FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会まで残り2カ月ちょっと。私たち女子サッカーファンに気になる点は
- 強豪国の最新動向やW杯前試合結果
- なでしこのグループステージ(GS)対戦相手チームの最新情報
- なでしこジャパンの召集メンバー・W杯前試合結果
そこで強豪国やGSでの対戦国の2019年度の試合結果をトラッキングしてみた。最新の情報を入手次第、この記事の内容を更新していきますのでよろしく!
強豪国最新情報のベースとなった国際大会・強化試合
2月末から3月上旬にかけて世界各地で開催された大会は下記の通り
- SheBelieves カップ USA主催
- FFA Cup of Nations オーストラリア主催
- アルガルベカップ ポルトガル主催
- Cyprus Women's カップ キプロス?
FIFA女子ワールドカップフランス大会に出場するチームのほとんどは下記のいずれかの大会参加しました。しかし、ドイツとフランスは例年参加しているSheBelievesカップ参加を断り、両国でフレンドリーマッチを組んだだけ。
4月の上旬には各強豪国ともワールドカップ前最後の強化試合を行った。なでしこジャパンは欧州遠征でフランス・ドイツとの試合に臨んだ。
この記事はこれらの試合結果をベースに情報提供します。
FIFA女子ワールドカップ2019に関する予想
決勝トーナメント進出国予想
FIFA女子ワールドランキングTop20以内の出場国はニュージーランドを除いて全て決勝Tへ進出
- アメリカ
- ドイツ
- フランス
- イギリス
- カナダ
- オーストラリア
- オランダ
- 日本
- スウェーデン
- ブラジル
- スペイン
- ノルウェー
- 韓国
- 中国
- イタリア
- スコットランド
ベスト8進出国予想
残念だがなでしこジャパンのベスト8進出には相当の運が必要
- ブラジル
- イギリス
- フランス
- アメリカ
- オーストラリア
- オランダ 最近調子を落としているので疑問符付
- ドイツ
- スウェーデン
優勝国予想
- アメリカとフランスで決勝戦
- アメリカが 6-4 で有利
気になる点
現時点で予想には大きな修正はないが気になる点が・・・
今日現在ではそれらの記事に関する大きな修正はないと感じているが、気になる点が3つある。
- 優勝国予想 フランス有利?
- アメリカの思惑
- なでしこジャパンのW杯目標
2月時点で気になる点① 優勝国予想
別記事でアメリカとフランスが決勝戦を戦うと予想。そして「6-4でアメリカが有利」と書いた。しかし、アメリカ代表チームは2019年1月19日のフランスとのフレンドリーマッチで28試合ぶりに負けてしまった。
内容的にもアメリカが押されている試合であった。現時点では、逆に、「6-4でフランスが有利」と変更せざるを得ない。フランスは地元の利を活かして予想以上の力を発揮するのは間違いない。
2019年1月19日のフレンドリーマッチはフランスのルアーブル(Le Havre)というノルマンディーの港町で行われたが、なんと 22,780人ものファンがStade Oceaneで観戦した。女子の親善試合では異常なほどの観客数である。本戦ではさらに多くのファンが観戦するだろう。
アメリカはこの会場で6月20日にスウェーデンと対戦するので会場の下見も兼ねていたとは言え、3点も取られて負けるとは信じがたい。一方、フランスは昨年3月にアメリカと引き分けて以来、連戦連勝の9連勝。
2月時点で気になる点② アメリカ代表の思惑
ベスト8に進む代表チームに関する予想記事の中で、「アメリカ代表チームの思惑としてGSは2位通過を考えているのではないか」と書いた。つまり、GS 1位をスウェーデンに譲り2位で決勝トーナメントへ進む。
その理由は、ベスト8でフランスと対戦することを避けるためである。ここで両チームが対戦したら私が予想しているフランスとアメリカの決勝戦もなくなってしまう。
アメリカ代表チームの監督、Jill Ellisはインタビューで語っていた、「GSは良いグループに入ったが、決勝Tが悩ましい」。
フランスとの親善試合でアメリカは負けた結果、アメリカのGS2位狙いが現実味を帯びた。FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会での大きな注目点になるだろう。
2月時点で気になる点③ なでしこジャパン
SheBelievesカップに誰を招集するかで高倉監督の意図が分かる。
この時期でのなでしこファンにとって最大の注目点は「SheBelievesカップ大会に誰が招集されるか」という点であろう。ここで召集されるメンバー=ほぼFIFA女子ワールドカップ2019メンバーとなる。
