚すると)にはエサはいらない、ということであろうか、結婚したとたんに立場は逆転するらしい。
その結果が、「韓国ほど女が男につくす国もないが、また韓国ほど女が男になぐられる国もない」という現状であり、呉さんいわく
「韓国ほど結婚前と結婚後の男の態度が変わる国もない」ということになるのである。
最近は、こうした『古き悪しき伝統! 人前でも、夫が妻を殴る妻は日常茶飯事』という状況は変化しているのだろうか。どうも、美容整形がお見合いのために母親、自分、子供と三世代で行われるというTVのニュースをみると、変わっていないような気がするのだが。
最近の「よん」さまブームを見ていて、フワフワとして憧れの眼差しをみせる日本の老若女性に、あのう、表面だけみないでよといいたくなるなあ。「よん」さま、ちーとも好みではないわあ~。でも、韓国映画は面白いけどね。
かくも醒めたアタシの性格は昔っから。中学の頃に世を席巻したグループサウンズのテンプターズのショーケンがどうたら、タイガースのジュリーがどうした。という話題には全く盛り上がれなくて浮いていたアタシ。現実の人には憧れず、歴史のなかに登場する人物に恋をしていたのでした。
パンソリについては、↓のホームページに詳しいです。映画「風の丘を越えて~西便制(ソピョンチェ)」についても写真や解説がみれますよ。
韓国の伝統芸術 「パンソリ」
この本のことをもっと知りたい方は、↓のリンクからどうぞ♪
『恋のすれちがい』 呉 善花 (お そんふぁ) 著