*扇田拓也構成・演出 公式サイトはこちら サンモールスタジオ 24日まで
これが2度めのヒンドゥー五千回である(1度め)。古びた日本家屋の縁側に畳んでおかれている学生服とセーラー服。去りゆく夏を惜しむかのような雰囲気のチラシに惹かれてみに行くことを決めた。
両親(宮沢大地、原扶貴子/KAKUTA)と高校生の娘(長谷川有希子/reset-N)の住む家に、突然父方の祖父母(藤原大輔、西田夏奈子)がやってくる。祖父は学生服、祖母はセーラー服姿で。昔から悪気はないが突拍子もない行動で周囲を困らせていたらしく、父は両親に対して優しい気持ちになれない。孫娘は素直に祖父母を受け入れる。
演じる俳優の実年齢と役柄が必ずしも一致していない。たとえば祖父母は白髪で腰を曲げているが、ほんとうの老人でないことはすぐわかる。そこに演劇的効果を求めるのか、何か意味や意図があるのか。学生服とセーラー服姿に驚いたり笑ったりする前に、ここで自分は躓いた。また孫娘の学校の教師(久我真希人)や、近所の男(成川知也)の描写にも疑問が残る。特に後者は「自分のアパートに風呂がないから」という理由で、この家に頻繁にもらい湯に訪れるというのである。なかなかいい男で、母親は彼に対してちょっとどうかと思うくらい寛容である。孫娘のしっかり者の友達(岸浪綾香/ボールドカーテンズ)は、この男が何軒ものうちに同様の理由で出入りし、それぞれの家で年頃の娘を誘惑しているらしいことを暴露するが、その続きは描かれていない。すべてに着地点と結論が必要というわけではないし、謎が謎のまま残ってもいい。しかし現実にあるとは考えにくい状況を提示するなら、人物の背景なり、これまでの経緯なりを観客に伝えるものが欲しいと思うのである。現実的な部分をきちんと描いた上に、不思議な祖父母の存在や、劇中に何度か登場する「懐かしい人1,2(扇田拓也、石黒圭一郎/劇団コーヒー牛乳)」の場面がより深く鮮やかな印象をもつのではないだろうか。
これが2度めのヒンドゥー五千回である(1度め)。古びた日本家屋の縁側に畳んでおかれている学生服とセーラー服。去りゆく夏を惜しむかのような雰囲気のチラシに惹かれてみに行くことを決めた。
両親(宮沢大地、原扶貴子/KAKUTA)と高校生の娘(長谷川有希子/reset-N)の住む家に、突然父方の祖父母(藤原大輔、西田夏奈子)がやってくる。祖父は学生服、祖母はセーラー服姿で。昔から悪気はないが突拍子もない行動で周囲を困らせていたらしく、父は両親に対して優しい気持ちになれない。孫娘は素直に祖父母を受け入れる。
演じる俳優の実年齢と役柄が必ずしも一致していない。たとえば祖父母は白髪で腰を曲げているが、ほんとうの老人でないことはすぐわかる。そこに演劇的効果を求めるのか、何か意味や意図があるのか。学生服とセーラー服姿に驚いたり笑ったりする前に、ここで自分は躓いた。また孫娘の学校の教師(久我真希人)や、近所の男(成川知也)の描写にも疑問が残る。特に後者は「自分のアパートに風呂がないから」という理由で、この家に頻繁にもらい湯に訪れるというのである。なかなかいい男で、母親は彼に対してちょっとどうかと思うくらい寛容である。孫娘のしっかり者の友達(岸浪綾香/ボールドカーテンズ)は、この男が何軒ものうちに同様の理由で出入りし、それぞれの家で年頃の娘を誘惑しているらしいことを暴露するが、その続きは描かれていない。すべてに着地点と結論が必要というわけではないし、謎が謎のまま残ってもいい。しかし現実にあるとは考えにくい状況を提示するなら、人物の背景なり、これまでの経緯なりを観客に伝えるものが欲しいと思うのである。現実的な部分をきちんと描いた上に、不思議な祖父母の存在や、劇中に何度か登場する「懐かしい人1,2(扇田拓也、石黒圭一郎/劇団コーヒー牛乳)」の場面がより深く鮮やかな印象をもつのではないだろうか。
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