いやあ、鳥栖工業には頑張ってもらいたいです。
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五郎丸選手の母校に挑む、元パソコン部員ら「素人集団」
朝日新聞 2019年10月26日06時30分
第99回全国高校ラグビーの県予選が26日、佐賀市のSAGAサンライズパーク球技場で開幕する。とはいえ、あるのは決勝の1試合だけ。2年前から予選に出場するのは鳥栖工(鳥栖市)と佐賀工(佐賀市)の2校のみとなっているからだ。佐賀工は今年も勝つと、38年連続48回目の全国大会出場となる。そんな1強を相手に、鳥栖工は「3年連続のトライを決めよう」と挑む。
「もっといける」「しっかり」。県予選の開幕戦兼決勝の3日前、雨のため室内トレーニングに励む選手たちの元気な声が部室に響いていた。
対戦相手の佐賀工は、元日本代表の五郎丸歩選手の出身校として知られる。全国で準優勝したこともある強豪だ。
一方、鳥栖工は戦後間もない1947年創部の伝統があるが、部員数は佐賀工の62人に対し33人。ほとんどが高校からラグビーを始めた初心者だ。両校の決勝での対決は12年連続で、過去には200点以上取られて負けたこともある。
水野貴人監督(46)が「素人の集まり」と話す選手たち。根波(ねは)朝尚(ともなお)君(2年)は中学時代、パソコン部員だった。ゲームにハマり、学校には寝不足のまま行く生活。高校進学を機に体を動かそうと様々な部を見学し、ラグビー部で初心者から始めて体つきが良くなった牛島玲也現主将のことを知った。「自分もたくましくなりたい」と入部を決めた。
身長189センチと恵まれた体格を持つ。だが、本格的な運動経験があまりなく、練習は「地獄のよう」だった。次第についていけなくなり、休みがちに。今年の夏、休んでいると、仲間たちが家にやってきた。「お前ならできる」「身長が武器になる」。励ましを受け、8月下旬に復帰した。
今でも練習はきつく、他の選手たちと差を感じる。それでも「これまで仲間と一緒にやる競技をしたことがなかった。ラグビーは仲間のために頑張ろうと思える」と話す。
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水野監督は「部員が『参加したい』と思える環境づくりが大切」と語る。入部後はパス回しやボールの扱い方など、基本的な練習を半年ほど続ける。まずはラグビーの楽しさを分かってもらえるように、という意図からだ。指導も、示すのは大まかな方針で、後は部員同士の話し合いに任せている。
少ないが経験者もいる。西村皓汰(こうた)君(3年)は小1からラグビーをしている。自宅は佐賀工がある佐賀市だが、三つ上の兄・黎二さんが鳥栖工だった。
兄は3年前の高校総体で佐賀工に7―159と敗れたとき、1トライを決めた選手だ。西村君はその姿に感動し、「兄のようになりたい」と鳥栖工を選んだ。
だが周りは初心者ばかり。もどかしい思いはしょっちゅうだった。それでも「教えて教えて」と熱心に聞いてきたり、積極的に声をかけ合ったりする仲間を見て、自分も頑張ろうと思えた。
佐賀工に負け続けているなか、モチベーションになっているのはワールドカップで初のベスト8入りした日本代表の姿という。「強豪を次々倒した。自分たちもあんな風になりたいと思える」。県予選決勝では、一昨年に5年ぶりのトライを決めると、昨年も2年連続でトライを奪っている。
今年6月の高校総体で対戦したときは0―186。牛島主将は「実力差があるのは分かっているが、食らいついて食らいついて、少しでも多くのトライを決めたい」と意気込む。(松岡大将)
鳥栖工と佐賀工の決勝での対戦成績
鳥栖工 佐賀工
2018年 7 ―134
17年 5 ―147
16年 0 ―175
15年 0 ―123
14年 0 ―86
13年 0 ―90
12年 5 ―182
11年 0 ―173
10年 0 ―190
09年 0 ―70
08年 7 ―220
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佐賀県で育った貧乏英語塾長、ラグビーにおける佐賀工業の強さはよく知っています。それがゆえに、佐賀工業に向かっていく鳥栖工業には拍手を送らざるを得ません。
ぜひとも、3年連続のトライを決めてほしいものです。
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