シェルティー ラン吉

拙者シェルティーラン吉でござる ラン吉のランは「団らん」のラン 一度しかない今日もろもろをラン吉ママがしたためまする

ラン吉 誕生ものがたり~ 番外編 その3

2011-02-28 22:41:58 | ラン吉誕生ものがたり~
ぼくが「ラン吉」ってよばれ始めた最初のころ
パパの車に近づくのも、こわくてこわくてビビッてた
ドアの下のところにおやつを置かれても、とても食べるどころじゃない
車に近づき、まわりを歩くところから、やり直し~

今では、そんなことはなかったかのように、ふんぞり返ってのってるよ~


「ちょうなんぺ」が「ラン♪」になって、今日でちょうど一年です





ラン吉 誕生ものがたり~ 番外編 その2

2011-02-18 23:14:14 | ラン吉誕生ものがたり~
おこたでマッタリ~


ラン吉が我が家にやって来た最初の頃、ラン吉はおどおどとしていて、
我々のかたわらに身をすりよせてくるなんてことは、まったくありませんでした
そんなラン吉が、今ではママのひざの上で、こたつのぬくもりで、ウトウトとしています
お休み前の至福のひととき

「ちょうなんぺ」が「ラン吉」になって、もうすぐ1年


(写真は、ママがひざの上から撮った、ラン吉のおこたマッタリ~ポーズ)

ラン吉 誕生ものがたり~ 番外編

2011-01-21 00:50:56 | ラン吉誕生ものがたり~
ランママの独白


私は、ブログというものをあまりよく知りません。

ラン吉のこのブログを始めた目的は、
一つは、あやふやになっていく記憶を風化させないため

そしてもう一つは、実家のパパさんママさんたちに、ランの成長を見てもらうためでした。

でも、最初にこのブログを立ちあげた時は、
偶然に入力したらできちゃった~ みたいな感じで
こういうブログにしたいというような、理想や計画性はまったくありませんでした。

その時まで、リリーママさんのブログ以外は、まったくと言っていいほど、
見たこともありませんでしたからね。

なので、ランキング?とも、ブログ村?とも、まったく無関係なところで、
気まぐれな更新をしてきました。

ですが、「ラン吉 誕生ものがたり~」を更新中には、
予想もしなかった程のたくさんの方々が、このブログを見にきてくださり、
たいへん驚きました。

これからも、お知り合いの方々に、ラン吉の日々の暮らしをご報告できますように、
そしてまた、ブログをとおして、今後お知り合いの方々が増えていきますように、
ほそぼそと地道に、このブログを続けていかれたらと思っております。

みなさま、「ラン吉 誕生ものがたり~」の長丁場におつき合い頂きまして、
本当にありがとうございました。
心からお礼申し上げます。

今後とも、シェルティーラン吉をお見知りおき頂きますように、
どうぞ、よろしくお願いいたします。

次回より、ブログ名を新しくする予定です。




ラン吉 誕生ものがたり~ その24 最終回

2011-01-19 23:24:04 | ラン吉誕生ものがたり~
(写真は、ぼくを産んでくれたリリー母さん)


ぼくは今のお家にお引越しをしたその日から、「ちょうなんぺ」と呼ばれなくなった

そして「ラン」という名前をもらったけれど、
その日から、何もせずに、すぐに「ラン」になれたわけではない

ぼくが「ラン」と呼ばれるようになってから、もうすぐ11ヵ月になろうとしている

この11ヵ月の間に、ぼくは毎日毎日、少しずつ少しずつ、
まさに、うす皮を重ねるように、「ラン」になってきたんだ

この11ヵ月の間には、パパママのいうことが理解できずにしかられたり、失敗したり、
いろいろなことがありました

それでも、一匹生活のぼくはそれなりに、イヌにはド素人のパパママはそれなりに、
毎日一緒に過ごしながら、楽しい生活をめざして、
なんとかかんとか、試行錯誤でここまできました

