また突然の訃報が入った。
黒人初のスーパーヒーローとして制作された
マーベル映画「ブラックパンサー」で主演を務めた
チャドウィック・ボーズマンが亡くなった。
42歳の若さだった。
2016年にステージ3の大腸がんと診断されたが
世間には公表せず仕事と併行しながら闘病も続けていたとのこと。
28日にAP通信が報じた後、ボーズマンの遺族がTwitterを通して彼の死去を認めた。
以下はご遺族のツイートより
計り知れないほどの深い悲しみとともに、
チャドウィック・ボーズマンが死去したことをお知らせします。
チャドウィックは2016年にステージIIIの結腸がんと診断され、
ステージIVへと悪化していく4年の間、闘病生活を送ってきました。
真の闘士であるチャドウィックはこのすべてを耐え忍び、
みなさんに深く愛される多くの映画作品を作りました。
＜中略＞
複数の作品は数え切れないほどの手術と化学療法の間を縫って撮影されました。
『ブラックパンサー』で国王ティ・チャラというキャラクターに
息を吹き込んだことは彼にとって一生の名誉でした。
彼は妻と家族に囲まれて、自宅で亡くなりました。
家族はみなさんの愛と祈りに感謝し、
この辛い時期に彼らのプライバシーを引き続き尊重してくださるようお願いいたします。
2013年公開の「42」の頃よりほっそりした印象はずっと抱いていたのだが
仕事の量をセーブする様子は全くなかったので
役作りなどで増減しているのだろうとばかり思っていた。
数々の大作に出演しながら4年間も癌と闘い
しかもそのことを一切口外しないまま逝くとは。
チャドウィック・ボーズマンの主な出演は以下の通り。
2013年公開「４２ ～世界を変えた男～」
2014年公開「ジェームス・ブラウン ～最高の魂（ソウル）を持つ男～」
2016年公開「シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ」
2016年公開「キング・オブ・エジプト」
2017年公開「マーシャル 法廷を変えた男」
2018年公開「ブラックパンサー」
2018年公開「アベンジャーズ／インフィニティ・ウォー」
2019年公開「アベンジャーズ／エンドゲーム」
2020年公開「ザ・ファイブ・ブラッズ」
チャドウィック・ボーズマンは、
ハリウッドで活躍する若手（といっていいと思う）黒人俳優の中でも
演技力・作品選びにおいて群を抜いていた。
代表作は「ブラックパンサー」なのだろうが
「ブラックパンサー」のベースには人種差別と闘う人々の姿があったように
チャドウィック・ボーズマンの出演作は黒人差別問題と闘う人々を描いたものが多く
しかもどれもクオリティが高い。
「ブラックパンサー」で共演を果たした
マイケル・B・ジョーダン（「フルートベール駅で」「クリード」「黒い司法」など）も同じで
今後のハリウッドにおける黒人俳優のポジションは
この二人がさらに強固なものにしていくのだろうと信じて疑わなかった。
ハリウッドの歴代興収ランキングトップ10は以下の通り。
01位「スター・ウォーズ／フォースの覚醒」9.367億ドル
02位「アベンジャーズ／エンドゲーム」8.584億ドル
03位「アバター」7.605億ドル
04位「ブラックパンサー」7.004億ドル
05位「アベンジャーズ／インフィニティ・ウォー」6.788億ドル
06位「タイタニック」6.594億ドル
07位「ジュラシック・ワールド」6.523億ドル
08位「アベンジャーズ」6.234億ドル
09位「スター・ウォーズ／最後のジェダイ」6.202億ドル
10位「インクレディブル・ファミリー」6.086億ドル
「エンドゲーム」が上回ってなんとかメンツを保ったものの
「アベンジャーズ」最終章の前編にあたる「インフィニティ・ウォー」ですら
「ブラックパンサー」に届かないという、
日本ではちょっと想像がつかないレベルの大ブームを巻き起こした。
アイアンマンもソーもキャプテン・アメリカも、
誰も太刀打ちできない最高最強のスピンオフが「ブラックパンサー」だったのである。
当然続編も予定されていたであろうし、多くのメンバーを退場させた
MCUの次世代フェーズでは確実に主要人物のひとりとして活躍する予定だったはず。
チャドウィックの突然の訃報は、今後のMCUにも大きな影響を及ぼしそうだ。
最後に、チャドウィック・ボーズマンの出演作の中から
特に印象深いものを過去記事から再掲。
「ブラックパンサー」しか知らない方にも、もっと彼の魅力を知っていただければ。
ご冥福をお祈りいたします。
発売中■Blu-ray：42 世界を変えた男
配信中■Amazonビデオ：42 世界を変えた男 字幕版
史上初の黒人メジャーリーガーとして名を残す伝説のプレイヤー、
ジャッキー・ロビンソンの半生を追う伝記ドラマ。
黒人選手がメジャーリーグのチームに入るということが
どれほど革命的なことだったのかを、白人選手達から巻き起こる拒絶反応や
