第1版は7カ月前に掲載したが、各強豪国の強化試合も全て終了し優勝国予想に必要なデータはほぼ揃った。FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会開催まで2カ月を切ったので改めて優勝国の予想をしたい。
FIFA女子W杯優勝予想:強豪国の強化試合結果など
シュート欄のカッコ内の数字は対戦チームのシュート本数
字数制限により強豪国(Top10+スペイン)との対戦に限定
アメリカ
- 早くからワールドカップに向け周到な準備を重ねている
- SheBelievesカップではイングランドと日本に内容的には圧倒しながらも勝利できず
- ただ、国内リーグ戦が始まればコンディッションが上がり本来の力を発揮するだろう
- そうなれば失点が少なくなる
対戦国 | 月日 | スコア | 勝 敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
フランス | 1.19 | 1-3 | ● | 8(14) | 4(9) |
スペイン | 1.23 | 1-0 | 〇 | 9(4) | 3(2) |
日本 | 2.27 | 2-2 | △ | 13(5) | 6(2) |
イングランド | 3.2 | 2-2 | △ | 20(6) | 5(3) |
ブラジル | 3.5 | 1-0 | 〇 | 18(11) | 6(3) |
オーストラリア | 4.4 | 5-3 | 〇 | 17(10) | 11(3) |
フランス
- 2018年度の3月から無敗だったが今年3月にドイツに敗れた
- しかし、その試合内容はかなり優勢だった
- 強豪国との対戦においてはいずれもシュート数では圧倒している
- スピード+ビルドアップからチャンスを作る戦術を備えてい る
対戦国 | 月日 | スコア | 勝 敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
アメリカ | 1.19 | 3-1 | 〇 | 14(8) | 9(4) |
ドイツ | 2.28 | 0-1 | ● | 14(2) | 4(2) |
日本 | 4.4 | 3-1 | 〇 | 24(7) | 6(4) |
ドイツ
- 2018年はチームの若返りで不安定だったが徐々によくなっている
- 今年3月にフランスに勝利したが相手のミスに助けられての勝利
- 若いチームだけに日本戦のように突進するだけではベスト4には届かないだろう
- いまだメンバーが固定されてない
- 気になるのが強化試合の少なさ
対戦国 | 月日 | スコア | 勝 敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
フランス | 2.28 | 1-0 | 〇 | 4(14) | 2(2) |
スウェーデン | 4.6 | 2-1 | 〇 | 16(5) | 5(3) |
日本 | 4.9 | 2-2 | △ | 22(7) | 9(4) |
イングランド
- 例年通りSheBelievesカップに参戦し日本との前哨戦に 3-0 で勝利
- SheBelievesカップで初優勝したことでFIFAランク3位(+1)
- しかし、4月の強化試合でカナダに敗れ、スペインに苦戦
- さらに、W杯直前のWarn-upマッチとは言えニュージーランドにまさかの0-1の負け
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
ブラジル | 2.27 | 2-1 | 〇 | 16(10) | 7(1) |
アメリカ | 3.2 | 2-2 | △ | 6(20) | 3(5) |
日本 | 3.5 | 3-0 | 〇 | 10(12) | 4(4) |
カナダ | 4.5 | 0-1 | ● | 8(13) | 2(5) |
スペイン | 4.9 | 2-1 | 〇 | 6(16) | 5(5) |
カナダ
- 35歳シンクレアの決勝ゴールでイングラン戦勝利!
- 得点力はそれ程ないが安定して結果を残している
対戦国 | 月日 | スコア | 勝 敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
スウェーデン | 3.6 | 0-0 | PK勝 | 9(6) | 3(1) |
イングランド | 4.5 | 1-0 | 〇 | 13(8) | 5(2) |
スペイン | 5.25 | 0-0 | △ | 5(3) | 2(0) |
オーストラリア
- アメリカに負けはしたものの世界一のストライカー、サマンサ・カー(永里優季と2トップ組むことが多い)を筆頭に攻撃力は超一級品
- 2019年度になって下位チームに不覚を取るようなことはなくなった
- ただ、W杯直前のWarm-upマッチでオランダに0-3で負け
対戦国 | 月日 | スコア | 勝 敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
アメリカ | 4.4 | 3-5 | ● | 10(17) | 3(11) |
オランダ | 6.2 | 0-3 | ● | 15(10) | 5(5) |
オランダ
- 2017年のヨーロッパチャンピオンだが下位チームに苦しんでいる
- 2018年度以降はランク28位のポーランドに負けるなど下位チームに4敗、2分け
- 26歳前後の比較的若い同世代の選手編成なのでキッカケさえ掴めば強さを取り戻しベスト8が見えてくるだろう
- 強豪国との対戦がなかったが、W杯直前のWarm-upマッチでオーストラリアに3-0の勝利。これがキッカケとなるか?