ぼくのご飯や散歩やトイレ、そして遊び方も、やり方は最初からずいぶん変わったんだよ

部屋のなかも、お引越しの時にしいてあったビニールござは、すぐにカーペットにかわり、
もよう替えを何度かして、ぼくのハウスの場所も変わった

ぼくの今の家庭生活は、パパママの二人とぼく一匹で、築きあげてきたもの

お友だちイヌとの関係も、迷惑かけながらも、みんなとぼくとで、築きあげてきたもの

ぼくが手に入れたのは、この世にたったひとつだけの、ぼくラン吉の世界

お家のなかでは、ひたすら、ほめられることだけをめざしてきた

公園では、母さん犬と妹犬と、あいも変わらず、じゃれあい、走り回っている

そんな時、実家のママさんは、どうかって

そんなの、言うまでもない

おやつは、もちろん、母さん犬たちと同じようにもらっているよ

三泊の里帰りだってさせてもらえたんだから、
実家に帰って、大好きな元の家族にあまえる醍醐味も、十分にあじわっているんだ

もう、最高だよ~


そんなこんなで、ぼくは「ラン」になりました

2010年のビッグイベント「ラン吉誕生」は、
ぼくだけじゃなくて、パパママにとっても、まさにビッグイベントだったんだね

もう、2011年になっちゃったけども、
1年後、3年後、5年後のぼくは、今と違って、どうなっているだろう

1年、3年、5年と時間がたった時に、
そこにどんなぼくがいるか、どんなぼくに出会えるか、
パパママは、今から楽しみにしています

ぼくは、シェルティー ラン吉

ぼくを見守りかわいがって遊んでくれる全てのヒトとイヌに、ありがとう


「ラン吉誕生ものがたり~」は、ついにおしまい



次回は番外編


えっ、まだあるの



ラン吉 誕生ものがたり~ その23

2011-01-19 00:07:24 | ラン吉誕生ものがたり~
ある朝、ぼくとママが散歩していると、
イヌと一緒にやって来たヒトが、ぼくを見るなり近寄ってきて
「ああ~ リリーちゃんの子どもね~ リリーちゃんにそっくりね~」と
ぼくをなでてくれた

ぼくを見つけるなり、いきなり名前を聞いてきたヒトもいた

ママが「ランです」と答えると、
「まあ~、お母さんイヌと同じように、お花の名前なのね~」
なんて言われたこともあった

年に数回しか公園に来ないというヒトは、こんなことを言った

「何ヶ月も前の話だけど、
黒い子犬の兄弟が、何頭もカートに乗せてもらって遊びにきていたわ
あのパピーちゃん達は、どうしたかしら

ここぞとばかりにママ 「この子は、そのなかの一頭ですよ


そのヒトは、「ええ~ そうなの~ まあまあ、こんなに大きくなったのね~
あの時の赤ちゃんイヌがね~」とウルウルと感激していた

ママは最初はびっくりしていたけれど、
何回もこういうことがたび重なり、ようやく納得しました

公園では、ランのほうが先輩だ

だってさ、ママ、考えてもみてよ

ぼくがまだ「ちょうなんぺ」って呼ばれていたあの頃から
この公園は、ぼくの遊び場だったんだよ

その頃からぼくのことを知っていて声をかけてくれるヒトがいたからといって、
不思議なことはなにもないじゃないか

公園では、ぼくのほうがパパよりもママよりも、先にお友だちをつくっていたんだからね

こんなふうにして、パパママを引っぱりだし、
無事に公園デビューをさせたのは、ぼくの方ってわけ

気がつくと、新しいお友だちも増えて、
ぼくにとって、お山は、なくてはならないコミュニティーサロンです


つづく

とうとうおしまい やっとおしまい  次回は最終回

(写真は、東京湾アクアラインの海ほたるから見た、新春の富士山)

ラン吉 誕生ものがたり~ その22

2011-01-17 23:41:07 | ラン吉誕生ものがたり~
ぼくは、新しいお家にお引越しして来て、
そして「ラン」と呼ばれるようになってから毎日のように、
近所の公園に散歩につれて行ってもらっている

