プロ棋士になる道は複数ありますが、新進棋士奨励会(単に奨励会と呼称される事が多い)に入会し、四段に昇段してプロ棋士になるのが一つ。各種編入試験で三段、四段になる方法が二つ目です。また別組織として研修会があります。(プロ棋士養成が目的ではない)
奨励会入会試験(級位と初段)
年1回行われる奨励会入会試験を受験するためには年齢などの他に、プロ棋士(四段以上)の推薦が必要です。
級位試験
・受験する年の8月末時点で満19歳以下。
・年齢により受験できる級位が異なる。
・一次試験免除がある。
・一次試験:受験者同士が対局し、4勝で通過、3敗で失格となります。
・二次試験:受験者と奨励会員が対局し、受験者が1勝すれば合格。他に作文と面接、書類審査があります。
最終的な合否は結果が郵送で知らされます。
初段試験
・受験する年の8月末時点で満22歳以下。
・アマ棋戦の優勝、準優勝の経験者。(対象となる棋戦はアマ竜王戦、アマ名人戦、アマ王将戦、支部名人戦、赤旗アマ名人戦、朝日アマ名人戦、学生名人戦、学生王将戦の8棋戦)
・奨励会員と5局対戦し、3敗で失格。面接試験(合格者のみ)、書類審査で合否を判断。
最終的な合否は結果が郵送で知らされます。
*奨励会入会試験の詳細
2022年度奨励会入会試験のご案内|将棋ニュース|日本将棋連盟
日本将棋連盟の2022年度奨励会入会試験のご案内のページです。日本将棋連盟は伝統文化としての将棋の普及発展と技術向上や将棋を通じた交流親善などを目的とした公益社団法...
奨励会三段リーグ編入試験
6アマ棋戦(アマ竜王戦、アマ名人戦、アマ王将戦、支部名人戦、赤旗アマ名人戦、朝日アマ名人戦)の優勝者はプロ棋士の推薦で三段リーグ編入試験を受験できます。
・奨励会二段と8局対局し、6勝で三段リーグ編入。
・三段リーグ4期以内に四段昇段できないか、二段降段は退会になります。
昇段・昇級
三段 → 四段昇段:年度2期ある三段リーグで1位、2位で四段(プロ棋士)に昇段。
初段昇段〜三段昇段:8連勝、12勝4敗、14勝5敗、16勝6敗、18勝7敗。
6級昇級〜1級昇級:6連勝、9勝3敗、11勝4敗、13勝5敗、15勝6敗。
降段・降級
三段 → 二段:三段リーグの成績が勝率2割5分以下で降段点が付き、2期連続降段点が付くと二段に降段となります。
二段以下:2勝8敗以下の成績で降段級点が付きます。降段級点を消すには3勝3敗以上の成績が必要です。降段級点が消えないで次の降段級点が付くと、降段・降級となります。
年齢制限
・満21歳までに初段にならないと退会
・満26歳の誕生日を含む三段リーグまでに四段に昇段しないと退会。例外として最後の三段リーグで勝ち越していれば三段リーグに残る事ができます。この延長を繰り返しても満29歳の誕生日を含む三段リーグまでです。
棋士編入試験
アマチュア、女流棋士は所定の成績(直近の最も成績良い部分で10勝4敗以上且つ勝率が6割5部以上)を収める事でプロ棋士編入試験を受験する資格を得る事ができます。資格を得た後、一定期間内に師匠などのプロ棋士の推薦で申請すると受験する事ができます。
試験は受験する直近の騎士番号の大きい騎士から順に5局対局し、3勝すると合格になります。
プロ棋士(四段以上)になるオーソドックスな方法は新進棋士奨励会員になる事ですが、それ以外にも方法はあります。しかし、相当な棋力がないと合格は困難です。合格したとしても最初はフリークラスに編入され、名人戦の予選である順位戦に参加する事ができません。(名人戦以外の棋戦には参加できます)規定の対局数や所定の成績を収める事でC級2組に昇格し、順位戦に参加する事ができます。