拙者、シェルティー・ラン吉でござる。 さて、さる日のこと。
みしらぬ青年がふたり、朝から拙宅にあがりこみ、なんと座敷のふすまを外しておる。
拙者ラン吉 「おぬしら、何者であるか? そこで何をしておる?」
青年N氏 「本日はこちらのふすまと障子の張り替えにまいった」
青年S氏 「われら、東大ふすまクラブの部員である」
拙者ラン吉 「それはそれは、ご無礼いたした、お許しくだされ」
というわけで、ふすまと障子の張り替え、開始でござる-。
ふすまの枠は、取りはずせば、実に、ぶざまで。。。。
おおきなふすま紙は、ひとつひとつのふすまに合わせて、カットするのである。
この、刷毛さばきを見よ! 現役東大生というよりは、むしろ職人そのものである!
青年ふたり、わき目もふらずに、きびきびと立ちはたらく手際のよさ。
じつに、職人顔負けのみごとなものでござる!
拙者のでる幕は、ないようでござる。
ふすまの下側を上にして、柄の位置をさだめてから、張っていくのである。
板戸のふすまは、ローラーで張りつける。
引手の穴をあけるのも、お手のものでござる。
枠の取りつけも慎重におこなう。
大胆でありながら、実に緻密な作業である。 手順をまちがえば、元どおりにならないらしい。
上下左右、寸分たがわず、元の位置に、きれいにきっちりとおさめるのである。
しかも、この仕事ぶりで、職人泣かせの格安料金とくれば、多くの人によろこばれるは必然。
東大襖クラブは1954年の創立から、日本の伝統建具のわざを先輩から後輩へと受けついできたそうだ。
もともとは、学生にアルバイトを提供する目的で、大学がつくったサークルとのこと。
部員数がおおすぎると、腕をみがく実践の回数がへってしまうので、あえて勧誘はしないらしい。 まさに、少数精鋭!
チラシ、渋すぎである。 かなり、バンカラである。
ふすまの張り替えは何年に一度のことゆえ、このクラブに次回の張り替えを頼んだとしても、前とおなじ学生さんは、もう在学していないであろう。 (あくまでも、勝手な推測である。。。)
まさに、ふすまがご縁の一期一会でござる。
青年N氏 「最近は、ふすまや障子のあるお住まいがへっております」
青年S氏 「たとえ数枚でも、ご用命おまちしております」
東大ふすまクラブのHPはこちら → 東大襖クラブ ← 料金や出張エリアも載ってます
ラン吉パパ 「ふすまと障子があたらしくなったら、狭い部屋がすこしだけ広くみえるよ」
ラン吉ママ 「ふるい畳がよけいにめだつわ-、東大に畳クラブはないのかしら」
ちなみに、東大に畳クラブはないそうです。 でしょうね。。。。
** 2012年5月20日 追記 **
2012年5月20日、この「東大ふすまクラブ」は、「職人サークル」として日本テレビ系「シューイチ」で紹介されました。