この公園は、母さん犬たち一家のみんなに会えるところだ

家の前の道をすこし歩いて角をまがれば、すぐにこの公園の入り口がみえる

広い公園の中には、レンガの広場や野外音楽堂があり、年に何回かはイベントがある

春には、桜の満開にあわせてお祭りがあって露店が並び、
公園全体が、まるで大宴会場かバーベキュー場みたいになってしまう

いろいろな遊具のほかに、こども用の水あそび場もあって、
夏、そこに浅く水が入れられると、おおぜいのこどもたちが水あそびにやって来る

秋には、大木のキンモクセイが芳香をはなち、枯れ葉が地面をおおう

冬、雪がふれば、お山はちいさなゲレンデのよう

この公園には、一年をとおして、毎日たくさんの人がジョギングやお散歩に来ている

お弁当をたべたり、読書をしたり、自転車や楽器の練習をしたり、
サッカーごっこや野球ごっこに興じたり

朝早くには、ラジオ体操をする人たちもいる


この公園の中でも、ぼくのお気に入りは、なんと言っても、土のお山だ

夕方には、毎日たくさんのお友だちの犬がやって来る


でも、パパママは、こんなに近くのこんなに素敵な公園に、
お花見の時ぐらいしか遊びに来たことはなかったんだって

だから、お山にこんなにもたくさんの犬たちがお散歩に来ることに、
とてもビックリしたらしい

そして、さらにビックリしたのは、初対面にもかかわらず
何人ものヒトから 「もしかして、リリーちゃんの子ども」と聞かれたことだ

お散歩の回数のおおいパパ 「今日もリリーちゃんの子どもって聞かれたよ

お散歩の回数のすくないママ 「本当なの そんなことってあるかしら



つづく

まもなくおしまい ほんとうに

(写真は、ランママの実家でお留守番する、かわいそうなぼく)


ラン吉 誕生ものがたり~ その21

2011-01-16 23:43:33 | ラン吉誕生ものがたり~
公園で実家のママさんに何日ぶりかに会った

うれしくって、うれしくって、まるで夢みたいだ

ぼくは、はしゃぎ回り、走り回り、思いっきり甘えまくった

でも、実家のママさんは、どこかよそよそしくみえる

母さん犬や妹犬にはおやつをあげているのに、ぼくにはくれない

「ランちゃん、おやつはあげないよ あなたは、飼い主さんからもらいなさい」って、
実家のママさんはおやつをしまっちゃった


実家のママさん 今ぼくのことを「ランちゃん」って呼んだよね

ぼくは「ラン」になったっていうことだね

もう「ちょうなんぺ」じゃないんだね

そうなんだ

やっぱりそうだったんだ


はい、今はっきりわかりました

ぼくがもう「ちょうなんぺ」じゃないってこと

だから、ママさん、わざとおやつをくれないんでしょ

ぼくがちゃんと「ラン」になれるように
そして、自分を「ちょうなんぺ」と思い違いしないように

ぼく、もう実家のママさんにおやつをねだったりしないよ

ちゃんとわかっているからね

だから、おやつなんかもらえなくても、へっちゃらだよ

ぼくが実家からお引越ししたあの日も、ママさん、あっ さりぼくとサヨナラしたのは、
ぼくがいつまでも前のお家をふり向かないように、わざとそうしたんだね

ちゃんとわかったから、もう大丈夫だよ


でも、でもね、実家のママさん 一つだけお願い

ぼくに会えたら、その時だけでいいから、甘えさせて

「ちょうなんぺ」って呼んでくれていたあの頃みたいに、
抱きついて、お顔にペロペロさせて 


実家のママさんのかわりは他にはいないから  
ね、だから、これだけはお願い

ぼくを抱きしめて



つづく

でも、そろそろおしまい


(写真と本文は関係ありません)

