イチゴロー’s Memorandum

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ロケット打ち上げ失敗の例

2023-02-20 08:19:40 | 日記
先日のH3ロケットが打ち上げられなかった事で一部の報道機関が記者会見で「失敗」を主張して譲らなかったですね。まあ、私は制御システムが異常を検知して補助ロケットに点火しなかったですから、中止と思っています。「失敗」をどう定義するかによっても変わってきますが。

ロケットの打ち上げ失敗は日本にもあり、それぞれ原因は異なります。
・H2ロケット5号機
 1998年2月に打ち上げられましたが、2段目エンジンが2回目の燃焼時に早期に停止してしまい、衛星を予定した軌道に乗せる事ができませんでした。
 ロケットの打ち上げそのものは成功していますが、衛星を所定の軌道に到達させる事ができませんでしたので、失敗です。
・H2ロケット8号機
 1999年11月に打ち上げられましたが、1段目エンジンが水力を失い、太平洋上で指令破壊となりました。原因の推定はされていましたが、小笠原諸島沖の水深4,000mの海底からエンジンを引き上げて原因を調査しました。
 この打ち上げ失敗が原因でH2ロケットは終了となり、改良されたエンジンを搭載したH2Aロケット打ち上げにつながります。
 開発当初より危惧されていた事が現実となり、完全な失敗です。
※H2ロケットの打ち上げ順は1〜4号機、6号機、5号機、8号機、7号機(キャンセル)となります。
・H2Aロケット6号機
 2003年11月に打ち上げられましたが、1段目のブースターロケット1基が切り離しできずに速度が不足、衛星が所定の軌道に達しないために太平洋上で指令破壊しました。
 推定原因は燃焼ガスによる侵食とそれによる配線の溶断とされています。
 ある程度が想定されていましたが、対策を上回る侵食で失敗しました。
・イプシロンロケット6号機
 2000年2月に打ち上げられましたが、噴射ノズルの破損に速度不足となり、太平洋上に墜落しました。原因は詳らかではありませんが、失敗です。

※指令破壊について
 打ち上げたロケットが何らかの異常により正常な飛行ができなくなった場合、人命や財産に被害が及ばないように機体の一部を地上からの指令で破壊し、あらかじめ設定した海上に墜落させます。
 液体燃料ロケットであれば燃料タンクの一部を、固体燃料ロケットあれば噴射口の一部を破壊し、推進力を喪失させます。
【追記】2023年2月20日
打ち上げたロケットが他国に落下し被害が出た場合、打ち上げ国はその被害を補償する事になっています。

 

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