FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会まで3カ月を切った。4月のヨーロッパ遠征(フランス戦、ドイツ戦)のメンバーがまもなく発表される。その顔ぶれを見ればFIFA女子ワールドカップ2019日本代表にどの選手が選出されるかほぼ100%は分かるでしょう。それではこれまでの招集メンバーなどをベースに予想(第2版)しましたのでご紹介したい。
なでしこジャパン代表メンバー予想のベースは?
① なでしこジャパン候補トレーニングキャンプ
今年1月31日~2月4日静岡で実施されたトレーニングキャンプに召集されたメンバ―27名は次の通り。
GK
池田 咲紀子、山下 杏也加
DF
鮫島 彩、有吉 佐織、阪口 萌乃、三宅 史織、清水 梨紗、大賀 理紗子、市瀬 菜々、南 萌華、北村 菜々美
MF
阪口 夢穂、宇津木 瑠美、中島 依美、松原 有沙、長谷川 唯、杉田 妃和、三浦 成美、長野 風花、宮澤 ひなた、遠藤 純
FW
菅澤 優衣香、横山 久美、籾木 結花、池尻 茉由、小林 里歌子、植木 理子
体調不良の為、鮫島 彩は不参加となったが、追加招集で田中美南が参加。
② SheBelievesカップ招集メンバー
今年2月27日~3月4日にアメリカで開催されたSheBelievesカップに召集されたメンバーは次の通り。
GK
山根恵里奈、池田 咲紀子(-)、山下 杏也加(-)
DF
鮫島 彩、有吉 佐織、熊谷紗希、三宅 史織(*)、清水 梨紗、大賀 理紗子、市瀬 菜々、南 萌華、宮川麻都
MF
阪口 夢穂(*)、宇津木 瑠美、中島 依美、松原 有沙、長谷川 唯、杉田 妃和、三浦 成美、坂口萌乃
FW
横山 久美、籾木 結花、池尻 茉由、小林 里歌子、遠藤 純
(-) 体調不良などで辞退、武仲麗依と齊藤彩佳を追加招集
(*) 出発前の国内合宿のみの帯同
トレーニングキャンプに招集されずにSheBelievesカップに招集されたメンバーはGKの山根とDFの宮川 2人。
③ ヨーロッパ遠征に加わる新たな選手は?
- 猶本光、菅澤 優衣香、岩渕真奈でしょう
- 猶本選手は、現在、SCフライブルクでほぼレギュラーとして試合に出場している。ドイツ選手を知っている点がプラス
- 菅澤選手は、途中出場の多い切り札的な存在。アジア大会決勝ゴールを決めたようにチームが逆境の中でも得点が期待できる。SheBelievesカップのイングランド戦後半のような押せ押せの展開なのに無得点に終わったが、そうした状況でも体を活かしたプレーが期待できる
- 岩渕選手はトレーニングキャンプにもSheBelievesカップにも召集されていない。理由が分からないがこれまでの実績からヨーロッパ遠征に加えたい
- なお、三宅 史織と阪口 夢穂のコンディション良好という条件付き予想
従って、4月のヨーロッパ遠征に招集される23名のメンバーは次の通り。ケガなどがなければこれがFIFA女子ワールドカップ2019フランス大会に召集されるメンバーとなる。
なでしこジャパン2019:ヨーロッパ遠征メンバー予想
GK
山根恵理奈、山下杏也加、池田咲紀子
DF
鮫島 彩、有吉 佐織、熊谷紗希、三宅 史織、清水 梨紗、市瀬 菜々、南 萌華、宮川麻都
MF
阪口 夢穂、宇津木 瑠美、中島 依美、猶本光、長谷川 唯、杉田 妃和、三浦 成美、坂口萌乃
FW
横山 久美、籾木 結花、岩淵真奈、菅澤優衣香
選手データ(所属、国際Aマッチ、得点など)
☆2011年W杯優勝経験選手
★2015年W杯準優勝経験選手
簡易得点率:1点取るのに要する試合数(試合数÷得点)
代表試合数:出場試合数(ベンチ入りだけではカウントされない)
正規得点率:ゴール数÷出場期間(分)x 90分
GK
山根恵理奈★
- スペイン レアル・ベティス
- 187cm / 79kg
- 28歳
- 代表試合: 9試合
山下杏也加
- 日テレ・ベレーザ
- 170㎝ / 64kg
- 23歳
- 代表試合: 22試合
池田咲紀子
- 浦和レッズ・レディース
- 168cm / 60kg
- 26歳
- 代表試合: 14試合
DF
熊谷紗希☆★
- フランス オリンピック・リヨン(ヨーロッパ最強)
- なでしこキャプテン
- 173cm / 63kg
- 28歳
- 代表試合: 47試合
- リヨンではMF
鮫島 彩☆★
