皆様こんばんは。
本日、第1回13路盤プロアマトーナメント本戦が開幕しました。
1回戦2局とそれぞれの勝者による2回戦が行われています。
対局場は日本棋院ネット対局幽玄の間です。
それでは対局の模様を振り返って行きましょう。
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河野臨九段(黒)対石田篤司九段戦です。
黒が三々に入った場面、次にAのノビが定石ですが・・・
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定石通りに進むと、白△が孤立してしまいます。
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そこで実戦は白1と変化、上辺を手厚く打って白5の挟みに回りました。
前図と違って白が攻勢です。
ここで黒はAやBと打つのが普通の定石ですが・・・
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白の石数が多い所なので、黒1からあっさり治まりました。
これも一応定石ではありますが、序盤から2線をハネツグのはつらいとされます。
しかし、しっかり生きてしまえば白△が働かないと主張しました。
両者周囲の状況を見ての好判断でした。
13路盤では定石選択が勝負に直結します。
なおこの後は、河野九段が正確な戦いぶりで勝利を収めました。
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もう1局は張豊猷八段(黒)対高尾紳路九段戦です。
高尾九段は13路棋戦で準優勝経験があり、今回は本戦シードとなっています。
予選を通過した張八段が挑戦する形になりました。
さて、黒△と出た場面ですが、この手は怖い狙いを秘めています。
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うっかり白1と押さえると黒2のツケコシが飛んで来ます。
白3と反撃して振り替わりになりますが、この図は大差で黒勝ちです。
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そこで実戦は先に隅を利かしてから白9と押さえました。
これで黒の狙いを防いでいます。
細かい碁になりました。
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なおも黒がツケコシを決行すると、自分が危険になります。
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その後、白△とツケコシを打ちました。
この手も怖い狙いを秘めています。
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うっかり黒1と遮ると白2が成立、事件になってしまいます。
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実戦は黒1と押さえて難を逃れました。
これで黒が勝っている事も読み切っていたでしょう。
最後は黒1目半勝ちとなりました。
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最後は2回戦、河野臨九段(黒)対石田篤司九段戦です。
19路盤では黒1で2など、封鎖を避けるのが普通の形です。
しかし実戦は隅を守って封鎖を許しました。
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黒はさらに左上の三々にも入って地を稼ぎました。
ここでも2線、3線に石が並び、つらそうな格好です。
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そして白1~5となり、中央が真っ白になりました。
石の姿は白良しですが、しかしこれは13路盤です。
よく見ると四隅の黒地が上回っています。
黒、13路ならではの打ち回しでした。
最後は鮮やかに決め、河野九段が準決勝に進出しました。
プロ同士の対局とはいえ、13路盤は何が起こっているのかアマの方にも分かりやすいと思います。
1局の時間も短いので、ぜひ気楽にお楽しみ頂ければと思います。
次回の対局日は7/5(火)、大橋拓文六段対奥田あや三段、武宮正樹九段対王景怡会津中央病院杯
の2局とそれぞれの勝者による1局が行われます。
人気棋士勢揃いの対局は、幽玄の間で行われます。
ぜひご覧ください!
本日、第1回13路盤プロアマトーナメント本戦が開幕しました。
1回戦2局とそれぞれの勝者による2回戦が行われています。
対局場は日本棋院ネット対局幽玄の間です。
それでは対局の模様を振り返って行きましょう。
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河野臨九段(黒)対石田篤司九段戦です。
黒が三々に入った場面、次にAのノビが定石ですが・・・
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定石通りに進むと、白△が孤立してしまいます。
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そこで実戦は白1と変化、上辺を手厚く打って白5の挟みに回りました。
前図と違って白が攻勢です。
ここで黒はAやBと打つのが普通の定石ですが・・・
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白の石数が多い所なので、黒1からあっさり治まりました。
これも一応定石ではありますが、序盤から2線をハネツグのはつらいとされます。
しかし、しっかり生きてしまえば白△が働かないと主張しました。
両者周囲の状況を見ての好判断でした。
13路盤では定石選択が勝負に直結します。
なおこの後は、河野九段が正確な戦いぶりで勝利を収めました。
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もう1局は張豊猷八段(黒)対高尾紳路九段戦です。
高尾九段は13路棋戦で準優勝経験があり、今回は本戦シードとなっています。
予選を通過した張八段が挑戦する形になりました。
さて、黒△と出た場面ですが、この手は怖い狙いを秘めています。
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うっかり白1と押さえると黒2のツケコシが飛んで来ます。
白3と反撃して振り替わりになりますが、この図は大差で黒勝ちです。
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そこで実戦は先に隅を利かしてから白9と押さえました。
これで黒の狙いを防いでいます。
細かい碁になりました。
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なおも黒がツケコシを決行すると、自分が危険になります。
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その後、白△とツケコシを打ちました。
この手も怖い狙いを秘めています。
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うっかり黒1と遮ると白2が成立、事件になってしまいます。
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実戦は黒1と押さえて難を逃れました。
これで黒が勝っている事も読み切っていたでしょう。
最後は黒1目半勝ちとなりました。
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最後は2回戦、河野臨九段(黒)対石田篤司九段戦です。
19路盤では黒1で2など、封鎖を避けるのが普通の形です。
しかし実戦は隅を守って封鎖を許しました。
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黒はさらに左上の三々にも入って地を稼ぎました。
ここでも2線、3線に石が並び、つらそうな格好です。
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そして白1~5となり、中央が真っ白になりました。
石の姿は白良しですが、しかしこれは13路盤です。
よく見ると四隅の黒地が上回っています。
黒、13路ならではの打ち回しでした。
最後は鮮やかに決め、河野九段が準決勝に進出しました。
プロ同士の対局とはいえ、13路盤は何が起こっているのかアマの方にも分かりやすいと思います。
1局の時間も短いので、ぜひ気楽にお楽しみ頂ければと思います。
次回の対局日は7/5(火)、大橋拓文六段対奥田あや三段、武宮正樹九段対王景怡会津中央病院杯
の2局とそれぞれの勝者による1局が行われます。
人気棋士勢揃いの対局は、幽玄の間で行われます。
ぜひご覧ください!