対戦国 | 月日 | スコア | 勝 敗 | シュート数 (相手) | 枠内 シュート |
スペイン | 2.27 | 0-2 | ● | ||
オーストラリア | 6.2 | 3-0 | 〇 | 10(15) | 5(5) |
日本(なでしこジャパン)
- SheBelievesカップでは優勝の可能性もあった
- しかし最終戦のイングランドとのW杯前哨戦で 3-0 の負け
- 1勝1分1敗だったが、内容的には3戦全敗
- 欧州遠征でも1分1敗となり全ての強化試合終了
- いずれも若い選手主体で臨んだが強豪国に対して引き分けるのが精一杯
- 決勝Tではカナダと対戦すると予想
- カナダは決して攻撃力の高いチームではない
- 日本が粘り強く守れれば勝利が見えてくる
- カナダも日本もW杯直前のWarm-upマッチでスペインと引き分け
- カナダに勝利する確率は40%だが、若さをプラスに転じられればベスト8へ進めるだろう
- そのためにはピッチ内での強いリーダーが必要だろう
対戦国 | 月日 | スコア | 勝 敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
アメリカ | 2.27 | 2-2 | △ | 5(13) | 2(6) |
ブラジル | 3.2 | 3-1 | 〇 | 11(22) | 6(6) |
イングランド | 3.5 | 0-3 | ● | 12(10) | 4(4) |
フランス | 4.4 | 1-3 | ● | 6(24) | 4(7) |
ドイツ | 4.9 | 2-2 | △ | 7(22) | 4(9) |
スペイン | 6.2 | 1-1 | △ | 3(4) | 1(2) |
スウェーデン
- FIFAランキング30位のポルトガルに負けるとは信じられない
- 平均年齢が高すぎるのかな?登録メンバーを見るとかなり下げた
- ベスト8を掛けた試合ではスペインと対戦すると予想
- 平均年齢26歳+の伸び盛りのスペインに分がある
- しかし、高い経験値を活かせれば勝機は十分にある
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート 数(相手) | 枠内 シュート |
カナダ | 3.6 | 0-0 | PK負 | 6(9) | 1(3) |
ドイツ | 4.6 | 1-2 | ● | 5(16) | 3(5) |
ブラジル
- チーム力は世代交代がうまく進んでいない
- 下降気味だが攻撃力は確かなので決して侮れない
- 決定力がアップすればかなり手ごわい存在
対戦国 | 月日 | スコア | 勝敗 | シュート (相手) | 枠内 シュート |
イングランド | 2.27 | 1-2 | ● | 10(16) | 1(7) |
日本 | 3.2 | 1-3 | ● | 22(11) | 6(6) |
アメリカ | 3.5 | 0-1 | ● | 11(18) | 3(6) |
スペイン | 4.5 | 1-2 | ● | 10(17) | 3(6) |
2019年度の強豪国試合結果分析
2019年5月に行われたW杯直前のWarm-upマッチは対象外
分析1:Top10国との試合における攻撃力
試合数は少ないが攻撃力を考察する上である程度参考になるだろう。
攻撃は最大の武器。
SH:シュート本数、OT:枠内シュート本数
対戦国 | 試合 | 得点 | 平均 | SH | OT |
アメリカ | 5 | 11 | 2.2 | 76 | 32 |
フランス | 3 | 6 | 2.0 | 52 | 19 |
ドイツ | 3 | 5 | 1.7 | 42 | 16 |
イングランド | 4 | 9 | 2.3 | 40 | 16 |
カナダ | 2 | 1 | 0.5 | 22 | 8 |
オーストラリア | 1 | 3 | 3.0 | 10 | 3 |
オランダ | 0 | ||||
日本 | 5 | 8 | 1.6 | 41 | 20 |
スウェーデン | 2 | 1 | 0.5 | 11 | 4 |
ブラジル | 3 | 2 | 0.7 | 43 | 10 |
スペイン | 4 | 5 | 1.3 | 46 | 17 |
分析2:Top10国との試合における守備力
試合数は少ないが守備力を考察する上である程度参考になるだろう
SH:被シュート本数、OT:被枠内シュート本数
決勝トーナメント1回戦以降の試合では安易な失点は許されない。守備力が問われる。
