『冬のソナタ』を読む
「道に迷う小鳥」(下p5~23)
2 「カン・ジュンサンという名前」
ユジンは、チュンサンとミニョンを別人として意識できるようになってきた。
サンヒョクは、二人を混同し始める。
*
「何が言いたいんですか?」
ミニョンが不快な表情で訊(たず)ねると、サンヒョクから突然カン・ジュンサンという名前が飛び出した。ジュンサンへの思いをミニョンに重ねているユジンの気持ちを、これ以上揺さぶるなと言い放った。サンヒョクはそれが言いたかったのだ。
ミニョンは不快な表情で苦笑いしながらサンヒョクを睨み付けた。ミニョンが何かを利用してまで人の気を引こうとするほど自信のない男ではないことを、サンヒョクは知っているはずだ。
ユジンは何があっても絶対に自分とは別れられない、見ていろ、という言葉を残したサンヒョクは事務所をあとにした。サンヒョクが消えたあとのドアを見つめるミニョンの顔には心配げな表情が浮かんだ。その自信に溢れる態度からして、ユジンが辛い試練を強いられそうな予感がしたからだ。
(下11~12)
*
ミニョンのせいで、ユジンとサンヒョクは混乱した。
ミニョンは、二人のせいで混乱し始めた。
彼は独りで散歩に出る。
(終)