これまで高倉監督は若手を積極的に試してきた。その意図が分かる時がきた。SheBelievesカップに誰を招集するかで高倉監督のW杯目標が明らかになる。つまり、
- FIFA女子ワールドカップを目標にしてきたのか、それとも
- あくまで若手に経験値を積ませて東京オリンピック2020でメダル獲得を目標としているのか
目標は東京オリンピック2020
選出メンバーにこれまで全く国際試合出場経験のない初召集の選手が確か6人も含まれているのには驚いた。また、彼女らの殆どはなでしこリーグでもそれほど実績があるわけではない。
記者の質問に対する高倉監督の答えを聞いても相変わらず「もっとメンバーを試したい」との発言であった。新メンバーを試しているようでは「W杯に向けての準備が遅いんじゃない?」と私なら質問するが、そんな記者は皆無。
ということで、私の目には「W杯は2020 東京五輪でメダルを取る為、大舞台での経験を積ませることが目標」と映った。
強豪国の最新試合結果
アメリカ
フランスに負けたとは言え、早くからワールドカップに向け周到な準備をしている。さすがFIFA女子ランキング#1。 SheBelievesカップではイングランドと日本に内容的には圧倒しながらも勝利できず。
しかし、国内リーグ戦が始まれば、コンディッションが上がり本来の力を発揮するだろう。そうなれば失点を少なくできる。優勝候補に変わりはない。
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
フランス | 1.19 | 1-3 | ● | 8(14) | 4(9) |
スペイン | 1.23 | 1-0 | 〇 | 9(4) | 3(2) |
日本 | 2.27 | 2-2 | △ | 13(5) | 6(2) |
イングランド | 3.2 | 2-2 | △ | 20(6) | 5(3) |
ブラジル | 3.5 | 1-0 | 〇 | 18(11) | 6(3) |
オーストラリア | 4.4 | 5-3 | 〇 | 17(10) | 11(3) |
ベルギー | 4.7 | 6-0 | 〇 | 17(8) | 4(0) |
南アフリカ | 5.12 | 3-0 | 〇 | 20(5) | 7(2) |
ニュージーランド | 5.16 | 5-0 | 〇 | 25(1) | 9(0) |
メキシコ | 5.26 | 3-0 | 〇 | 25(3) | 11(0) |
フランス
例年SheBelievesカップに参加していたが今回は見送った。理由は定かでない。 この一年無敗だったが、ドイツに敗れてFIFAランク4位に後退したが優勝候補に変わりはない。
強豪国との全ての対戦おいてシュート数では圧倒している。スピードだけでなくビルドアップしてチャンスを作る戦術が光る。
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
アメリカ | 1.19 | 3-1 | 〇 | 14(8) | 9(4) |
ドイツ | 2.28 | 0-1 | ● | 14(2) | 4(2) |
ウルグアイ | 3.4 | 6-0 | 〇 | 22(11) | 0(0) |
日本 | 4.4 | 3-1 | 〇 | 24(7) | 6(4) |
デンマーク | 4.8 | 4-0 | 〇 | 23(9) | 5(2) |
タイランド | 5.25 | 3-0 | 〇 | 34(1) | 15(0) |
中国 | 6.1 | 2-1 | 〇 | 14(3) | 6(1) |
ドイツ
例年SheBelievesカップに参加していたが今回は見送った。理由はアメリカへの移動を避けたいということらしい。フランスに勝利したが内容では相手のミスに助けられての勝利。
2018年はチームの若返りで不安定だったチーム力は徐々にアップするだろう。若いチームだけに日本戦のように突進するだけではベスト4はどうかな?フランスのように組み立てて相手を崩す戦術が必要。
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
フランス | 2.28 | 1-0 | 〇 | 4(14) | 2(2) |
スウェーデン | 4.6 | 2-1 | 〇 | 16(5) | 5(3) |
日本 | 4.9 | 2-2 | △ | 22(7) | 9(4) |
チリ | 6.1 | 2-0 | 〇 | 32(1) | 12(0) |
イングランド
例年通り、SheBelievesカップに参戦。日本との前哨戦は 3-0 で勝利。
SheBelievesカップで初優勝したことでFIFAランク3位(+1)に浮上。
ただ、パーフォーマンスの不安定さが気になる。案の定、ニュージーランド(ランク19位)に負けた。日本チャンス!!!
