皆様こんばんは。
実際に書いているのは翌朝ですが、金曜に投稿した事にしておいてください
昨日で本因坊戦の熱い戦いは幕を下ろしました。
しかしその一方で、来年に向けた戦いも行われていました。
本因坊戦最終予選の2局をご紹介しましょう。
棋譜は幽玄の間でご覧頂けます。

岩丸平六段(黒)対村川大介八段戦です。
岩丸六段は関西総本部の実力者、村川八段は現在碁聖に挑戦中です。
白1と打ち込み、黒は2と根拠を奪って攻めて来ました。
白はどうサバいたでしょうか?
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白1とノビるのは正直ですが、やや重い打ち方です。
黒2、4となって一方的に攻められそうです。
後に黒Aなどで絡み攻めになる事もあり得ます。
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そこで白1と軽快に進出、黒2と切ろうとするのに対して白3と様子見のツケを放ちました。
相手の出方を見てから方針を決めようとする高等戦術です。
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黒1なら白2が利いて、下辺のサバキが楽になります。
白4、6などと打ち、無理なく下辺の黒模様を消す事が出来ました。
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黒は下辺に強い1の受けでしたが、それを見て白2と押さえました。
黒3と普通は2目の頭をハネられてはいけないのですが、白4、6となってみるとAの切りやBの渡りが生じています。
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黒1が必要なので、白6まで右辺が良い構えになりました。
もう下辺を助ける必要はありません。
プロらしい無理のないサバキでした。
石を捨てるのもサバキのテクニックの一つです。
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もう1局は黄翊祖八段(黒)対伊田篤史八段戦です。
黄八段は井山七冠のライバル、七冠独占を崩すのは自分だと思っているでしょう。
井山七冠に十段を取られた伊田八段も言わずもがなですね。
白1の何気なく覗いた場面です。
当然繋ぐかと思いましたが・・・
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利かずに黒1とハネました。
確かに良い所ですが、白2と出られて黒△が切れてしまいました。
一見すると黒ひどい形ですが・・・
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なんと黒1の丸取り作戦!
黄八段は読みに定評がありますが、その能力を専らシノギやヨセに活用しています。
しかし今回は珍しく牙をむきました。
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白全体を取りに行っています。
黒2子を取っても2眼できません。
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手順が進みましたが、やはり眼が出来ません。
となると白は右上の黒を取るしかシノギの道はありません。
白△と押さえられて、黒の次の一手は?
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黒1と押さえると、白2と下がってAの所のコウです。
白はBなどにコウ材があり、まだ粘れそうです。
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しかし黒1が好手でした。
ここでなんと白は投了!
この形はどうなっているのでしょうか?
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ハネに対して白1と引くと、無条件生きになります。
同時に白の大石は全滅します。
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白1と押さえる一手ですが、そこで黒2と押さえます。
白Aとコウを取ると黒Bで両コウ、それではきりがないので・・・
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白1と両コウを回避しながら攻める事になります。
コウや5目中手の絡んだややこしい攻め合いで、私にははっきり黒勝ちの図が作れませんでした。
しかし白がダメなのでしょうね。
伊田八段は全てを読み切って投了しました。
トッププロならではの美しい終局です。
しかし、黒を持っていたのが私なら投げてくれなかったでしょう
<7/3追記>
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やはり勘違いしていました。
最終図から黒1が両コウ狙いで先手、そして黒3と放り込むのが攻め合いの手筋です。
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その後の進行です。
隅の黒は5目中手でただでさえ手が長い上にコウ付きです。
白が中から当たりをかける度にコウを取られて、なかなかダメを詰められません。
投了も止むを得ませんでした。
実際に書いているのは翌朝ですが、金曜に投稿した事にしておいてください
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昨日で本因坊戦の熱い戦いは幕を下ろしました。
しかしその一方で、来年に向けた戦いも行われていました。
本因坊戦最終予選の2局をご紹介しましょう。
棋譜は幽玄の間でご覧頂けます。
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岩丸平六段(黒)対村川大介八段戦です。
岩丸六段は関西総本部の実力者、村川八段は現在碁聖に挑戦中です。
白1と打ち込み、黒は2と根拠を奪って攻めて来ました。
白はどうサバいたでしょうか?
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白1とノビるのは正直ですが、やや重い打ち方です。
黒2、4となって一方的に攻められそうです。
後に黒Aなどで絡み攻めになる事もあり得ます。
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そこで白1と軽快に進出、黒2と切ろうとするのに対して白3と様子見のツケを放ちました。
相手の出方を見てから方針を決めようとする高等戦術です。
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黒1なら白2が利いて、下辺のサバキが楽になります。
白4、6などと打ち、無理なく下辺の黒模様を消す事が出来ました。
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黒は下辺に強い1の受けでしたが、それを見て白2と押さえました。
黒3と普通は2目の頭をハネられてはいけないのですが、白4、6となってみるとAの切りやBの渡りが生じています。
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黒1が必要なので、白6まで右辺が良い構えになりました。
もう下辺を助ける必要はありません。
プロらしい無理のないサバキでした。
石を捨てるのもサバキのテクニックの一つです。
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もう1局は黄翊祖八段(黒)対伊田篤史八段戦です。
黄八段は井山七冠のライバル、七冠独占を崩すのは自分だと思っているでしょう。
井山七冠に十段を取られた伊田八段も言わずもがなですね。
白1の何気なく覗いた場面です。
当然繋ぐかと思いましたが・・・
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利かずに黒1とハネました。
確かに良い所ですが、白2と出られて黒△が切れてしまいました。
一見すると黒ひどい形ですが・・・
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なんと黒1の丸取り作戦!
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黄八段は読みに定評がありますが、その能力を専らシノギやヨセに活用しています。
しかし今回は珍しく牙をむきました。
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白全体を取りに行っています。
黒2子を取っても2眼できません。
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手順が進みましたが、やはり眼が出来ません。
となると白は右上の黒を取るしかシノギの道はありません。
白△と押さえられて、黒の次の一手は?
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黒1と押さえると、白2と下がってAの所のコウです。
白はBなどにコウ材があり、まだ粘れそうです。
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しかし黒1が好手でした。
ここでなんと白は投了!
この形はどうなっているのでしょうか?
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ハネに対して白1と引くと、無条件生きになります。
同時に白の大石は全滅します。
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白1と押さえる一手ですが、そこで黒2と押さえます。
白Aとコウを取ると黒Bで両コウ、それではきりがないので・・・
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白1と両コウを回避しながら攻める事になります。
コウや5目中手の絡んだややこしい攻め合いで、私にははっきり黒勝ちの図が作れませんでした。
しかし白がダメなのでしょうね。
伊田八段は全てを読み切って投了しました。
トッププロならではの美しい終局です。
しかし、黒を持っていたのが私なら投げてくれなかったでしょう
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<7/3追記>
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やはり勘違いしていました。
最終図から黒1が両コウ狙いで先手、そして黒3と放り込むのが攻め合いの手筋です。
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その後の進行です。
隅の黒は5目中手でただでさえ手が長い上にコウ付きです。
白が中から当たりをかける度にコウを取られて、なかなかダメを詰められません。
投了も止むを得ませんでした。