白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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鄭有珍-仲邑菫 第1局

2020年08月01日 22時53分24秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
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皆様のお越しをお待ちしております。
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皆様こんばんは。
仲邑菫初段(11)対韓国棋士のシリーズも、いよいよ最終回となりました。
相手は鄭有珍初段(14)です。
2か月半前に対局しており、そのときは仲邑初段が敗れています。

それでは第1局の模様を振り返っていきましょう。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間にて中継されました。

1図(実戦)
鄭初段の黒番です。
黒1~5とは面白い作戦でした。
黒3の出を先手で打てば、黒5のシチョウが成立するというわけですね。
白Aには黒B以下追いかけて、最後は黒Cと打って取れます。

ただ、先に左下で損をしているので、黒が得をしたとは言えないでしょうね。
もっと良い手順があったかもしれません。



2図(実戦)
白1と打ち込みましたが、一転して白3、5!
黒8まで、白石がバラバラになっています。
支離滅裂な打ち方に見えますが・・・。



3図(実戦)
白△の逃げ出し!
これを狙っていたのですね。
白×がシチョウ当たりになっていて取られません。

とは言え、先に大きな損をしているので、戦いでそれに見合うだけのポイントを上げる必要があります。
私には決して真似できません。
仲邑初段らしい、思い切った作戦でした。



4図(実戦)
白△!
筋の良さで知られる仲邑初段ですが、この手はとてつもなく筋が悪いです。
例えるなら、猫がわざわざ狭い所に体を突っ込んで抜け出せなくなるようなイメージですが・・・。

あれれ、おかしいですよ?(ひふみん風)
なんと、これで黒×を逃げることができません!
鄭初段の痛恨の見損じで、碁が決まってしまいました。

と言っても、仲邑初段はここからも全力で戦っており、逆転されないかとハラハラしました(笑)。
しかし、後はきっちり仕留めて白中押し勝ちとなりました。



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