2014年4月24日付け読売新聞「くらし・家庭」面に
生協連ネット調査 長時間労働は「評価のため」という記事が掲載されました。
2013年9月の調査だったそうなので、日生協のHPで確認してみましたところ、
「社会保障調査」となっていて、かなり多岐にわたる項目について調査されていました。
(調査全体は年金、医療、介護、地域についてなど多岐にわたっているので、興味のある方は是非全体をご覧下さい)
日生協「社会保障調査」調査結果ニュースリリース(2013年11月)
読売新聞では、この調査の一部分「ワークライフバランス」についてだけ抜き出していました。
「ワークライフバランスは必要ない」(男性1.5%女性0.7%)
「ワークライフバランスは十分すすんでいる」(男性0.8%女性0.5%)という回答は
男女とも少ないので、ワークライフバランスは不十分で必要だ!という方が大多数という条件で
ワークライフバランスが進まない理由として次の回答が出ています。
男性では「長時間労働をしないと会社からの評価が下がるから」が一番多く36.2%(ちなみに女性は30.2%)
女性では「職場復帰・再就職が難しいから」が一番多く42%(男性は33.2%)
年代別では、
20代男性の「長時間労働をしないと会社からの評価が下がるから」は47.1%と突出して多いです、
ただし30~50代男性は32~33%なので、20代の新入社員世代が特別プレッシャーを感じているのかもしれません。
確かに、先輩たちが残業していたら自分だけ帰りづらい、
評価が下がりそう・・・と思っても仕方ないかもしれません。
30代以上の先輩たちが長時間労働を是正しないと、
20代はいつまでたっても強迫観念にかられることになりそうですよ。
ところで60代男性が36.5%、70代男性が40%という回答になっていますが、
リタイアした人も多いはずのこの世代が、「長時間労働しないと評価が下がる」と考えている人が多いということは
自分たちが現役だったときは、そういう評価軸があった、ということの表れなんではないかしら?と思いました。
「職場復帰や再就職が難しいから」については、
女性(42%)のほうが男性(33.2%)より多いのは何となくわかりますが、
男女とも若い人より高齢者(60~70代)のほうが多いのは一寸不思議でした。
30代女性は41%の人が職場復帰・再就職は難しいと考えていますが、
60代女性が62.5%と突出して多いのです。
定年後の再就職が難しいと感じている人もいると思いますが、それよりも
子育てで一度退職したがその後再就職ができなかった世代なのかな?
と思いました。
一方40代50代女性は35~36%と意外と少ないですが、
この世代は一度子育てで退職したものの、
子の手が離れてさまざまな職場で再就職ができるようになった世代なのかもしれません。
ちなみに男性60代も52.6%で一番多くなっていました。
再就職・職場復帰ということ自体があまりありえなかった終身雇用の世代だからかな?
結構年代によって考え方が違うんですね。
結局自分たちが経験してきたことが判断の根拠になってしまうことは避けられないようです。
男性の育児休業だって、今の20代30代は普通に感じていても、
それ以上の世代は「なんで男が育児休業??」って感じてしまうのは
やはりジェネレーションギャップが一番大きいかな、と日々感じています。
自分の経験軸だけでものを見ない、
自分の生きてきた時代と今とは違ってきているという現状を直視しないと
今後どう行動すべきかを誤ることになるでしょう。
一従業員も
経営者も
そんな視点をもって毎日をおくっていきたいものです。