*岡田利規作・演出 こまばアゴラ劇場
チェルフィッチュ初体験。
これが「超リアル日本語」と呼ばれる言葉づかいか。
冒頭、登場した女優が「これから『目的地』という芝居をやります。」と言った後、だらだらと話し始める。内容は微妙にずれていくし、からだを妙に動かしたりするしで、なかなか集中できない。
港北ニュータウンに住む若い夫婦が猫を飼おうとして、捨てられたペットの里親探しのイベントにでかけ、可愛い猫をみつける。しかし結局彼らはその猫を引き取らなかった。妻が妊娠していることがわかったからである。
若い夫婦の周辺の人物も、それぞれに漠然とした不安を抱えて生きていることなどはそれこそ漠然と伝わってきたが、この手法について心を動かされるには至らなかった。
「超リアル日本語」とはいえ、決して自然な日常の言葉(彼らのあいだに会話は成立していない)とは思えなかったし、この終わりそうにない台詞を稽古して話しているのかと思うと、どうにも素直に受け取れなくなる。
かといって見終わったあと、ぐったり疲れたわけでもなく、どうにも説明できない何かすっきりした感覚があったことも確かだ。しかし次回公演にも行ってみよう、と決心するにはもう一押し。
もっと言葉を、演劇を信じたいと思った。
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