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バカマツタケの人工栽培に成功した秋津教雄さんに脱帽

2018年12月09日 04時58分44秒 | 時事放談: 国内編

立派です。感心しました。記録しておきましょう。

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“マツタケ風味”バカマツタケの完全人工栽培成功 開発者に聞く

“マツタケ風味”バカマツタケの完全人工栽培成功 開発者に聞く

バカマツタケの開発を担う秋津教雄主任研究員。キノコグッズを見かけるとつい集めてしまう=加古川市別府町緑町

(神戸新聞)

 香りが良く、炊き込みご飯や土瓶蒸しなどで楽しめる秋の味覚、マツタケ。そんな高級食材と風味がよく似た「バカマツタケ」の完全人工栽培に、肥料メーカーの多木化学(兵庫県加古川市)が世界で初めて成功した。通年栽培が可能で、量産化できれば比較的手頃な値段で購入できる。10月の発表後、同社の株価は急上昇した。2012年から研究に取り組んできた同社の秋津教雄主任研究員(43)に、成功までの苦労やキノコへの思いを聞いた。(綱嶋葉名)

 −会社の本業は肥料で、食品事業へは初参入だ。

 「この会社に入ったのは微生物に関する研究がしたかったから。大学院時代はキノコの研究に没頭し、入社後も暇を見つけては採集していた。12年、思い切って、新たな研究テーマにキノコの人工栽培を提案。すると当時の研究所長が『自分が本当にやりたいテーマならやったらええ』と背中を押してくれた」

 「どうせならインパクトのあるものを−と、バカマツタケを選び、長期テーマとして1人で研究し始めた。2〜3年後に後輩1人が加わったが、思うような結果は出ない。しかし、諦めたら全てが終わる。毎年『来年になったらできます』と会社に訴え続けた

 −研究の手法は。

 「先行文献を読み、他のキノコの栽培技術も応用して、多彩な環境条件や発生要因を試した。アイデアは山ほどあり、つらくはなかった『いつか必ず成功する』という強い思いがあった。年月とともに経験値が増え、キノコの少しの違いにも気付けるようになった。数字に表れない細かな変化も全てメモを取った。おかげで結果を出せた」

 −完全人工栽培の成功は世界初で反響がすごい。

 「取材依頼や、農家から菌を売ってほしいという連絡が相次いだ。株価も一時は1万円超(発表前の約2倍)まで上がり、世間の注目度の高さがよく分かった。3年後の実用化を目指しているが、もっと早くほしいと望まれている」

 −完全人工栽培の強みは。

 「自然栽培では年に1度しか収穫できない。管理された環境だと栽培期間が約3カ月で済み、通年で楽しめる。空調が整備された屋内で育てるので、状態がよく見た目も整ったバカマツタケを提供できる」

 −今後の展開は。

 「自社での製造、販売を目指しているが、大量生産や流通など課題は多い。他社との連携も含め、より多くの人に食べてもらえる方法を探りたい。大量生産して、値段も下げていければと思う。バカマツタケやマツタケは、菌根菌という天然の木から栄養を吸収する種類。同じ種類には、ポルチーニやトリュフなど高級で美味とされるキノコが多い。意欲的に研究したい」

 −バカマツタケという名称については。

 「もともとマツタケより発生時期が早く、生えてくる場所も違うために付いたようだ。ブランドイメージを意識した商品名も検討したい。ただ、バカマツタケという名前だからより注目が集まったのも事実なので、迷っている」
 

肥料会社の株を急騰させた「バカマツタケ」 肝心の味は

肥料会社の株を急騰させた「バカマツタケ」 肝心の味は

味も香りもそっくり(多木化学プレスリリース資料より)

(デイリー新潮)

 植物や動物には「ニセ」とか「モドキ」と呼ばれるものがあるけれど、「バカ」とつけるのは、ちょっと可哀想だろう。何しろ、兜町も驚かせたほどのキノコなのだ。

 兵庫県の肥料メーカー・多木化学が「バカマツタケ」の完全人工栽培に世界で初めて成功したと発表したのは、10月4日のこと。すると、翌日から同社の株価は急騰し、3日連続のストップ高。日経平均株価が1千円以上暴落した11日も値上がりを続け、なんと4連騰を記録したのだ。

 さっそく同社に聞いてみる。

「株価がこんなに上がるなんてビックリしましたが、バカマツタケは当社の柱であるアグリ(農業)ビジネスの一環として研究していたものです。社員の一人が人工栽培出来そうだと提案し、やらせてみたのが始まり。それ以来、6年越しの成果です」(担当者)

 バカマツタケは松茸の近縁種本物がアカマツの林に生えるのに対し、バカマツタケはミズナラなどの広葉樹林に生えることから“バカな松茸”という意味でこう呼ばれるようになったという。数が少ないためスーパーで売られることはなく、田舎の「道の駅」や朝市で時たま見かけるぐらいだ。1パック2千円程度と松茸よりは安いが、場所によっては、そのまま「松茸」として売られていることもある。

 菌類に詳しい研究者によれば、

名前とは逆にバカマツタケの人工栽培は至難の業。本来、生きている木の根にしか共生できない松茸類を、室内の容器で育てたことが画期的なのです

 で、肝心の味はというと、

見た目は、やや小ぶりですが、味は松茸そのまま香りは本物より強いぐらいです。実際、料理して食べてみましたが、土瓶蒸しも、炊き込みご飯もいけますよ。松茸だと言われたら分かりません」(前出の担当者)

 同社では、これから量産技術を確立し、3年後には販売に漕ぎ着けたいと意気込む。株式市場が「バカ騒ぎ」するわけだ。

「週刊新潮」2018年10月25日号 掲載

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勉強不足なもので、「バカマツタケ」のことも、それが人工栽培されるようになったことも知りませんでした(冷汗)。この記事を読んで、本当に感激した次第です。

何よりも、6年間コツコツと「いつか必ず成功する」とバカマツタケ人工栽培の研究を続けた秋津主任研究員は、見事です。頭が下がります。こういう人がいるから、社会が前に進むのだと改めて知らされました。

量産化が可能になって、多木化学も儲かって、秋津さんの待遇がよりよくなることを願います。

それにしても、バカマツタケとは最高のネーミング。どんな人がつけたのか、知りたいものです。もちろん、いつかは食べてみたい食材でもあります。

秋津教雄さんに、拍手!


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