佐賀県最高の公立進学校では、さすがと言わざるを得ない独特の研究をしています。
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【自然科学】佐賀西、絶滅危惧種のドジョウ人工繁殖研究
朝日新聞 2019年7月24日01時36分
水槽の中を体長数ミリの稚魚たちがスイスイ。水が汚れないように、エサの食べ残しをスポイトで吸い取る生徒たちの表情は、真剣そのものだ。
自然科学部門に参加する佐賀県立佐賀西高校サイエンス部は、地元の絶滅危惧種アリアケスジシマドジョウの人工繁殖を目指して、研究に取り組んでいる。
有明海に注ぐ河川や用水路に生息する九州固有種。2012年に新種と認められたが、環境省のレッドリストで「絶滅危惧ⅠB類」(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に記載されている。
サイエンス部は13年から、近郊の水辺で個体数調査をしているほか、まだ詳しく分かっていない生態を解明しようと、水槽で飼育して観察を続けている。
毎年5月下旬から6月が産卵シーズン。捕まえてきた成魚に麻酔をかけ、産卵を促すホルモン剤を与える。そうして産みつけられた卵からかえる稚魚たち。昨年は人工飼料を細かく砕いて与えたが、1カ月ほどで全滅してしまった。「エサの受けがよくなかった」と嬉野佑斗さん(3年)。
今年は動物プランクトンのワムシを含む3種類のエサを用意。約450匹を3グループに分けて飼育している。稚魚たちが大人になり、やがて繁殖してくれることが部員たちの願いだ。
鈴木さくらさん(3年)が「朝の4時に登校して、産卵の様子を動画で撮影することもあります」と話すと、緒方美結さん(3年)は「大変だけど、水槽の中に卵を見つけると、うれしくなります」。
研究発表では、人工繁殖を目指した飼育の取り組みのほか、用水路に産卵しやすい場所をつくる活動も報告する。嬉野さんは「全部見どころ。地元の種の保存に役立てば、と思って続けています」。(上原佳久)
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アリアケスジシマドジョウが、絶滅危惧種から外れますように。佐賀西サイエンス部の活躍に期待します。
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