因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

龍馬伝第38回『霧島の誓い』

2010-09-19 | テレビドラマ

これまでの記事
(1,2345,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,2223,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37
 西郷の計らいで、龍馬は妻のお龍を連れて薩摩で療養することになった。京や江戸の喧騒がうそのような山中で湯につかりながら、この国の行く末を考えると自分がこの場にいることがもどかしい。そんな思いをふっきるかのように、龍馬は霧島へ向かう。

 ほとんどオールロケで、霧島の雄大な自然、濃霧に包まれた神秘的な情景に圧倒される。
 龍馬たち夫婦の案内役をした吉井幸蔵という少年がとても可愛らしくて凛々しく、龍馬は親しい相手は呼び捨てにするが、彼に対しては終始「幸蔵さん」と一人前の大人の武士として接しているところが好ましく感じられた。
 世はいよいよ倒幕に向かって動き始めている。多勢に無勢の長州藩。一貫していくさをしないで世の中の仕組みを変えるという龍馬が、長州に加勢することを決める。志を曲げるのかと詰め寄る亀山社中の面々を一喝する龍馬だが、このあたりの描写にもう少し説得力がほしい。龍馬が暗闇に向かって剣を一振りすると、それまで流れていた音楽がぱたりと止んだ。ここに彼の決意が示されているのだろうか。
  後藤象二郎(青木崇高)と岩崎弥太郎の場面は次第にコント的おもしろさも見られるようになった。英語の通辞をつけてほしいと願い出る弥太郎のところに走ってきたのはジョン万次郎(トータス松本)。香川照之とトータスの顔立ちが似ていて、2人が向き合って手を取ると漫才かと見まごうほど。今回の放送で龍馬伝第3部が終わり、次週よりいよいよ最終章に入る。岩崎弥太郎の語りにあったように、誰が生き残るのか、この国がどうなるのか、濁流のごとき時代の荒波はますます激しくなるばかりである。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クロカミのタクラミvol.3『に... | トップ | ガラス玉遊戯vol.3『サマータ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

テレビドラマ」カテゴリの最新記事