- INAC神戸レオネッサ
- 163cm / 53kg
- 31歳
- 代表試合: 54試合
- 3得点
- MFもOK
有吉佐織★
- 日テレ・ベレーザ
- 159cm / 51kg
- 31歳
- 代表試合: 28試合
- 1得点
- MFもOK
三宅 史織
- INAC神戸レオネッサ
- 165cm / 52kg
- 23歳
- 代表試合: 15試合
市瀬菜奈
- ベガルタ仙台レディース
- 160cm / 57kg
- 22歳
- 代表試合: 15試合
宮川麻都
- 日テレ・ベレーザ
- 160cm / 50kg
- 21歳
- 代表試合: 2試合
清水梨紗
- 日テレ・ベレーザ
- 160cm / 47kg
- 22歳
- 代表試合: 20試合
南 萌華
- 浦和レッズ・レディース
- 171cm / 62kg
- 20歳
- 代表試合: 2試合
- U-20日本代表キャプテン
MF
中島依美
- INAC神戸レオネッサ
- 158cm / 48kg
- 28歳
- 代表試合: 43試合
- 10得点
- 簡易得点率: 4.3試合
長谷川 唯
- 日テレ・ベレーザ
- 157cm / 48kg
- 22歳
- 代表試合: 32試合
- 5得点
- 得点率: 6.4試合
三浦成美
- 日テレ・ベレーザ
- 156cm / 48kg
- 21歳
- 代表試合: 5試合
- 0得点
坂口萌乃
- アルビレックス新潟レディース
- 157cm / 50kg
- 26歳
- 代表試合: 11試合
- 1得点
- 簡易得点率: 11.0試合
宇津木瑠美☆★
- アメリカ シアトル・レイン
- 168cm / 59kg
- 30歳
- 代表試合: 45試合
- 2得点
- 簡易得点率: 22.5試合
坂口夢穂☆★
- 日テレ・ベレーザ
- 165cm / 56kg
- 31歳
- 代表試合: 52試合
- 5得点
- 簡易得点率: 10.4試合
猶本光
- ドイツ FCフライブルグ
- 158cm / 53kg
- 25歳
- 代表試合: 13試合
- 0得点
杉田妃和
- INAC神戸レオネッサ
- 161cm / 53kg
- 22歳
- 代表試合: 4試合
- 0得点
FW
横山久美
- 長野パルセイロ・レディース
- 155cm / 52kg
- 25歳
- 代表試合: 30試合
- 13得点
- 簡易得点率: 2.3試合
- 正規得点率: 0.81(1試合当たりの得点)
- 1得点に要する出場時間:90÷0.81=111分
籾木結花
- 日テレ・ベレーザ
- 153cm / 49kg
- 22歳
- 代表試合: 24試合
- 8得点
- 簡易得点率: 3.0試合
- 正規得点率: 0.72
岩渕真奈☆★
- INAC神戸レオネッサ
- 156cm / 52kg
- 25歳
- 代表試合: 39試合
- 14得点
- 簡易得点率: 2.8試合
- 正規得点率: 0.58
菅澤優衣香★
- 浦和レッズ・レディース
- 168cm / 65kg
- 28歳
- 代表試合: 32試合
- 8得点
- 簡易得点率: 4.0試合
- 正規得点率: 0.45
なでしこジャパンチーム(23名)予想プロフィール
- W杯・五輪 経験者:8名
- 平均年齢:25.2歳
- 22歳以下:8名
- 30歳以上:4名
2019年2月~3月 強豪国代表チームプロフィール
全て直近のランキング最上位国との試合でのスタメンー対象
経験者:ワールドカップ・五輪に出場経験のある選手(経験値の高い選手)
W杯・五輪 経験者
代表チーム | W杯・五輪 経験者 | 経験値% |
日本 | 4 | 36 |
アメリカ | 6 | 55 |
カナダ | 11 | 100 |
ドイツ | 5 | 45 |
フランス | 7 | 64 |
イングランド | 7 | 64 |
オーストラリア | 8 | 73 |
ブラジル | 9 | 82 |
スウェーデン | 10 | 91 |
オランダ | 8 | 73 |
平均 | 7.5 | 68 |
平均年齢・22歳以下・30歳以上の選手数
代表チーム | 平均年齢 | 22歳以下 | 30歳以上 |
日本 | 25.5 | 4 | 2 |
アメリカ | 26.4 | 2 | 3 |
カナダ | 27.1 | 1 | 5 |
ドイツ | 25.5 | 1 | 0 |
