因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

風琴工房若手企画公演『子供の領分』

2005-11-30 | 舞台

*詩森ろば 脚本・演出 門仲天井ホール


門前仲町の賑やかな商店街から少し歩いたところにあるビルの8階が門仲天井ホールである。
中に入ると少し広めのワンルームマンションくらいのスペースに60席ほどの椅子が置かれている。
窓からは向かいの高速道路がみえ、舞台というよりどこかの部屋にお邪魔しているような雰囲気である。

ゲイのカップルが暮らす部屋にネットで買われた女の子が乱入してくる。
似たような話は映画でも舞台でもみたことがある。不意の闖入者に戸惑い、怒りながらも次第に心を通わせ合い、「奇妙な共同生活が始まる」「三人のあいだに不思議な友情が芽生える」というパターンである。

今回はそのいずれでもなかった。三人の若者たちが最初から最後まで愛とセックスについて、激しくぶつかりあう。一時間十五分の短いものなのに、やや長く感じられたのは台詞の抽象性を具現化するには俳優の肉体の若さが(演技も含めて)ついていってなかったせいだろうか。かといってこれは若い俳優が演じるのでなければ違った話になってしまう。

みたのは昼の回だったので、お芝居のあいだじゅう、外の明るい光が部屋に差し込んでいた。
最後に女の子は勢いよく部屋を出て行くが、これが夜の街だったらどんな印象になるのだろうか。


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