蔓の先虚空掴める花豌豆
豌豆の花は素朴だが、仔細に見ると姿形もよく捨てがたい花である。
近所の畑に(雑草防止用の?)黒いビニールシートでマルチングした畝に、支柱もなにも施さず豌豆の蔓が絡み合って、花を咲かせている。
ゆっくりと春の光を通しけり
春に咲く花は、全て明るい感じがするが、その中でも特にチューリップは少しも暗さを持たない喜びを秘めた明るさがある。公園のプロムナードに沿って植えられた赤、黄、ピンクの色とりどりの花のうち、白いチューリップの花が明るく柔らかな春の光に一際映えていた。
迷路めく城址の路に花馬酔木
ツツジ科の常緑低木。山野に自生し,庭木ともする。早春,壺形(つぼがた)の白い小花を枝先に多数つける。有毒で,馬が食べると麻酔状態になるというので「馬酔木」と書く。葉は殺虫剤に,材は細工物にする。アセボ。アシビ。アセミ。アシミ。とも呼ぶ。
連翹の黄路地裏に咲く対向車
近道の路地に入り、眩いばかりの連翹の黄に気をとられていてヒョット前方を見ると対向車が・・・・・接触しないかとヒヤヒヤしながら、無事通りぬけできました。
羞みてかたまり咲ける犬ふぐり
春告草とも言われ早春にいち早く咲く瑠璃色の可愛い花、この花の名は、その実の形から来ているのだそうだ。手に取って仔細
に観察すると白い小さい四片の花びらに瑠璃色の斑があり造化の細かい神経に驚く。
見返れば蹲り咲くたんぽぽ黄
公園の一隅に、先駆けて可憐に咲く「たんぽぽ」に目がとまった。花の形が鼓に似ているので鼓草とも言い鼓を打つ音の連想から「たんぽぽ」の名がついたとも言われている。自生する「たんぽぽ」は殆どが帰化した「セイヨウタンポポ」で日本在来種とは異なるそうである。
鮊子漁が解禁となり、島の漁港は活気づいている。運搬船が帰港する毎におこぼれ
に与かろうと無数の鴎、海鳥が船尾に群がりついて来る。昨年は不漁だった、鮊子漁も
今年はまづまづの漁獲量とのことで、間もなく クギ煮 のよい匂いが漂う頃となる。
鮊子のおこぼれ狙ひ屯せる
近所の果樹園に今年も春の到来を告げる花 - アーモンドの花ーが咲き始めた。梅が終わり桜にはまだ早い今の時期に可愛いピンク色の花,桜の花に全くよく似ている。アーモンドは和名で 巴旦杏(はたんちょう) または扁桃(へんとう)というらしい。梅や桃の近縁種だが果肉は薄く、食用にならない。果肉と種子の殻を取り除いた仁(生アーモンド)をロースト、もしくはフライにして食用とする。そのまま塩味をつけて食べるほか、スライスしたり粉末にしたものを料理や菓子(アーモンドチョコ?)の材料にする。
アーモンド(巴旦杏)咲き満つ丘はまるくあり
土筆萌ゆ雨柔らかき大地かな
3月に入ってより菜種梅雨のような天候が続いたせいか、「つくしんぼう」が柔らかい土中から頭を擡げはじめた。飽食の現代、土筆など摘む人はいなくなったのだろうか?
近くの国道28号線沿いに「世界平和大観音という」高さ100有余メートルのコンクリート製の観音さまが建っている。明石海峡大橋開通時のころまでは、物珍しさに観光客も来ていたが、二、三年前から採算が取れなくなり、閉館したようだ。買手もつかないらしく、ペンペン草が生えて荒れ放題の有様、文字通り無用の長物となっている。観音さんの春はまだまだ遠い・・・・・
春浅し観音像の薄まぶた