ジャッキーと二人三脚で頑張るGMブランチ・リッキーとの交流を通して描く。
理不尽な差別に対し憤りを抑え来てないジャッキーに
「やり返す勇気ではなく、やり返さない勇気を持て」と諭すブランチの言葉に痺れる。
全体的にお約束の多いオーソドックスなドラマではあるが、
永久欠番「42」を獲得した名選手のエピソードだけあり見応え充分。
発売中■Blu-ray：ジェームス・ブラウン 最高の魂（ソウル）を持つ男
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ソウルミュージックのみならず、世界の音楽シーンに絶大なる影響を与えた
ジェームス・ブラウンの半生を描いた音楽ドラマ。
ネガティブな面をオブラートで包み「天才」と崇め奉ることはせず、
JBの破天荒な面を余すことなく描くことで、
人間味溢れる大スター、ジェームス・ブラウン像を浮かび上がらせる手法。
エディット・ピアフしかり、マイケル・ジャクソンしかり、
特別なギフトを与えられた歌い手は、常識の尺度からしばしば外れてしまう
不器用さと引き換えに、何百万の聴衆を虜にする歌声を得ているのかも知れない。
主演のチャドウィック・ボーズマンのルックスはJBにはさほど似ていない。
にも関わらず、劇中の台詞回しや振る舞いはJBそのものに見える。
チャドウィックが再現しているのは、JBの見た目ではなくソウルだからだ。
「どれだけ見た目が似ているか」を評価軸にしているコミック原作の実写邦画には
20年かかっても真似の出来ないレベルの憑依芝居と言える。
発売中■Blu-ray：マーシャル 法廷を変えた男
配信中■Amazonビデオ：マーシャル 法廷を変えた男 字幕版
黒人差別と闘う法廷モノ。
こちらは1941年のコネチカット州が舞台。
マイケル・B・ジョーダン主演の「黒い司法」は
本作から40年後の1986年のアラバマ州が舞台になっていて
アメリカ合衆国憲法修正第13条が可決されて150年以上経っても
未だアメリカには黒人差別が色濃く残っている。
約10歳の年の差があるチャドウィックとマイケルの二人が
ほぼ同時期に、似たテーマの作品に出演することは偶然ではあるまい。
40年前の闘いを演じるチャドウィックと、40年後の闘いを演じるマイケル。
2020年、またしても起きてしまった不幸な死と
瞬く間に広がったBLMに対し、チャドウィックはどんな思いを抱いていたのだろう。
黒人初のスーパーヒーローとして制作された
マーベル映画「ブラックパンサー」で主演を務めた
チャドウィック・ボーズマンが亡くなった。
42歳の若さだった。
2016年にステージ3の大腸がんと診断されたが
世間には公表せず仕事と併行しながら闘病も続けていたとのこと。
28日にAP通信が報じた後、ボーズマンの遺族がTwitterを通して彼の死去を認めた。
以下はご遺族のツイートより
計り知れないほどの深い悲しみとともに、
チャドウィック・ボーズマンが死去したことをお知らせします。
チャドウィックは2016年にステージIIIの結腸がんと診断され、
ステージIVへと悪化していく4年の間、闘病生活を送ってきました。
真の闘士であるチャドウィックはこのすべてを耐え忍び、
みなさんに深く愛される多くの映画作品を作りました。
＜中略＞
複数の作品は数え切れないほどの手術と化学療法の間を縫って撮影されました。
『ブラックパンサー』で国王ティ・チャラというキャラクターに
息を吹き込んだことは彼にとって一生の名誉でした。
彼は妻と家族に囲まれて、自宅で亡くなりました。
家族はみなさんの愛と祈りに感謝し、
この辛い時期に彼らのプライバシーを引き続き尊重してくださるようお願いいたします。
2013年公開の「42」の頃よりほっそりした印象はずっと抱いていたのだが
仕事の量をセーブする様子は全くなかったので
役作りなどで増減しているのだろうとばかり思っていた。
数々の大作に出演しながら4年間も癌と闘い
しかもそのことを一切口外しないまま逝くとは。
チャドウィック・ボーズマンの主な出演は以下の通り。
2013年公開「４２ ～世界を変えた男～」
2014年公開「ジェームス・ブラウン ～最高の魂（ソウル）を持つ男～」
2016年公開「シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ」
2016年公開「キング・オブ・エジプト」
2017年公開「マーシャル 法廷を変えた男」
2018年公開「ブラックパンサー」
2018年公開「アベンジャーズ／インフィニティ・ウォー」
2019年公開「アベンジャーズ／エンドゲーム」
2020年公開「ザ・ファイブ・ブラッズ」
チャドウィック・ボーズマンは、
ハリウッドで活躍する若手（といっていいと思う）黒人俳優の中でも
演技力・作品選びにおいて群を抜いていた。
代表作は「ブラックパンサー」なのだろうが
「ブラックパンサー」のベースには人種差別と闘う人々の姿があったように