ラン吉 誕生ものがたり~ その20

2011-01-14 23:01:52 | ラン吉誕生ものがたり~
ぼくには、思いあたるふしがあった

ぼくたち兄弟は、うまれた時には、確かみんなで六頭いたはずだ

だけど、一頭また一頭と、母さん犬のいる実家から姿がみえなくなっていった

みんな、どこか別のお家へ、お引越しして行ったのかもしれない


お店には弟犬のソラ、そして近所には妹犬のマナもいるけれど、
それぞれ実家をでて、新しいお家は別々のところになったということなんだろう

ひょっとして、ぼくにも、その弟妹たちと同じことがおこったのかもしれないぞ


そうだ、きっとそうなんだ

だって、一日たち二日たち、三日四日と時間がすぎても、
実家のパパさんママさんや母さん犬が、ここにやって来る気配もない

ぼくは実家からひとり立ちして、ここで暮らしていくっていうことなんだ


実は、新しいお家に引っ越してくる前、
ぼくは実家では「ちょうなんぺ」って呼ばれていた

でも、お引越しをしてからは、
ぼくのことを「ちょうなんぺ」って呼ぶヒトは、だれもいない

ぼくは、もう「ちょうなんぺ」じゃないのかもしれない

そうだ、ぼくはもう「ちょうなんぺ」じゃないんだ


そうか ぼくは、「ラン」になるんだ

ぼくは、この新しいお家で、新しいパパママと一緒に「ラン」になるんだ

だから、新しいパパママは、
毎日毎日ぼくを「ラン ラン」と呼んでかわいがってくれるんだ

そういうことなんだ

ぼくは、「ラン」なんだ


ぼくは、ここ新しいパパママのお家で、いい子の「ラン」でいようと決めました

いい子にしていると、パパもママもぼくをほめてくれるからね

ぼくはほめられるのが大好き

しかられるのは大きらい


ぼくは、毎日ちゃんとご飯をもらえてお散歩して遊んでもらえることがわかると、
少し落ち着いてきました

だから、もう、お引越ししてきた日のように、ワンワンワンワンと吠えたりはしないよ


そんなある日、いつもの公園に行くと、お山のほうから楽しそうな声がきこえてきました

「リリー、カーラ、リリー、カーラ」

あっ、あれは、実家のママさんがぼくの母さん犬と妹犬をよんでいる声だ

お山でみんなで遊びながら、おやつをもらって食べている

まさか、夢じゃないよね お山に見えるみんなの姿は

まっ、まちがいない

ああ~ なんて、なんて、なんて、うれしい

あそこにいるのは、実家のママさん、そして、母さん犬と妹犬だ

ぼくを取りあげ育ててくれたあのママさんに、ここでこうして会えるなんて

もう、まるで夢みたいだ でも、これは夢なんかじゃないよ

目の前にいるんだ 母さん犬と妹犬、そして実家のママさんが


ぼくは、首輪がきつく食いこむのも構わずに、
グイグイとリードをひいてお山に登って行った

実家のママさんが、母さん犬と妹犬といっしょに、すぐ目のまえにいる


実家のママさ~ん、ママさ~ん、ぼくは思いきり飛びついて甘えた

ああ~ 会いたかった 会いたかった

ああ~ そうだ そうだ これが実家のママさんのなつかしいにおいだ

ああ~ そして、これが母さん犬と妹犬のにおい

会いたかった~ 会いたかった~

ぼくは、気が狂ったように、甘えまくり、はしゃぎまくった

「ちょうなんぺ」と呼ばれていたあの頃に戻ったみたいに


ところが


つづく

(写真と本文は関係ありません)


ラン吉 誕生ものがたり~ その19

2011-01-13 21:49:09 | ラン吉誕生ものがたり~
(前回までのあらすじ)

ぼくは、お引越しをして新しいお家にやってきた

でも、母さん犬とも妹犬ともはなれた暮らしは落ち着かない

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パパママは、ぼくに近づいては「ラン ラン」と言って、ぼくを呼んで
ご飯をくれたり、おやつをくれたり、お散歩に行ったり、ボール遊びをしたり

