白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

本日の対局

2020年08月24日 22時06分31秒 | 対局

<本日の一言>
明日から名人戦七番勝負が始まります。
芝野虎丸名人・王座・十段(20)に井山裕太棋聖・本因坊・天元(31)が挑戦する
、まさに頂上決戦ですね。
名勝負を期待しましょう!



皆様こんばんは。
昨日はお休みしました。
さて、本日は天元戦予選で王立誠九段(61)と打った碁を振り返ります。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されました。

1図(実戦)
私の白番です。
白△のハネは手筋で、白Aの切りを脅かしつつ黒×にプレッシャーをかけていますが・・・。



2図(実戦)
なぜか黒1~5が頭から抜け落ちていました。
白Aと取ってコウですが、コウ立ては黒に多いです。
わざわざ勝てないコウを作ってしまうとは・・・。



3図(実戦)
結局、黒10までとなって外がボロボロです。
これで勝てない碁になりました。



4図(変化図)
そもそも、黒1と守られた時点で深追いをやめ、白2、4と隅を守っておくべきでした。
黒5ともう一手かけるなら、そこで右上隅に手を付け、実戦より優ることは明らかです。
これなら悪くない形勢だったと思います。

本局は考え無しに打ってしまった悪手がいくつかありました。
集中力が足りません。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後の担当日は8/12(水)、8/26(水)、9/11(金)です。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。今後の活動拠点となります。

白石囲碁教室・・・2020年6月末に閉鎖しました。現在は永代塾囲碁サロンでの指導碁情報をお知らせするページになっています。

上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。五反田会場は閉鎖しました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、8月13日に発売されました!


朴廷桓-柯潔

2020年08月22日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
日本棋院ネット対局幽玄の間にて、コロナに打ち勝て!子ども&プロ棋士交流戦が行われます。
子供達の参加するイベントは良いですね。
ぜひご覧ください。



皆様こんばんは。
本日は農心杯第14戦の朴廷桓九段(27)-柯潔九段(23)戦をご紹介します。
どちらもチームの最後の1人という大決戦でした。

1図(実戦)
朴九段の黒番です。
黒△とぶつかったのは、白Aなら黒Bと打とうという意味ですね。
黒CとDが見合いで連絡できます。



2図(実戦)
しかし、白は黒の注文を外してつながらせませんでした。
このように邪魔をされると、黒も怒って戦いが始まります(笑)。



3図(実戦)
白1は黒Aと受けてくださいという手です。
しかし、黒は2と反発して逆に白への攻めを狙いました。
相手の言いなりにならないのはプロの習性ですが、トッププロほどその傾向が強いですね。



4図(実戦)
黒5の切りは上手い手筋ですね。
白Aから黒×を取りにくる手を防いでいます。
接近戦では戦いの手筋が多く現れますね。

双方が秘術を尽くした争いは、柯潔九段の白番半目勝ちとなりました。
世界最高峰の対決に相応しい結果でしたね。



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謝爾豪ー朴廷桓

2020年08月21日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
注目されていた棋聖戦Cリーグの結城聡九段-栗田佳樹アマ戦は、結城聡九段の黒番1目半勝ちでした。
結果は残念でしたが、七大タイトル経験者相手に互角に戦えるのは流石ですね。
栗田アマは残留をかけて最終戦に臨みます。



皆様こんばんは。
本日は農心杯第13戦の朴廷桓九段(27)-謝爾豪九段(21)戦をご紹介します。
朴九段は午前中に行われた范廷鈺九段(24)との再戦に勝ち、本日2局目の対局でした。
4日連続の対局で5局目という、超ハードスケジュールです。

1図(実戦)
謝九段の黒番、黒△と攻めた場面です。
白×が弱いので、白AやBと逃げることを考える方が多いと思いますが・・・。



2図(実戦)
実戦は白1の打ち込みでした。
白×を捨てて、左側で戦った方が楽というわけですね。
私の本にも、「弱すぎる石は捨てる」と書いてあります。



3図(実戦)
と思いきや、黒1、3の先行投資を見て、今度は白×を捨てる作戦に出ました。
これで左辺や上辺の白模様の方が大きいと主張しています。
変幻自在の打ち回しですね。



