忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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Netflix「離婚しようよ」実を結び始めたNetflixオリジナル作品の決定打

2023年07月21日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


▼Netflix「離婚しようよ」実を結び始めたNetflixオリジナル作品の決定打



配信中■邦ドラ:Netflixオリジナル|離婚しようよ

「日本沈没」「未来日記」とNetflixへのオリジナルコンテンツの提供に力を入れている
TBS製作のドラマ「離婚しようよ」が好評配信中。
TBSで数々のヒットドラマを手がけてきた宮藤官九郎と大石静がタッグを組み
クドカンの得意とするだらしないが憎めない夫と
大石が得意とする凜とした強い妻によるコメディタッチの作品が完成した。
監督は「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」「タイガー&ドラゴン」
「ごめんね青春!」「俺の家の話」とクドカンと共にTBSのドラマを作り続けてきた金子文紀。
主演は「新聞記者」から「流浪の月」まで、
現在活躍中の若手俳優では間違いなくトップクラスの実力を誇る松坂桃李と
サスペンスからコメディまでこちらも幅広くこなす仲里依紗。
共演は地上波から離れて久しい錦戸亮を始め、
神尾楓珠、板谷由夏、古田新太、高島礼子、山本耕史、尾美としのり、竹下景子と多彩な顔ぶれ。
錦戸亮を起用しているあたりが、さすがのクドカン&金子組らしい。
大山祇神社、松山空港、愛媛県庁、松山市役所と
隅から隅まで愛媛を使ったロケも見ているだけで楽しい。

父の地盤を受け継ぎ、愛媛で政治家として活動している夫と、
テレビドラマ「みこちゃん」の主人公として人気を集めている人気女優の妻。
二人揃ってのYouTube配信も行うなど、表向きはラブラブな夫婦だが
中身はとうに冷え切っており、互いに離婚を決意している。
しかし、政治家と女優、どちらもイメージが何よりも大事な仕事をしているため
周囲も含めそう簡単には離婚を許してはくれない。
果たして、いがみ合う二人に明るい明日はやってくるのだろうか。


大勢の脚本家が議論を繰り広げて詰めていくハリウッド方式はさておき
色の異なる脚本家が手を組んで1本のストーリーを紡ぐ場合、
エピソードごとにテイストが変わることがあるのだが、
本作はクドカンと大石の双方の持ち味が喧嘩せずに混ざり合い、良い方向に化学変化を起こしている。
松坂桃李の「世間知らずで下半身に節操がないのに、消しようもない坊ちゃんオーラで人たらし」は
クドカンドラマに多く登場してきたキャラクターだし
仲里依紗の「気が強く相手を非難する割には自身も不貞を働く身勝手さがあるのに、
なぜか憎めない可愛らしさがある」のは、まさに大石ドラマに度々登場するヒロイン像でもある。
政治家と女優という、イメージ至上主義の世界で生きている二人の結婚観を通して
田舎町で生きていくこと、世襲制議員の在り方など、様々な問題を描いていて
全9話全く退屈することなく見終わった。
「みこちゃん」を始めクドカン作品のセルフパロディも随所にあり
宮崎謙介と小泉進次郎とミックスしたような松坂のキャラクターの向こうに
実在の人物を重ねながら見るのも楽しい。



成分表を読み上げるだけでも泣けると豪語し、実際に実行してしまう仲里依紗に腹がよじれるほど笑い
社会派の作品ばかり続いた反動かと思うほど軽薄なボンボンを好演する松坂桃李の二人がとにかく圧倒的に素晴らしい。
この二人のどちらが違っていてもこうはならなかっただろうと思えるほどドンピシャのキャスティングがあればこそ
神尾楓珠の軽さや、板谷由夏&古田新太の茶々や、山本耕史のヒールっぷりが映えてくるというもの。
私の世代には「三択の女王」or「ホームホーマーホーメスト」のイメージだった竹下景子が
意外なほど鬼姑を上手く演じていたのも新たな発見だった。
そして本作の出演をきっかけに今後仕事依頼が増えそうなのが、錦戸亮。
「流星の絆」や「ごめんね青春!」「羊の木」など、俳優としての錦戸の力量は知っていたつもりだったが
色気ダダ漏れのパチンカー&アーティストという難役を見事に体現している。
かなりオイシイ役どころで、視聴者の好感度を集めるようにできているのはクドカンからのエールだろうか。

Netflixが今年発表したオリジナルの日本のドラマを振り返ると
「THE DAYS」「聖域 -サンクチュアリ-」「離婚しようよ」「御手洗家、炎上する」(現在5話まで視聴中)と
制作費だけにとどまらず内容でも地上波のドラマを完全に凌駕している。
扱うテーマの多彩さ、物語を掘り下げる際の深度、演出にかかる制限(の少なさ)など
どの作品も地上波での完全再現が難しいものばかり。
「聖域 -サンクチュアリ-」は撮影前に1年以上かけてキャストの体重増加をしたと言われており
地上波のスピード感ではとても同じことは出来まい。
このペースとクオリティで日本産のドラマが増えていけば
制約にがんじがらめの地上波ドラマは、飯テロ系とBL系以外は駆逐されかねない。
冗談抜きに、それぐらいの脅威をこの4作からは感じる。



クドカンの次回作はディズニープラスで配信される「季節のない街」。
山本周五郎の小説「季節のない街」を、クドカン作品全てのテーマである311を盛り込んで現代風に脚色したドラマ。
原作に沿った内容は1970年には黒澤明が映画化し「どですかでん」として公開されている。
出演は池松壮亮、仲野太賀、渡辺大知、三浦透子、濱田岳、MEGUMI、
片桐はいり、ベンガル、佐津川愛美、又吉直樹、前田敦子、藤井隆、坂井真紀など。
企画・監督・脚本を宮藤官九郎が務め、
音楽は「あまちゃん」の大友良英。2023年8月9日より配信開始。
評価とは裏腹に数字の獲れないクドカンは、スポンサーの目を気にせずに書ける配信の方が輝けると思ったのかもしれない。
そしてその流れは、私の大好きな脚本家である坂元裕二のNetflixとの5年契約にも通じている。

配信中■Amazonプライムビデオ:宮藤官九郎 関連作品一覧
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