土筆萌ゆ雨柔らかき大地かな 逸考
散歩コースの池の畔に、群生する土筆を見つけた。3月に入ってから寒の戻りのような
寒さにも耐えて、影をもつほどの丈に伸びている。
昔は土筆を摘む人をよく見かけたが、飽食の現代、摘む人達を殆ど見かけなくなった。
なお、土筆(つくし」の語源は 土中から出てきた胞子茎 は、先端まで「袴」に覆われて
いてその形状が筆に似ていることから「土筆」という字が当てられるようになったものと、
言われている。
土筆萌ゆ雨柔らかき大地かな 逸考
散歩コースの池の畔に、群生する土筆を見つけた。3月に入ってから寒の戻りのような
寒さにも耐えて、影をもつほどの丈に伸びている。
昔は土筆を摘む人をよく見かけたが、飽食の現代、摘む人達を殆ど見かけなくなった。
なお、土筆(つくし」の語源は 土中から出てきた胞子茎 は、先端まで「袴」に覆われて
いてその形状が筆に似ていることから「土筆」という字が当てられるようになったものと、
言われている。
青色は晴天の色辛夷の芽 逸考
公園の 辛夷の芽が膨らみはじめた。新しい命の胎動である。芽は柔らかい毛で
覆われている。温かいセーターを着て芽は早春に大きな花を開く日を心待ちしているようだ。
浦日和ともずな弛む春の浜 逸考
2/13 若布干しの漁港に隣接するレジャーボートの係留バースは入り江の奥まったところにあ
る。荒涼としていた冬の浜も、春が近づくと、穏やかな微風が渡り活々と息づいてくるようだ。
浦日和のこの日、ワーフと船を繋ぐ纜は弛み静かな海面に小さな船体を浮かべていた。
梅寒し無人となりし測候所 逸考
洲本市の三熊山の梅林に行った帰り途、測候所のある処まで足をのばした。
気象観測の自動化により合理化されて現在所員はおらず無人測候所となっている。
その庭に所員も愛でたであろう白梅の、ほのかな香りが辺り一面に漂っていた。
老幹に通ふいのちの梅紅く 逸考
今年の冬の寒さは例年になく長引いているようだ。風が強く寒い休日は観梅の人も至って
少ない。梅林の片隅に古い株の紅梅が寒さに耐えながら健気に咲いていた。
フルートの音色やさしき早春譜 逸考
或るアマチュア、ミュージシャンの演奏会、ある病院長のプロ顔負けのフルート独奏(早春譜)にうっとりと聴き惚れた
♪ 春は名のみの 風の寒さや
谷の鴬 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪
大正時代に流行った歌だそうですが よい歌詞ですね!。
海の陽を集め若布の乾きをり 逸考
荒縄のずしり撓みて若布干す
淡路島では生ワカメの天日干しが最盛期、春の訪れを待ちかねたように陽光を浴び潮風に揺れて
いた。一枚づつロープに洗濯バサミではさみ吊るしてゆく。二三日干したあと清水で洗い更に2日ほど
干す。よく乾燥するように手で切り裂くなど手間のかかる作業らしい。ワカメはもう一度海水に漬け再
び干すうちに黒色に変わる。
笹鳴きや島に残れる一揆塚 逸考
鴬は冬になると餌を求めて人家近くに現れ、木々の枝を飛び移ったりして チツ チツ と鳴く、これを笹鳴という。 笹は当て字で、声の小さい意味の「ささ」である。今年生まれた幼鳥に限らず成鳥の雄雌もすべてこの時節に、この鳴き方をする。
天明志士の碑」。天明2年、淡路島最大の一揆といわれる「縄騒動」の首謀者を祭る碑.
南あわじ市広田町の大宮寺裏の丘に立っている。
水仙の 群落海へ 傾れ咲く 逸考
淡路島の由良より海沿いの県道を往くと諭羽山麓の斜面一帯に自生する水仙郷、傾斜地に、海光を惜しみなく受け馥郁たる香りを漂わせていた。
水仙に海光惜しみなき斜面
岬径曲がれば島の水仙郷 逸考
岩かどに いのち絡める蔦紅葉 逸孝
島も、この一週間ほどの間に 楓、うるし、蔦などの紅葉が進んだようで
ある。山野に自生している蔦の鮮やかな目の覚めるような赤が美しい。
蔦は キツタ、ツタウルシなどの種類の総称と広辞苑にあった。
ブレードをうけとめてゐる空小春 逸孝
最近「エコで環境にやさしい」というフレーズで国からの補助金が出るため風
力発電を設置する自治体が多い。しかし風車が設置された方向の家の特
定の場所に低周波(音・振動)を発し続ける結果、人に被害を与えるという
新しい問題が発生しているようだ。
この問題の風車、殆ど無風状態の穏やかな小春日、ブレードは垂れたまま
で廻る気配も一向にない。
黄の紅葉照葉紅葉とうち混じり 逸孝
(きのもみじ てるはもみじと うちまじり)
今月はじめての更新、立冬も既に過ぎたのに、晩秋の紅葉を詠むことに、聊か躊躇した。
新聞の「各地の紅葉便り」を毎日見ているが”色づき始める”とあった龍野公園へ出かけた。
渓流沿いの、楓、紅葉の樹齢は古いが、その美しさに魅了される。
ここは「紅葉谷」と呼ばれ鶏籠山(けいろうざん)の山麓にあり、山頂には赤松氏の築いた城址や瓦が残っている。
このあたりは 私が子供の頃によく遊んだ懐かしい場所でもある。
せせらぎのほかは音なし夕紅葉 逸孝
山並みの墜ち込む谿の照紅葉
山道を登りつめた左側の丘上に相撲の始祖とされる野見宿禰を祀る神社がある。
池の面の時折皺み水澄めり 逸孝
(いけのもの ときおりしわみ みずすめり)
夏にはいつも、うすうすと濁っていた水だが、秋の深まりと共に日に日に澄んでくる。
殆ど感じられないほどの風に池の面が 時折皺む。 そしてしわむことによって、
舫う船の影を落とす水は一層澄みわたって見えた。