4図(実戦)
白△も朴九段らしい好手でした。
黒模様を消しながら白×の救出も狙う手ですが、他にも無数の候補手があった場面です。
その中で一番良さそうな手を選んだのは流石ですね。

結果は白1目半勝ちでした。
井山九段に続いて中国勢3人もなぎ倒し、ついに柯潔九段(23)との最終決戦へ・・・。



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朴廷桓ーミ昱廷

2020年08月20日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
将棋の藤井聡太棋聖(18)が、王位も獲得して2冠に!
将棋界も漫画を超越した世界になっていますね。
いずれ7冠制覇する日も来るのではないでしょうか。



皆様こんばんは。
本日は8/19に行われた、農心杯第11戦の朴廷桓九段(27)-ミ昱廷九段(24)戦をご紹介します。
日本は最後の砦だった井山裕太九段(31)が敗退し、韓国も朴九段を残すのみという状況です。
なお、農心杯は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されています。

1図(実戦)
朴九段の黒番、白△と打ち込まれた場面です。
ここでまず黒Aと攻める手が思い浮かびますが、白Bと逃げられて効果が今一つとみたのでしょう。
そこで、実戦は・・・。



2図(実戦)
黒5~7と、中央の白にモタれていきました。
白×を大きく飲み込む構えですね。
そこで白×を逃げ出してくれば、さらに黒AやBとモタれる手が有効になりそうです。



3図(実戦)
しかし、実戦は白△のツケ!
形の常識で言えば、この位置にツケる手はありません。
いかにも中国棋士らしい柔軟な発想ですね。
黒Aとハネれば、白Bの下がりから右辺で治まってしまうので・・・。



4図(実戦)
実戦は黒1と下をハネました。
普通はこれで白の形が崩れてしまいます。
しかし、白×を見限って白2、4と連打すれば大丈夫というわけですね。
身軽になった白は12の伸びに回り、下辺や中央の広がりで勝負する構えです。
華麗な捌きでした。

なお、結果はこの後の寄せ合いを制した朴九段の中押し勝ちとなりました。
そして本日行われた第12戦でも、范廷鈺九段(24)相手に勝利目前でしたが・・・。
秒読みの中で着手が反映されず、まさかの時間切れ!
ネット対局特有のトラブルで、協議の結果明日10時から再対局することになったそうです。
朴九段としては惜しい結果になりましたが、改めて勝てると良いですね。



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近藤登志希ー渡辺寛大

2020年08月19日 23時57分42秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
昨日は都内で24人が熱中症で亡くなったそうです。
コロナの10倍ぐらいでしょうか・・・。
屋内での死亡例が多いようなので、エアコン使用は必須ですね。



皆様こんばんは。
本日は8/11に行われたディスカバリー杯から、近藤登志希初段(19)-渡辺寛大初段(17)戦をご紹介します。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されました。

1図(実戦)
近藤初段の黒番です。
黒1~5と、ゴリゴリ切っていったのは気が付かない手でした。
右側の黒が弱くなってしまいますから・・・。



2図(実戦)
しかし、黒9までとなってみると黒がやれそうです。
黒×と白×の振り替わりなら、身軽になった黒が十分と判断したのですね。
と、納得しかけてしまいましたが・・・。



3図(実戦)
白1の押しに対し、黒Aと開いて逃げ切りを図るのが普通のプロの打ち方でしょう。
ところが、実戦は黒2の逃げ出し!
相手に何も与えない打ち方ですが、その分リスクもあります。
よほど自分の力に自信があるのでしょうね。
いかにも新初段らしいと感じます。



4図(実戦)
結局、黒×まで担ぎ出し、左辺にも先行しました。
全て頑張り切ってしまいましたね。
結果は黒中押し勝ちでした。



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