チャドウィック・ボーズマンの出演作は黒人差別問題と闘う人々を描いたものが多く
しかもどれもクオリティが高い。
「ブラックパンサー」で共演を果たした
マイケル・B・ジョーダン（「フルートベール駅で」「クリード」「黒い司法」など）も同じで
今後のハリウッドにおける黒人俳優のポジションは
この二人がさらに強固なものにしていくのだろうと信じて疑わなかった。
ハリウッドの歴代興収ランキングトップ10は以下の通り。
01位「スター・ウォーズ／フォースの覚醒」9.367億ドル
02位「アベンジャーズ／エンドゲーム」8.584億ドル
03位「アバター」7.605億ドル
04位「ブラックパンサー」7.004億ドル
05位「アベンジャーズ／インフィニティ・ウォー」6.788億ドル
06位「タイタニック」6.594億ドル
07位「ジュラシック・ワールド」6.523億ドル
08位「アベンジャーズ」6.234億ドル
09位「スター・ウォーズ／最後のジェダイ」6.202億ドル
10位「インクレディブル・ファミリー」6.086億ドル
「エンドゲーム」が上回ってなんとかメンツを保ったものの
「アベンジャーズ」最終章の前編にあたる「インフィニティ・ウォー」ですら
「ブラックパンサー」に届かないという、
日本ではちょっと想像がつかないレベルの大ブームを巻き起こした。
アイアンマンもソーもキャプテン・アメリカも、
誰も太刀打ちできない最高最強のスピンオフが「ブラックパンサー」だったのである。
当然続編も予定されていたであろうし、多くのメンバーを退場させた
MCUの次世代フェーズでは確実に主要人物のひとりとして活躍する予定だったはず。
チャドウィックの突然の訃報は、今後のMCUにも大きな影響を及ぼしそうだ。
最後に、チャドウィック・ボーズマンの出演作の中から
特に印象深いものを過去記事から再掲。
「ブラックパンサー」しか知らない方にも、もっと彼の魅力を知っていただければ。
ご冥福をお祈りいたします。
発売中■Blu-ray：42 世界を変えた男
配信中■Amazonビデオ：42 世界を変えた男 字幕版
史上初の黒人メジャーリーガーとして名を残す伝説のプレイヤー、
ジャッキー・ロビンソンの半生を追う伝記ドラマ。
黒人選手がメジャーリーグのチームに入るということが
どれほど革命的なことだったのかを、白人選手達から巻き起こる拒絶反応や
ジャッキーと二人三脚で頑張るGMブランチ・リッキーとの交流を通して描く。
理不尽な差別に対し憤りを抑え来てないジャッキーに
「やり返す勇気ではなく、やり返さない勇気を持て」と諭すブランチの言葉に痺れる。
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特別なギフトを与えられた歌い手は、常識の尺度からしばしば外れてしまう
不器用さと引き換えに、何百万の聴衆を虜にする歌声を得ているのかも知れない。
主演のチャドウィック・ボーズマンのルックスはJBにはさほど似ていない。
にも関わらず、劇中の台詞回しや振る舞いはJBそのものに見える。
チャドウィックが再現しているのは、JBの見た目ではなくソウルだからだ。
「どれだけ見た目が似ているか」を評価軸にしているコミック原作の実写邦画には
20年かかっても真似の出来ないレベルの憑依芝居と言える。
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黒人差別と闘う法廷モノ。
こちらは1941年のコネチカット州が舞台。
マイケル・B・ジョーダン主演の「黒い司法」は
本作から40年後の1986年のアラバマ州が舞台になっていて
アメリカ合衆国憲法修正第13条が可決されて150年以上経っても
未だアメリカには黒人差別が色濃く残っている。
約10歳の年の差があるチャドウィックとマイケルの二人が
ほぼ同時期に、似たテーマの作品に出演することは偶然ではあるまい。
40年前の闘いを演じるチャドウィックと、40年後の闘いを演じるマイケル。
2020年、またしても起きてしまった不幸な死と
瞬く間に広がったBLMに対し、チャドウィックはどんな思いを抱いていたのだろう。
正直大腸癌はステージ3でも他の癌より生存率が高いと聞いてたので今でも信じられません
もしかすると治療に専念してれば・・・と思う反面彼がいなければ今のブラックパンサーはなかったと思うとまた複雑な気持ちです
彼のことは一生忘れません・・・
私もそう思っていました。
大腸癌は腸自体が長い臓器ですから
他の臓器に比べてかなり広範囲に切除しても
日常生活に支障が出ないと聞いていましたから。
よほど進行の早い悪性のものだったのか
おっしゃる通り治療に専念すればあるいは・・と。
今となっては冥福を祈るしかできないのが残念ですが
「ブラックパンサー」は偉大な作品として
後世まで残るでしょうし、マイケル・B・ジョーダンが
彼の意志を受け継いでくれるのではないかと思っています。