〈問〉
長さ1メートルの角材を二つに切ると左右はどうなるでしょう。
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〈答〉
図からもわかるように「左右」といった概念も磁石の極と同じように対になっていて、分かれるとたちどころに生じてきます。ゼノンの二分法のパラドックスはこの現象を使っているわけです。
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それでは小さくするとどうなるでしょう。
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上図のように、細長い角材を半分に切ると、短い角材が2つ出来ます。この2つの角材のそれぞれを、さらに半分ずつに切ると、同じように角材が4つできます。同じ操作を繰り返していくと、どんどん短い角材が出きていきます。10回の操作でおよそ1000個、20回の操作でおよそ10000000(一千万)個、30回の操作でおよそ1000000000(十億)個の角材が生じます。
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ゼノンの「アキレスと亀」や「二分法のパラドックス」はこれらの現象をもとにして、パルメニデスの「一なるもの」を擁護するために作られた話です。分けることにより無限小は生じ、分けなければ無限小はどこを探してもありません。
0と1の間の無限
0と1の間の無限
0と1という有限の中に無限があるというのは矛盾です。ところがこの矛盾の場所というのが「スーパーポジション」なのです。
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仮想と現実、現実と仮想とが重なっています。抽象が具象の中に入り込み、具象が抽象に入り込み、それでいて仮想と現実、抽象と具象の区別はきちんとついているのです。
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0と1、1と0の間は、「有ると思えば無いし、無いと思うと有る」という不思議な場所です。
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