ハミなし頭絡で楽しい馬生活!日本ビットレスブライドル協会

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蹄病を理解するー3 疫学的なアプローチ1

2020年02月11日 | 裸蹄管理

 改めて、この図。

 困っちゃいますよ、本当に。これが表面化しない、というのが一番ヤな感じだな~~。オーナーとしては、馬を預託しているクラブの悪口は言いたくない、下手に文句を言うと、「じゃあ出てってくれ」という結論にすぐなってしまう恐れがある。乗馬クラブ側は、あの装蹄師のせいで馬がダメになった、とか考えてるけど、他に人もいないし、グズグズ。装蹄師側は、あちこちの乗馬クラブを見ているから、あーこのクラブは床がダメ・管理がダメ・不衛生だし、と思いつつ、でも、どこのクラブも大差ないというか。。。。で、連日連夜、落鉄しただの跛行しただので駆けずり回って疲弊する、という。三すくみみたいな状況になっているんです。馬関係者って暗くなりがちなんですが、こういう状況にほぼ例外なく放り込まれちゃうから、というのがあるんじゃないか。激論して大喧嘩になる、方がまだマシですが、問題は、どこから問題に手を付けていいか分からない、という点。

 昔から、蹄病に関わる要因はこうじゃないかといわれています。

1)蹄質:サラはダメだ、と言われてますね。自分の馬はサラなんですけどね。サラは蹄底が薄い・蹄が柔らかい・裸蹄に向かない、と。特にサンデーサイレンス・ディープインパクト産駒あたりの蹄底が薄い、といわれてます。こないだ、どこかの調教師さんが走る馬は蹄底が薄いとかなんとかおっしゃってたそうなんですが、そもそもサンデーサイレンスの蹄底が薄い、その子孫にその遺伝が受け継がれちゃった、けど、走る馬が圧倒的にサンデー系だから、というだけの話です。ディープもサンデーサイレンスの子孫ですしね。

 栄養については、サラの若馬に対する給餌内容はひどいもんで(人間の栄養常識を、全く消化器構造と機能が異なる草食獣の馬に当てはめて濃厚飼料を過給するのは、ほぼ意味ない、どころか、健康被害を引き起こしてオシマイになるケースが多い)、そのせいで胃潰瘍だの蹄葉炎だのが起こる、のはほぼ間違いない。しかし、それは乗馬馬にはあまり関係ないように思うんですけどね・・・・。尤も、濃厚飼料信仰はかなり根強くて、そのせいで馬ががれてるのに気付いてないクラブも多そうなんですけど。金かかるからやめた方がいいですよ。

2)環境:床の衛生状況・敷料・馬場の材質等々。どこも色々工夫しているんですけどね・・・・。じとじとした湿気の多い日本だから蹄病が多発するんだ、という説もあります。推測ですが。

3)削蹄師や装蹄師の技術や見立て:率直に言って、どの方が関わっても、最終的に馬は蹄病になります。どうもそうらしい。装蹄でなんでも治る、と豪語している方もいらっしゃいますけど。。。。言っちゃなんですけど、こういう事を言う方は人の話を聞かないケースが多いから要注意です。

 ところが、この辺がわりとちゃんとしているはずの半野生馬とか、放牧を主体にしているような乗馬クラブでも、実は蹄病は頻繁に起きていて、ちっとも解決しないんですよ。濃厚飼料は慎重に避け、おやつも与えない、広い牧草地に放牧してあまり騎乗もしない、それでも蹄病は発生する。それから、動物園。馬だけでなく、有蹄動物の蹄がとにかく状況悪い。これは多摩動物園に実際に行ってみて気づいたこと。多摩動物園にいる野生馬、蹄葉炎になっちゃってるんですよ・・・・。なんでだよ~~?

 旧来の蹄管理に重要とされる3要素をなんとかちゃんとしようとしているオーナーもクラブも装蹄師も、結局蹄病の発生を抑制できていない。

 では、疫学的な調査をするとどうか?

 疫学という研究分野はこういうもので、要は環境や周囲の状況から疾患について考えようとするもの。馬の蹄病については、その疫学的な考察をどこかの大学が行っていたような覚えがあります。ウマ科学会の学術集会で発表されて、それを聴講した。その研究の結論としては、「疫学的な特徴は認められなかった」だったと思う。それはそうだ、というのはこちらの意見でそれはこれから書いていきます。 

 今は、疫学調査って、うまくするとPCの前に座ってるだけでできちゃったりするんですよ。FBに馬や蹄のグループ・FBぺージが山ほどあって、それをじっくり観察するだけで、疫学調査ができてしまう。そうすると、例えば、寒立馬に蹄の問題が起きていることも拾える。一方、蹄のグループって英語圏に山ほどあって、要は世界中のどの国・地域でも蹄病は起きているし、上の図式みたいな問題が起きている、ことが分かるんです。相談内容は似たり寄ったりで「蹄の状態が悪い、なぜだ?装蹄師が悪いのか?餌が悪いのか?環境のせいなのか?どうすればいいのか?」というもの。世界中の馬の飼主が悲鳴を上げている。疫学的な傾向が全くつかめないように見えるんです。



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