フランス | 26.5 | 2 | 3 |
イングランド | 27 | 1 | 2 |
オーストラリア | 27.1 | 1 | 3 |
ブラジル | 29 | 1 | 5 |
スウェーデン | 28.4 | 0 | 4 |
オランダ | 26 | 2 | 1 |
平均 | 26.8 | 1.4 | 2.8 |
強豪国スタメン総評
日本
- 世代交代中
- 国際大会やW杯などの経験者が極端に少ない
- 平均年齢25.5で強豪国では最も低い
- 先発メンバーは流動的
- 昨年11月のノルウェー戦比:スタメン5名変更
アメリカ
- 若手とベテランのバランスが取れている
- 平均年齢・経験値は昨年度より下がった
- メンバーはかなり固定している
- 昨年11月のカナダ戦比:スタメン3名変更
カナダ
- W杯や五輪などの国際大会経験者が極めて多い
- 30歳以上のベテランが多い
- 昨年度より平均年齢がぐっと上がった
- 最年少は20歳だが、中堅選手が比較的少ない
- メンバーは固定している
- 昨年11月のUSA戦比:スタメン変更1名
ドイツ
- 世代交代ほぼ終了
- 国際大会やW杯などの経験者が少ない
- 30歳以上のスタメンがいない
- 平均年齢も日本と同じく低い
- メンバーはやや流動的
- 昨年11月のスペイン戦比:スタメン変更5名
フランス
- 世代交代完了
- 若手とベテランのバランスが取れている
- メンバーはかなり固定されている
- 今年1月のUSA戦比:スタメン変更2名
イングランド
- 25歳~27歳の選手が多い
- 平均年齢27と記したが、34歳のGKを除けば26.3歳
- 昨年11月スェーデン戦で0-2の敗戦でスタメンを大幅変更
- その結果?2019SheBelievesカップで優勝
- 昨年11月スウェーデン戦比:スタメン変更7名
オーストラリア
- 参考にしたデータが韓国戦
- 4月の米国戦データで更新予定
- 30歳以上が3名いる。一方、最年少は18歳
- 昨年11月チリ戦比:スタメン変更4名
ブラジル
- 世代交代が進んでいない
- W杯・五輪経験者が多い
- 30歳以上が多い。最年長は41歳。
- 昨年10月イングランド戦比:スタメン変更4名
スウェーデン
- 世代交代があまり進んでいない
- W杯・五輪経験者が多い
- 若手が少ない
- メンバーはかなり固定されている
- 昨年11月イングランド戦比:スタメン変更3名
オランダ
- 世代交代はかなり前に終了している
- 中堅でもW杯・五輪経験者が多い
- ユーロ選手権を制した後伸び悩んでいる
- 2017年8月のヨーロッパ選手権決勝戦比:スタメン変更4名
- 昨年11月スイス戦比:スタメン変更3名
まとめ
FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会なでしこジャパンメンバーを予想したが、
- 第1版のような期待値を込めた予想ではなく、
- これまでの招集データを基にした予想
フランス戦、ドイツ戦の招集メンバーを基に5月初旬最終予想予定。
また、強豪国の代表メンバーのプロファイルをスタメンを基に考察。
- W杯・五輪経験者数
- 平均年齢
- 先発メンバーの変化
その結果、
- 経験値の高い国はカナダ、スウェーデン、ブラジル
- 一方、経験値の低い国は日本とドイツ
- 平均年齢が高いのはブラジルとスウェーデン。世代交代が進んでいない裏返しとも言える
- 平均年齢が低い国が日本とドイツ。世代交代進行中と言える
- ワールドカップスタメンをほぼ固定してこの時期の国際大会に望んでいるのがカナダやフランス
- USA、スウェーデン、オランダはスタメンはほぼ決まっているが相手チームに応じて変更
- オーストラリアとブラジルはややスタメンを模索している状況
- 日本とドイツはスタメンを模索中
- イギリスは昨年11月の敗戦で思い切ってスタメン変更。それが功を奏してかSheBelievesカップで優勝
ということで強豪国のFIFA女子ワールドカップ2019フランス大会に向けてのチーム作りの進捗状況にかなり差がでている。
こうした差がW杯本番でどのような結果をもたらすか、そういう視点でW杯を見るのも興味深い。
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