3月3日に開催された第49期棋王戦五番勝負第三局は藤井聡太棋王が勝利し、戦績を2勝0敗1持将棋とし、防衛に王手をかけました。
伊藤匠七段は持将棋を考えていたかはわかりませんが、一時は有利な局面になりました。しかし、藤井聡太棋王が飛車を切った時点で敗勢になり、そのまま敗れました。
注目すべきは考慮時間の差です。昼食までに藤井聡太棋王は持ち時間時間のうち19分しか消費していませんでしたが、伊藤匠七段は2時間以上消費していました。終局後のインタビューで伊藤匠七段は「認識のない形になった」と語っていました。
これで分かるのは藤井聡太棋王の研究の広さと深さだと思います。おそらくは持将棋対策の一つだとは思いますが、それだけではないという事です。いくつもの持将棋を研究し、いろいろな戦型との組み合わせでどうすべきかも研究していたのではないでしょうか。
伊藤匠七段は負けないための研究ではなく、勝つための研究にしないと永遠に藤井聡太竜王・名人には勝てないと思います。他のトップ棋士に勝っているのですから、力不足ではないと思います。
対藤井聡太竜王・名人戦の成績は0勝9敗1引き分け(持将棋)です。
徹子の部屋特番で藤井聡太竜王・名人は重要な局面では40手先まで読むと語っていました。ずば抜けた才能と豊富な研究量の藤井聡太竜王名人に勝つには並大抵の努力では勝てないでしょう。それを実践しているのが永瀬拓矢九段です。それでもタイトル戦で1勝するのがやっとです。