ぼくは、こうして自分が「ラン」と呼ばれることにだんだんと慣れていった

でも、正直なところ、
この新しい二人のヒトにどこまで気を許していいのか、ぼくは迷っていた

この二人のヒトが近づいてくると、ぼくは緊張した

目を合わせないように下をむいて、近づいてくる足先をじーっと見つめた

何かいやなことをされやしないか、いつもビクビクと警戒していた


ママ「ランは、いつか私にピッタリとよりそって、安心しきって寝そべってくれるようになるかしら」

パパ「毎日一緒にいて愛情をそそいでやれば、きっとそうなるよ」

ママ「早くそうなりたいわ」

パパ「あせらないことだよ」


二人のヒトと一頭のイヌは、お互い、間合いのとり方にギクシャクしていた

畳や障子をガリガリとひっかいては叱られ、あま噛みをしては叱られた

何でどう遊べば楽しいか、お互いに手さぐりだった


でも、ぼくが自分のしっぽを追いかけてクルクルまわっていると、
ママは気づいて、すぐにぼくの遊び相手をしてくれた

パパはお出かけする時には、ラジオをかけておいてくれた

ぼくは、一人になっても寂しいと感じることはだんだんなくなっていった

パパは、時間さえあればホームセンターに出かけて、
ぼくの気に入りそうなおもちゃやおやつを、いろいろと買ってきてくれた

ぼくは、新しいおもちゃの遊び方もわかってきて、
いつの間にか、自分のしっぽを追いかけまわすのは、自然にしなくなった

どうやら、このパパママは、わるいヒトじゃなさそうだという気がしてきた


この新しいお家には、パパとママのふたりのヒトしかいない

だから、ぼくはパパママをよく見るようになった

パパママにしかられるのか、それともほめられるか、とても気になるからね

そして、しかられなくても、ほめられなくても、
パパママの考えることや気持ちが、だんだんと分かるようになってきたんだ


つづく

(写真と本文は関係ありません)


ラン吉 誕生ものがたり~ その18

2011-01-06 23:37:30 | ラン吉誕生ものがたり~
翌朝目をさますと、パパママがいた
ぼくは、ここで一晩ねむったみたいだ

パパママは、ぼくを見て「ラン ラン」と言っている
どうやら、ぼくを呼んでいるみたいだ
ぼくが近寄っていくと、「よしよし、よしよし」と頭や背中をなでまわしてくれた

パパママは、いつも「ラン ラン」とぼくを呼んで、ご飯やおやつをくれる
お散歩にも連れて行ってくれるし、ボール遊びもしてくれる


でも、母さん犬たちのいる実家とちがって、パパママがいなくなると、
たちまち座敷に一人ぼっちになってしまう

そうなると、どうしていいか分からなくて、自分のしっぽを追いかけて遊んだ

クルクル クルクル クルクル クルクル 
自分のしっぽは追いつけそうで、なかなか追いつけない

ぼくは、身の置きどころがなく、落ち着かなくて、自分自身をもてあましていた

思えば、実家では、母さん犬がいろいろと教えてくれた

どうしていいか分からない時、困った時は、母さん犬を見習っていればよかった

退屈すれば、妹犬たちとじゃれ合っていればよかった

でも、こうしてお引越しをして、犬はぼく一人だけの生活になると、
お手本になる母さん犬はいない、じゃれ合える弟や妹はいない

だから、なにをどうするかは、ぜんぶ自分で考えなきゃならない

自分では悪いことをしてるつもりはなくても、パパママにしかられることもある

ぼくは、こんな落ち着かない所に、ずっといなくちゃいけないのかな

もう、ぼくは、元のお家には帰れないのかな


つづく

(写真と本文は関係ありません)


ラン♪ママよりお知らせ

今週末から成人の日までの連休を利用して、一家で帰省します。
ブログ記事の更新は、連休明けより後になります。ご了承ください。

ラン吉 誕生ものがたり~ その17

2011-01-05 23:33:53 | ラン吉誕生ものがたり~
ぼくが連れて行かれた部屋には、
おもちゃもベッドもハウスも、みんな新しいものばかりがそろえてあった

