先週おばあちゃんが亡くなったので実家へ帰った。
93歳の大往生で、5年前に亡くなったおじいちゃんと同じ歳になった。
これで2人は永遠に同級生だとか。本当に仲が良いな。
お父さんがお墓に骨を放り込みながら「今日から一緒」と言っていたのが印象的だった。
放り込まずにちゃんと重ねてあげれば良いのに。
現実の世界では、田舎の感覚が、今更ながら嫌になった。
私が朝起きてくると、お母さんが「早くご飯食べてしまって」と言うので、テーブルの上を見ると
小皿に漬物しか載っていない。お葬式なので、質素な朝食でも全然構わないと思い、
ご飯と漬物を食べていると、弟が起きてきた。
弟は既に結婚していて、実家に泊まるのは珍しい。
するとお母さんは「○○(弟の名)がうちで食べるんだったら、味噌汁作ったのに」
と言いながら、冷蔵庫から昨日の残りものの天ぷらや、ハンバーグなど、いくつも
おかずを出して来た。
田舎の長男は、昔から家を継ぐと暗黙の了解で決められており、他の兄弟とは区別して
扱われる。
私が記憶しているだけでも、5歳くらいの頃から、お母さんは弟を特別扱いしていた。
祖父母もそんな感じで、私が弟を名前で呼ぶと怒られたりした。
久しぶりに従兄弟に会ったら、3兄弟がばらばらで、全く口をきかないので、どうして?と
長女に聞いたら、その家の両親も、長男を子供の頃から特別扱いしているので、本人が
天狗になっていると言っていた。
長男が何か悪い事をしても、全て二男が悪いと親からおこられ、仲裁に入った長女までもが
なぜか「お前はお姉ちゃんだから、悪い」と、とばっちりを受けるので、だんだん末っ子である
二男を助けなくなって、3人がバラバラになってしまったという。
そう言われてみれば、従兄弟であるこの長男の言葉の端々には、ちょっとした俺様的な
雰囲気が感じられる。そして、年上の人間には、嫌いでもぺこぺこする習性があるように
見受けられる。
なぜなら、私たちはイトコなんだから、もっと従兄弟らしくフランクに話せばよいのに、まるで
会社の上司か先輩に話す口調で、不自然だった。
悲しみの席なので、そこまで頭が回らず、この点については何も言わなかった。多分、この先
しばらく何年も会わないだろうから、この問題は保留になると思う。
一番かわいそうなのは、この従兄弟兄弟の二男で、子供の頃は無邪気でおばあちゃんも
ものすごく可愛がっていたが、今は20代半ばなのに、存在感が無いと感じるくらい、おとなしい。
田舎の長男の育て方は、昔から間違った概念があり、恐ろしい。
久しぶりに、私は弟との差別を受けて腹立たしいし、悲しかった。