笑うしかない友
~お日様は笑っている~
お魚くわえたサザエさん。
私、サザエでございまあせん。
私の名前は仮免です。勿論、あだ名に決まってます。指をくわえておどおどするのが似ているというのです。仮免、仮免。きっときっと事故に遭います。それで終わりです。笑うしかないのです。
裏の畑でボッチが泣く。正直爺さん、意地悪爺さん、自我爺さん、世界に一つだけの花咲かん爺さん。一所懸命に咲いた花なら、散るのは落伍。チャンスはピンチ。
私の兄は、志村けんでありまあせん。
でも、そうです、私は変なおじさんです。
インチキおじさん、登場。
おじさんは、エジソンでありまあせん。
そんなの、常識。パッパパラリラ。
ジョーシキって何? 葬式じゃないよね。でも、字は一緒だよね。どっちも意識がない。
パッパパラリラ。
おなかが減ったよお。
あ、そう。私は減ってないよ。君は減ってんだね。朝ごはん、食べた? 食べた。お昼は? 食べた。夕ご飯? 食べてない。ははあ、だからか。違う? まだ三時。そうか、三時に夕ご飯は食べないっと。お勉強になりまあす。
おなかが減ったよお。
晩ご飯、食べた? いや、今日のじゃなくて、昨日の。食べた。何、食べた? 忘れた? 忘れたから、おなかが減ったような気がするんだぞ。錯覚だよ、それ。錯覚って知ってる? 三角じゃないよ。三角形は、てえへんかけるう……
……割る2?
てえへんだ、てえへんだ、閉店だ、倒産だ。父さん、母さん、降参だ。
割る2!
大変だあ。
ハミジ!
恥見だろう。
ハジメ!
泣くよ、鶯。
ホーホケキョ!
ご名答。
おなかが減ったよお。
だから、それ、聞いたって。私は減ってないって、言ったろ? 忘れた? 覚えてる。覚えてるのに、なぜ、同じこと、言わす。だから、叫ぶなって。うるさいなあ、もう。何か食べたいんだろう。わかってるよ。でもね、私は食べたくない。そりゃ、食えと言われたら食わなくもないが、だからって、何でも食べます、よく噛んでってわけじゃない。好き嫌いはある。でも、子どもは駄目だよ、好き嫌い。子どもに生まれたことを悔やむんだな。おじさんは生れたときからおじさんだよ。
うるさい! もう、いい。もういいもういいもういい。腕白質が足りないよ。何か食べたいんなら、食べたいって、最初から、そう言え。わかってたんだ、食べたがってるって。はあ、わかってたって知ってたか。こっちだって、知ってるって知ってたぞ。じゃ、これ、食え。お子様方のだ~い好きなピーマン。じゃ、これ。お子様方のだ~い好きな人参。ピーマンとかけて人参と解く。その心は、どっちもどっち。そこにあるって? そこって、どこ。どこ、どこ、どこから来るのか、黄金バット。ワハハハハハって知らないか。蝙蝠だけが知っている。ああ。寄るな、触るな、濃厚接触。これは違うんだよ。ちょっと事情が、恋をするのも家庭の事情、チャッチャ、チャウチャウは中国の食用犬。駄目。だあめえ。これはね、子どもの食べ物でありまあせん。大人が食べるものなのでえす。お口に、ぽい。むしゃむしゃむしゃ。もぐもぐもぐ。はあ、ごっくんこっと。ひええ、まずい。まずいなあ。こんなもん、子どもにはとても食べさせられまあせん。子どもが食べると、絶対、きっと、多分、もしかしたら、よくないことが起きまあす。本当は大人が食べてもよろしくないので有馬温泉。あれ、まあ、混線。晴れ間。雨間。雨、雨、晴れ、晴れ。
飴、飴、くれ、くれ。
成長は認めよう。では、また、来週!
おじさんは偉い人。そんなの、冗談。パッ――
時間を戻そう。
お魚くわえたサザエさん。今日もいい天気。昨日もいい天気。一昨日もいい天気。一昨昨日も――
時間を戻そう。
お魚くわえたドラ猫を追いかけて、裸で、いや、肌出して、いやん、歯出して、走り出して、は、尻出して、は、は、はあ、はあ、はああああああああああああ、小指が、小指がいうことをきかなあああああああ
もう、笑うしかなあああ
みんなも笑ってる?
(終)