部屋は6畳の和室
最近のおしゃれな住宅とちがい、パパママの家は新しくない

広い居間がないので、座敷をひとつ、ぼくの部屋にしてくれたみたいだ

床の間やふすまの前には、ペット用のフェンスがおいてある

おしっこの失敗をしてもいいように、畳にはビニール製のゴザがしいてある


それもこれも、パパママが初心者なりに、考えて工夫して準備したものだった

とはいえ、こんな所へ、ぼくは突然連れて来られたわけだ

ぼくの部屋にしてもらった座敷と、パパママが食事をする食堂は、
廊下と壁でしきられている

だから、パパママが食堂に行ってしまうと、ぼくは座敷に一人っきりになっちゃうんだ

座敷でひとり、ワンワンと吠えてやまないぼくに、パパママは食堂で途方にくれていた

「困ったわ どうしたらいいでしょう

「時間は早いけれど、エサをやろう

「でも、吠えてエサをもらえると思わせては、しつけ上よくないらしいわ

「相手は生きものだよ  なんでもかんでも、本に書いてあるとおりになんかいくものか
お腹がすいていたら、かわいそうじゃないか

「そうね、わかりました  エサをあげましょう

ぼくは、ご飯をもらって吠えるのをやめた

実家とおなじ、カリカリフードに煮干しのトッピングつきだ

うれしかった  パクパクと食べた  おいしかった  落ち着いてきた
お腹がふくれて、そして眠くなってきた

今日は、ぼく、ここで寝るっていうことなんだろうか


つづく

(写真と本文は関係ありません)

ラン吉 誕生ものがたり~ その16

2011-01-04 23:47:46 | ラン吉誕生ものがたり~
ぼくは、ブルブル震えながら、全くわけの分からないまま、
抱っこされ車に乗せられて、どこかに連れて来られた

連れて来られた所は、一度も来たことがない、ぼくがまったく知らない場所だ
どうやらあのヒトたちの家らしい

ここには、ぼくのかぎ慣れたにおいは、なにもない

母さんや妹のにおいもない
実家のパパさんママさんのにおいもない
いつも遊んでいたおもちゃのにおいもない
ぼくの寝ていたお布団のにおいもない
ここには、ぼくの実家のにおいは、なにもない

いやだ~

ぼく、こんなところ、いやだ~

ここは、ぼくのお家じゃな~い
ぼくを元のお家に帰して~
母さんもだれもいないこんなところで、ぼく一人っきりになっちゃって~
どうしろっていうの~ どうしたらいいの~
ああ~ いやだ~ いやだ~ いやだ~ いやだよ~

あっ、ヒトが何か食べているみたいだ
なに、なにか食べているの
食べているなら、ぼくにもちょうだいよ~
何かちょうだい~ 何かちょうだい~
そして、ぼくをお家に帰して~

ぼくは、思いっきり吠えまくった
全身に力をこめて、吠えに吠えて、吠えまくった
ワン ワン ワン ワン   ワン ワン ワン ワン

いつまでもいつまでも、際限なく、ただただ吠えまくった
だって、恐ろしくって、寂しくって、不安で、孤独で、
もう もう いやでいやでたまらないんだよ~

ワン ワン ワン ワン  ワン ワン ワン ワン

パパママは、なす術もなく、ただただ途方に暮れていました


つづく

(写真と本文は関係ありません)