オーストラリアはアメリカとの1試合のみなのであまり参考にならない
対戦国 | 試合 | 失点 | 平均 | SH | OT |
アメリカ | 5 | 10 | 2.0 | 46 | 20 |
フランス | 3 | 3 | 1.0 | 17 | 10 |
ドイツ | 3 | 3 | 1.0 | 26 | 9 |
イングランド | 4 | 4 | 1.0 | 55 | 15 |
カナダ | 2 | 0 | 0.0 | 14 | 3 |
オーストラリア | 1 | 5 | 5.0 | 17 | 11 |
オランダ | 0 | ||||
日本 | 5 | 11 | 2.2 | 91 | 32 |
スウェーデン | 2 | 2 | 1.0 | 25 | 8 |
ブラジル | 3 | 6 | 2.0 | 45 | 19 |
スペイン | 4 | 4 | 1.0 | 42 | 15 |
分析3:2018年度取りこぼした試合数
いわゆるTop10より下位のチームに負けた試合数(2018年~2019年現在)
グループステージ突破には下位チームに負けたら致命傷になりかねない。
代表国名 | 負け | 分け |
アメリカ | 0 | 0 |
ドイツ | 0 | 1 |
イギリス | 0 | 1 |
フランス | 0 | 1 |
カナダ | 0 | 1 |
オーストラリア | 4 | 2 |
日本 | 0 | 1 |
ブラジル | 2 | |
スウェーデン | 4 | 2 |
オランダ | 4 | 2 |
スペイン | 1 | 1 |
2019FIFA女子W杯:ベスト8の組み合わせと勝敗予想
ブラジル 対 イングランド
- ブラジルは2018年夏のTournament of Nationsから9連敗
- SheBelieves カップでイングランドに1-2で敗れている
- ただ、イングランドの懸念材料は不安定なパーフォーマンス
- イングランド勝利の確率 70%
フランス 対 スペイン
- スペインはチャレンジャーとして相当奮闘するだろう
- しかし、フランスの固い守りを破ることは難しい
- フランス勝利の確率 80%
オーストラリア 対 カナダ
- この試合はかなり拮抗した展開になる
- カナダは攻撃力に不安がある
- 攻撃力で勝るオーストラリアに分がある
- オーストラリア勝利の確率 60%
ドイツ 対 アメリカ
- これも激しい戦いが予想される
- ベテラン勢力対若手勢力という構図
- 経験値の高いアメリカの勝利は固い
- アメリカの守備力がアップすれば確率は80%と予想
- アメリカ勝利の確率 70%
2019FIFA女子W杯:準決勝予想
アメリカ 対 オーストラリア
- 2018年度以降アメリカはオーストラリアに負けていない
- 2019年4月の対戦でも壮絶な打ち合いの結果アメリカが5-3で逆転勝利
- アメリカ勝利の確率 70%
フランス 対 イングランド
- 4月に入って不安定なイングランド
- 攻守のバランスの取れたフランス
- 2018年度のSheBelievesカップでイングランドが勝利しているがフランスに分ありと見る
- フランス勝利の確率 70%
2019FIFA女子W杯:決勝予想
アメリカ 対 フランス
- 実力では拮抗している
- 男子代表チームに続けということで
- 観衆の声援を力に変えて戦うだろう
- 決勝トーナメント戦の間隔が中4日のフランス
- 準々決勝から中3日のアメリカ
- ドイツと死闘の後の決勝戦、平均年齢の高いアメリカには相当不利
- フランスが60%の確率で優勝 - おめでとう!
まとめ
第2版としてワールドカップサッカー女子2019の優勝国を予想
予想する上での根拠となるデータは
主に2019年度における強化試合の結果など、特に、
- Top10国との試合結果
- Top10国との試合での攻撃力と守備力
- Top10より下位のチームとの試合の取りこぼし
ただ、この予想はアメリカがグループステージで2位通過するという前提。それはフランス対アメリカの決勝戦が可能となる唯一のオプションだから。
フランス代表チームの優勝の可能性のほうが高いと予想(第1版ではアメリカ優勝)
フランスとアメリカの実力は拮抗しているが、
- 天の時(日程)
- 地の利(地元)
- 人の和(応援)
が大きく味方するとみた。
いかがでしたか? 皆さんの予想と同じだったでしょうか?
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