忍之閻魔帳

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【サンクスギビング公開記念】2007年最高のB級大作、映画「グラインドハウス」を振り返る

2023年12月27日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


▼【サンクスギビング公開記念】2007年最高のB級大作、映画「グラインドハウス」を振り返る



*本記事は2007年12月18日にアップした
 「2007年度最高のB級大作「グラインドハウス」が遂にDVD化」を一部加筆・改稿したものです。


インパクトという点では2007年公開の作品で私的に断トツ1位だったのが「グラインドハウス」だった。
「ハリウッド最高のオタク監督」として知られるクエンティン・タランティーノの家では、
彼と親交がある映画人を集めた上映会が定期的に開かれているらしい。
タランティーノが特に愛しているのが、”グラインドハウス映画”と呼ばれる、
低予算を「セクシー」と「バイオレンス」でカバーした1960~70年代のB級アクション・ホラー映画群。
タランティーノ邸でグラインドハウス映画に触れ、その魅力に虜になったロバート・ロドリゲスが
「こんな映画を二人で作れないか」と話を持ち掛け、タランティーノ×ロドリゲスのタッグにより生み出された2作を
カップリングして連続上映するという驚きのプロジェクトが実現した。

2本立て、3本立てが当たり前の「グラインドハウス映画」らしく
アメリカ公開版は1本70分程度に編集された2本を連続上映する形で公開されたが
日本公開版は海外でカットされたシーンを追加した「ディレクターズカット版」として1本ずつの単独公開となった。
(その後、海外版「U.S.A.バージョン」が一部劇場で限定公開され、Blu-rayでも発売された)




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タランティーノが監督を務めたのが「デス・プルーフ」。

カースタント用に改造された「デスプルーフ」車を乗り回すマイクは、
女を誘ってはわざと事故を起こすイカれた中年スタントマン。
ある日、スタント・ウーマンとして映画の撮影に参加中のゾーイは、映画「バニシング・ポイント」に登場した
70年代型のダッジ・チャレンジャーが売りに出されていることを新聞広告で知る。
彼女の夢は、ダッジ・チャレンジャーのボンネットに乗ってスタンドライドを楽しむこと。
早速、友人を引き連れ売り主の元へ出向くゾーイ。
試乗させてもらえることになり最高潮に盛り上がるゾーイ達だが、
そんな彼女達を見つめるマイクの不気味な視線があった。


前半でキレた中年男・マイクの異常性を際立たせ、後半でマイクの行動にキレた女達の逞しさを見せる
演出の上手さや、吹き替え無しの派手なカースタントであっという間に終わってしまう。
爆笑必至のエンディングといい、タランティーノの悪ノリ加減は「キル・ビル」をも上回ったのではないかと思う。
ちなみに、主人公ゾーイを演じたゾーイ・ベルは、「キル・ビル」で
ユマ・サーマンのスタントを務めた現職のスタント・ウーマン。
「キル・ビル」で見初めたタランティーノが「君のために書いた」と本作の台本を持って口説き落としたらしい。
イカれた中年スタントマンのマイクを演じるのはカート・ラッセル。
強い女にボコボコにされるラッセルの情けなさが実に良い。




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ロドリゲスが監督を務めたのが「プラネット・テラー 」。

極秘裏に実験が行われていた軍の生物化学兵器が、突如流出してしまった。
ガスを浴びた人々は次々と凶暴なゾンビへと姿を変え、テキサスの静かな田舎町は一瞬にしてパニック状態に。
ゴーゴーダンサーのチェリーも必死に逃げ回ったが、ゾンビに襲われ、片足を喰いちぎられてしまう。
チェリーの元彼であるレイは彼女の足にマシンガンを装着。
ゴーゴーダンサーの道と決別したチェリーは片足のセクシーコマンドーへと生まれ変わり、
ゾンビ相手にぶっ放し始めるのだった。
主演は「ブラック・ダリア」のローズ・マッゴーワン。
軍のお偉方役でブルース・ウィリスも出演している。


「片足マシンガン」と聞いただけでどんな映画になるのか薄々予感はしていたものの
ここまで吹っ切れた快作に仕上がっていたとは。
「シン・シティ」では割と真面目にアメコミしていたロドリゲスだが、
本作ではおもちゃ箱をひっくり返したように遊びたい放題。
嬉々として変人を演じるタランティーノや見るも無惨なブルース・ウィリスなど
撮影現場の盛り上がりが伝わって来るようなB級娯楽大作になっている。
制作費が100倍になった井口昇監督作品のようなノリに終始しながら
「シン・シティ」や「300」などのアメコミテイスト好きな方にも通じる楽しさがあり
どうしてもどちらか1本を選べと言われたら、私は僅差でこちらが好き。
ただし、セクシーもバイオレンスも容赦無しなので、お子様は大人になってから。




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その道にハメた張本人であるタランティーノが「イングロリアス・バスターズ」を撮っている頃、
ハメられた側のロドリゲスは、まだ「グラインドハウス」熱が冷めていなかった。
アメリカでは2作セットで連続上映された「デス・プルーフ」と「プラネット・テラー」の幕間に挿入された
フェイク予告編「マチェーテ」を1本の長編映画にしてしまったのだ。
予告編の粗筋と世界観をそのまま残し、残虐かつ怪力、ちょっとおバカなヒーロー像を作り上げた
ロドリゲスのセンスとパワーに脱帽。

捜査官とは思えない汚らしい身なりのマチェーテが、
大鉈を振り回しながら悪党共の首や腕を刎ねまくる豪快なアクションに冒頭から痺れまくり。
この男なら「300<スリーハンドレッド>」のジェラルド・バトラーすらあっさり片付けてしまうに違いない。
およそモテ筋とは思えないマチェーテに群がる女達は
ジェシカ・アルバ、ミシェル・ロドリゲス、リンジー・ローハンと三者三様の美女揃い。
今回はアイパッチのミシェルがとにかくカッコ良かった。
ロバート・デ・ニーロやスティーヴン・セガールが嬉々として悪役を演じていたり
腰が砕けそうになるギャグが所々に盛り込まれているのも楽しい。
特にマチェーテのパスワード解析能力の高さには大笑い。

Blu-ray版には観客の生歓声入りで本編を鑑賞出来る
「リアル映画館モード」が搭載されていたりと、ロドリゲスらしい遊び心も。
これを観ずしてB級好きを名乗ることなかれ。

なお、「マチェーテ」にはさらに続編の「マチェーテ・キルズ」もあるのだが
バカバカしさと無駄な豪華さは前作比120%に増量するも興収は惨敗。
しかし、マチェーテはこれでいいのだ。
コケてもめげるなロドリゲス、次は本当に宇宙にいってくれ。





2023年12月29日公開■洋画:サンクスギビング

そして今週末に公開されるのが、「グラインドハウス」の中で
「マチェーテ」と共に制作されたフェイク予告編の「サンクスギビング」。
「グラインドハウス」公開から16年越しに長編映画となった。
出演はパトリック・デンプシー、アディソン・レイ、リック・ホフマン、ジーナ・ガーション。
「マチェーテ」が作られただけでも十分奇跡的なことだが、2作目の「嘘から出たまこと」が出来るとは。

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