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
ブラジル | 2.27 | 2-1 | 〇 | 16(10) | 7(1) |
アメリカ | 3.2 | 2-2 | △ | 6(20) | 3(5) |
日本 | 3.5 | 3-0 | 〇 | 10(12) | 4(4) |
カナダ | 4.5 | 0-1 | ● | 8(13) | 2(5) |
スペイン | 4.9 | 2-1 | 〇 | 6(16) | 5(5) |
デンマーク | 5.25 | 2-0 | 〇 | 10(12) | 2(4) |
ニュージーランド | 6.1 | 0-1 | ● | 15(9) | 4(4) |
カナダ
W杯直前の最終試合、スペインと0-0の引き分け。得点力はそれ程ないが一定の結果を残している。
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
スイス | 1.17 | 0-0 | △ | ||
ノルウェー | 1.21 | 1-0 | 〇 | ||
アイスランド | 2.27 | 0-0 | △ | ||
スコットランド | 3.1 | 1-0 | 〇 | ||
スウェーデン | 3.6 | 0-0 | PK勝 | 9(6) | 3(1) |
イングランド | 4.5 | 1-0 | 〇 | 13(8) | 5(2) |
ナイジェリア | 4.8 | 2-1 | 〇 | 11(5) | 5(2) |
メキシコ | 5.19 | 3-0 | 〇 | 20(2) | 6(1) |
スペイン | 5.25 | 0-0 | △ | 5(3) | 2(0) |
オーストラリア
アメリカに負けはしたものの世界一のストライカー、サマンサ・カーを筆頭に攻撃力は確か 。カーは今シーズンも好調。NWSL6試合6ゴール1アシスト。同僚の永里優季も好調で6試合3ゴール3アシスト。
オランダに完敗、どうした、オストラリア?? ベスト4は取消だ!?
決勝トーナメントの組み合わせ次第だが、ベスト4の可能性あり。
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
ニュージーランド | 2.28 | 2-0 | 〇 | ||
韓国 | 3.2 | 4-1 | 〇 | ||
アルゼンチン | 3.6 | 3-0 | 〇 | ||
アメリカ | 4.4 | 3-5 | ● | 10(17) | 3(11) |
オランダ | 6.2 | 0-3 | ● | 15(10) | 5(5) |
オランダ
2017年のヨーロッパチャンピオンがFIFAランキング下位チームに苦しんでいる。FIFA女子W杯フランス大会でのベスト8は無理かも?
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート数 (相手) | 枠内 シュート |
南アフリカ | 1.19 | 2-1 | 〇 | ||
スペイン | 2.27 | 0-2 | ● | ||
ポーランド | 3.5 | 0-1 | ● | ||
中国 | 3.7 | 1-1 | PK勝 | ||
メキシコ | 4.6 | 2-0 | 〇 | 21(1) | 10(1) |
チリ | 4.10 | 7-0 | 〇 | 24(4) | 14(1) |
オーストラリア | 6.2 | 3-0 | 〇 | 10(15) | 5(5) |
日本(なでしこジャパン)
SheBelievesカップでは優勝の期待がかかったが、イングランドとのW杯前哨戦で 3-0 で負けた。1勝1分1敗であったが内容的には3戦全敗。若いチームで臨んだが強豪国に対しては通用しないことが判明。
欧州遠征でも1分1敗で強化試合終了。ベスト8は無理かも?
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
アメリカ | 2.27 | 2-2 | △ | 5(13) | 2(6) |
ブラジル | 3.2 | 3-1 | 〇 | 11(22) | 6(6) |
イングランド | 3.5 | 0-3 | ● | 12(10) | 4(4) |
フランス | 4.4 | 1-3 | ● | 6(24) | 4(7) |
ドイツ | 4.9 | 2-2 | △ | 7(22) | 4(9) |
スペイン | 6.2 | 1-1 | △ | 3(4) | 1(2) |
スウェーデン
FIFAランキング30位のポルトガルに負けるとは信じられない。平均年齢が高すぎるのかな?と思っていた。ところが発表された代表メンバーの平均年齢は大幅に下がって26.6歳。
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
南アフリカ | 1.22 | 0-0 | △ | 7(6) | 3(1) |
スイス | 2.27 | 4-1 | 〇 | ||
ポルトガル | 3.1 | 1-2 | ● | ||
カナダ | 3.6 | 0-0 | PK負け | 6(9) | 1(3) |
ドイツ | 4.6 | 1-2 | ● | 5(16) | 3(5) |
オーストリア | 4.9 | 2-0 | 〇 | ||
韓国 | 6.1 | 1-0 | 〇 | 15(5) | 5(0) |
ブラジル
決定力不足が続いている。ただ、チーム力は世代交代がうまくいかず、下降気味だが決して侮れない。
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
イングランド | 2.27 | 1-2 | ● | 10(16) | 1(7) |
日本 | 3.2 | 1-3 | ● | 22(11) | 6(6) |
アメリカ | 3.5 | 0-1 | ● | 11(18) | 3(6) |
スペイン | 4.5 | 1-2 | ● | 10(17) | 3(6) |
スコットランド | 4.8 | 0-1 | ● | 16(7) | 6(3) |
まとめ
FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会が始まるまでに残すところ2カ月+となった。
- 若手を試す
- 戦術を試す
などの試行錯誤の時期は終わっている。
この時期はこれまでやってきたことをベースにチームの完成度をさらにアップさせる時期である。この先W杯までの親善試合から目が離せない。特に、4月初旬の欧州遠征でのフランス戦・ドイツ戦でなでしこの実力が見えてくる。
強豪国の中で大舞台での経験値が最も低いなでしこジャパンと2番目に低いドイツが本大会でどの程度活躍するかかは大きな見どころである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます