Ⅲ)日本は「自然エネルギー大国」になれる条件を備えている
その2 アメリカに依存した日本のエネルギー政策
1950年83%、1960年58%もあった日本のエネルギー自給率は、石炭資源と水力電発が主力だったが、石油輸入の急増というエネルギー政策の大転換で石炭産業を廃止し自給率を急速に低下させ、自給率は4%にまで下がった。イギリスが豊富な石炭を活用し続け、今日エネルギー自給率79%を維持していることと対照的である。日本は「資源小国」という固定観念から脱却できず、国としてエネルギー自立の道を放棄し、その後、「原子力立国」などとアメリカ依存の安易な道を選択した。こうして日本政府は長期にわたって原子力発電を「国策」として推進、太陽光などを手抜きし、自然エネルギーは実際にはわずか1,450万キロワット(0,7%)しか開発されてこなかった。世界各国の再生可能エネルギー投資額(2010年度)は、アメリカ480億ドル、中国 455億ドル、ドイツ 306億ドルに対し、日本はわずかに86億ドルに過ぎないことにも現れている。
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これは、大企業が取り仕切る「ルールなき資本主義」の原発版である。原子力発電にかかわる原子炉はアメリカ仕様であり、ウラン燃料は30年間、アメリカから100%輸入(いまでも73%)してきた。日本はアメリカ言いなりのエネルギー政策を続けてきた。
世界の化石資源(再生不能)の可採埋蔵量は有限で、このままでは人類は、まもなく化石燃料・枯渇性資源を使い果たしてしまうというのに、ウラン燃料と原子力発電が「安全」で、未来永劫に続く幻想を抱かせてきた責任は重い。
平和問題研究家 長尾正典
その2 アメリカに依存した日本のエネルギー政策
1950年83%、1960年58%もあった日本のエネルギー自給率は、石炭資源と水力電発が主力だったが、石油輸入の急増というエネルギー政策の大転換で石炭産業を廃止し自給率を急速に低下させ、自給率は4%にまで下がった。イギリスが豊富な石炭を活用し続け、今日エネルギー自給率79%を維持していることと対照的である。日本は「資源小国」という固定観念から脱却できず、国としてエネルギー自立の道を放棄し、その後、「原子力立国」などとアメリカ依存の安易な道を選択した。こうして日本政府は長期にわたって原子力発電を「国策」として推進、太陽光などを手抜きし、自然エネルギーは実際にはわずか1,450万キロワット(0,7%)しか開発されてこなかった。世界各国の再生可能エネルギー投資額(2010年度)は、アメリカ480億ドル、中国 455億ドル、ドイツ 306億ドルに対し、日本はわずかに86億ドルに過ぎないことにも現れている。
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これは、大企業が取り仕切る「ルールなき資本主義」の原発版である。原子力発電にかかわる原子炉はアメリカ仕様であり、ウラン燃料は30年間、アメリカから100%輸入(いまでも73%)してきた。日本はアメリカ言いなりのエネルギー政策を続けてきた。
世界の化石資源(再生不能)の可採埋蔵量は有限で、このままでは人類は、まもなく化石燃料・枯渇性資源を使い果たしてしまうというのに、ウラン燃料と原子力発電が「安全」で、未来永劫に続く幻想を抱かせてきた責任は重い。
平和問題研究家 長尾正典