ラン吉 誕生ものがたり~ その15

2011-01-02 23:17:26 | ラン吉誕生ものがたり~
ぼくは真新しい首輪とリードを着けられました

ぼくは、どうやら、母さん達のいるお家とはちがう所に連れて行かれるみたいだ

それにしても、このヒトたちは、一体だれなんだ~

まだ2回しか会ったことのないヒトたちだよ~

こんなヒトたちなんか、ぼくいやだよ~

みんなのいるお家に帰れなくちゃいやだよ~

ブルブル震えのとまらないぼくの顔を見て、
ママは大急ぎで店長さんに言いました

「なにか、この子の好きな物をあげましょう
そしたら、少しは気がまぎれるかもしれないわ
この子が今まで食べていたのと同じおやつをください

店長さんは、おやつ売り場からボーロを持ってきてくれました

ママは、袋をやぶるのももどかしく、
一粒をとって手にのせ、ぼくの鼻先に差しだしました

「ラン、いい子ね~  ほら、おいしいおやつだよ  食べてごらん
ママはやさしく近づいてきます

でも、不安と警戒を通りこして、恐怖心でかたまってしまったぼくは、
とても何かを食べられるはずもない
じっと下をむいたまま、ただ、ブルブルと震えていました


つづく

(写真と本文は関係ありません)


ラン吉 誕生ものがたり~ その14

2010-12-31 00:51:50 | ラン吉誕生ものがたり~
ついに、その日はやってきた

ぼくは、母さん犬と妹犬といっしょに、実家のママさんに連れられて、
例のお店にやって来ました

ぼくたち三頭が室内ドッグランで遊んでいると、
あの時の二人ずれのヒトが、お店の中に入ってくるのが見えた 

この時、実家のママさんと今のパパママは、初めて会ってご挨拶をしました

パパママは、聞いておきたいリストを片手に、あれこれとお話をききました

そして、もっと細やかなことまで、たくさん丁寧に教えていただきました

たとえば、頭の上から急にさわらないとか、太りやすいから気をつけて~ などです


「犬は、順応性のたかい動物だから、大丈夫、すぐに新しい環境になれますよ」
と言われて、初心者のパパママは少しリラックスしました  

ヒトの話がようやく終わりました

すると、実家のママさんは、ぼくの体をなでながらじっと見つめて言いました

「今日から新しいお家で、ランちゃんになるんだよ いい名前をつけてもらったね 
いい子にして、いっぱい可愛がってもらいなさい

実家のママさんは、最後にギューとぼくを抱きしめると、すっと離れていきました

そして、母さん犬と妹犬をつれると、さっさとお店を出て、帰って行ってしまいました


あっという間のことだった

気がつけば、家族はだれもいなくなってしまったじゃないか~

なんなんだ
 
一体これは、どうしたんだ~

ぼくは、わけがわからない~

なんだか、おそろしい予感がする

ぼくは、ブルブル ブルブル 震えだした

ブルブル ブルブル ブルブル ブルブル  震えはどんどん大きくなる 

ぼくは、部屋のすみっこで震えたまま、一歩も動けなくなっていた


つづく

(写真と本文は関係ありません)

ラン吉 誕生ものがたり~ その13

2010-12-31 00:19:57 | ラン吉誕生ものがたり~
お引越しの準備をしていたある日のこと、
パソコンに向かっていたママが、突然大声をあげました  

「ああああ~   これ~  これ~ 
来て~   来て~  
見て~   見て~  」とパパを呼んでいます 


「どうしたの 大きな声をだして 何かあったの 

「この間、お店の店長さんにあの子の母犬のことを色々と聞いたでしょ

それをキーワードに検索してみたの

そしたら、あの子のご家族のブログがあるのを見つけたのよ 

私たちとお見合いした日のことだって、ちゃんと載ってるわ 

新しいオーナーさんが見つかりましたって、これって、私たちのことでしょう 


ママは、もうビックリして大興奮だ 

そして、読み進むにつれて、
ぼくを産み育ててくれたご家族のことが手に取るようにわかってきた 

それまで育児書ならぬ育犬書ばかり読んでたママでしたが、もうやめました 

ぼくの実家のブログに出会ってからは、毎日そこだけに熱狂的にアクセスしていた 


そして、パパママは、あちこちのホームセンターを走りまわり、
店長さんにも品物を注文したりして、ぼくの家財道具一式の準備に奮闘しました 

聞きたいことも山ほど出てきて、書きとめるのも大変なほどです 

さあ、いよいよ、ぼくがお引越しする記念すべき日が近づいてきたぞ~ 


つづく

(写真と本文は関係ありません)