これぞまさしくベテランの業。脱帽です。
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上野無死満塁ピンチを3者三振斬り 人生初の“中断アピール”「すごくいい経験」
◆ソフトボール女子世界選手権 第6日 予選リーグB組 日本2―0カナダ(7日、習志野市第一カッター球場)
エースらしい気迫の投球だった。日本の先発、世界最強の右腕・上野由岐子(36)=ビックカメラ高崎=が、朝から降り続く雨の中、マウンドを任された。7回4安打で今大会自身初の完封勝利を挙げた。
初回、ぬかるむ足場に投げづらそうで、警戒していた1番・ビクトリア・ヘイワード(26)に中前打を浴びるなどいきなり満塁のピンチを招いた。三振で1死を取った後、主審に投球は続行可能か問われ、上野は中断を選択。28分の中断の後、連続三振を奪ってピンチを脱した。「立ち上がりがすべてだった。勝ったので、良かったです」と笑顔を見せた。
キャリア初の経験だった。中断の場面は、主審が「投げられる? OK?」と上野に聞いた。上野は中断を即決断した。選手に試合の続行を問う異例の展開に「初めて。すごくいい経験になった。主審が聞いてくれて良かった」と充実の表情だった。
尻上がりに良くなった。初回の中断の後、宇津木麗華監督(55)から「三振しかないからね」と声をかけられ、プレッシャーを感じつつも、注文通りに三振を奪った。2回以降も外角低めを強振してくるカナダ打線をうまくかわした。「足場さえ良くなれば、抑えられる自信はあった」。上野らしい投球を見せ、5回以降はノーヒット。3試合連続で無失点だ。
世界ランク2位の日本は、予選リーグ全勝の1位通過に王手をかけた。8日に世界ランク4位のオーストラリアと対戦する。「しっかりグループ1位通過で決勝に進み、日本の強さをアピールしたい。」とエースの表情は、また一段と引き締まった。(宮下 京香)
【ソフトボール】上野由岐子が世界3位カナダを完封 中断が救い 審判「投げられる?」即座に「無理」
ぬかるむグラウンドに苦しみ、初回無死満塁のピンチ…
第16回WBSC世界女子ソフトボール選手権6日目の7日、予選B組で首位に立つ日本は、習志野市の第一カッター球場(秋津球場)で世界ランク3位のカナダと対戦し、2-0で勝利した。先発の上野由岐子(ビッグカメラ高崎)が制球に苦労しながら、カナダ打線を無失点に封じる完封勝利を収め、日本は全勝を守った。
台風13号の接近に伴い、雨が降り続く厳しいコンディション。上野はぬかるむマウンドに足場をとられて、カナダ打線に苦しめられた。初回いきなり連打を浴び、3番サリングには四球。無死満塁のピンチを招いた。
「足場が悪く、三振をとれる気がしなかった。左膝もよくなく、力を入れて投げられなかった。どう打ち取ろうかと必死で考えた」。4番のスピアーズを何とか空振り三振にとると、5番打者のカウントが1-1になったところで審判の決断に救われた。グラウンドコンディションを心配した球審から「投げられるか?」と聞かれると、上野は即座に「無理です」と答え、試合は降雨中断に入った。
「足場さえしっかりすれば、投げられる自信はあった。グランドキーパーには、余計に滑るので、あまり土を入れないで欲しいと言った。三振しかないと監督に言われ、プレッシャーだったが…」と上野。試合が再開されると、この窮地を見事に連続三振で凌いだ。
7回までに96球を投げて4安打無失点。3回2死二、三塁で山崎の内野ゴロと、その後の一塁悪送球で転がり込んだ2点のリードを守り抜いた。6戦全勝でB組首位を守った日本。試合後、上野は「あとはオーストラリアにしっかり勝って、予選を1位で通過したい。日本の強さをアピールしたい」と意気込んでいた。(細野能功 / Yoshinori Hosono)
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雨の中、このままでは流れがより悪くなる。それを察知したがゆえに、上野投手は即座に中断を願い出たわけです。このあたりの思慮深さは、ありとあらゆる大舞台を知り尽くした上野投手だからできたことでしょう。感服しました。
それにしても、主審が選手に中断の是非を訊くことがあるのでしょうか。それが異例だとしたら、そうさせたのは世界ナンバーワン投手である上野投手だからこそといえましょう。この点でも、敬服するしかありません。
今日の関東地方は、雨。オーストラリア戦は順延になるのでしょう。それでも、予選を1位で通過し、最終的に優勝してもらいたいものです。がんばれ、日本!
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