ヒルネボウ

笑ってもいいかなあ? 笑うしかないとも。
本ブログは、一部の人にとって、愉快な表現が含まれています。

萌芽落花ノート  24 怠惰な冬

2025-01-12 23:40:55 | 

   萌芽落花ノート

   24 怠惰な冬

冬は、僕のいる所からずっと遠くへ行ってしまった。

瞬間、僕を叱咤するのは冬のはずだった

ぬくぬく、おこたの中で、僕は嘘泣きをした。

テレビの音の籠った部屋で、ことこと、薬缶がストーブに口説かれて耳元に熱い息を吐きかける。喉のあたりは、ひりひり、焼けつくようで、水を一杯と思うけれど、胃袋はぱんぱんで、何も受け付けてくれない。いっそのこと、何もかも吐きだしてしまいたかったが、洗面所に立つには部屋がおとなし過ぎた。

窓を開けると、いい風。いい風以上には吹かないのだ。

多すぎるものを誰かに施したいと思ったが、これは誰かに恵まれたものだ。一人には多すぎても十人には少ない。

そんなこんなで、一番うまい手は、締め付ける丹前を脱ぎ捨てて、雪道へ逃げ出すことなのだ。

予定が決まった。

すると、ぼんやりしてきて、ぼんやりしていることだけは、はっきりしていて、冬が僕を引きずり出さないのなら、僕が自分を引きずり出そうと、思ったり考えたりするわけだが…… 

よいしょっ。

とか何とか、声にならない。

だったら、最初から眠ってしまえばよかったんだ。

そうそう。

お休み。

これでいい。

これでいい。

これが冬なのだ。

(終)

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評 岸本裕史『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略 改訂版 算数まるわかり辞典 4~6年生』(小学館) (28) 組み合わせ方と並べ方(p244~255)

2025-01-12 00:43:11 | 評論

書評

岸本裕史『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略 改訂版 算数まるわかり辞典 4~6年生』(小学館)

(28) 組み合わせ方と並べ方(p244~245)

「並べ方」は順列のこと。

何人や何個かの「並べ方」を考えるときも、上のような図をかくといいよ。この図のことを「樹形図」というんだ。

(p245)

「樹形図」なるものを参考にしても、数えるしかない。

ところが、偽ドラえもんは跳ぶ。

3人が走る順番は、3人×2人×1人=6通り、という計算でもわかるよ。4人が走る場合は、4人×3人×2人×1人=24通りだ。これ、覚えておくと便利だよ。

(p245)

またもや暗記。

偽ドラえもんは、この「計算」の正しさを証明してくれない。

 

D 3人から1人を選ぶと、何通り?

N 3通り。

D 残った2人から1人を選ぶと? 

N 2通り。で、1人から1人なら、1通りだよ。簡単。

D じゃあ、答えは? 

N 3+2+1=6通りだね。

D 違うよ。

N 違わない。6通りで、合ってるよ。

 

誰か説明してやりなさい。

もっと言うとだね、偽ドラえもんは「組み合わせ方」の「計算」を紹介してないんだよ。なぜ? 

(28終)

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする