見出し画像

Blog☆HiloⅡ

日本の寄付を科学する――利他のアカデミア入門:坂本 治也 (編集, 著)


日本に「寄付」が根付かない。「NPO」は胡散臭い。
そう思っている人は多いと思います。
ボクもそう思う気持ちがよくわかります。
著者はそうしたことも含めて「寄付」とは何か。
「寄付」の現状から今後の可能性まで研究者の目からその詳細を記載しています。
ブックカバーには以下のように概要が記載されています。
「世界的に見ても寄付行動や見知らぬ人への人助け,ボランティア活動が低調とされる国・日本。日本寄付財団「寄付研究センター」を拠点として進めてきた学術研究の知見から,利他にまつわる19の疑問と謎を解き明かす。」
多くのデータを分析して,わかりやすく解説しているので,誰にでもわかりやすいと思いました。
なるほど,と思ったのは,GDPに占める個人寄付総額の割合です。
圧倒的に多いのがアメリカで1.44%。
日本は何と0.12%です。
ではなぜ日本人は寄付をしないのか。
それは本書を読んでいただくと,様々な角度からとらえた理由がわかります。
その中で,「寄付には宗教が深くかかわる」という記載があります。
そこでボクは思ったのですけど,日本人は宗教に興味がないから「寄付」に消極的なのではないか。
さらに,日本人は見知らぬ人に対する人助けも世界ランキング118位となっていることからも明らかです。
でもね,ボクはだから何だと開き直りたい。
日本には「寄付」以上に素晴らしい文化があると思っています。
それは「共助」という文化です。
「向こう三軒両隣」という言葉があります。
「自治会・町内会」も日本のオリジナルの文化です。。
何もアメリカの真似をすることなく,日本の国にふさわしい文化を伝承していくことが大切だと思うのです。
お隣の家が遠くて見えないようなアメリカでは不可能なことですよね。
もう一つ興味深かったのが「ふるさと納税」と「寄付」の関係です。
著者は,「寄付とは対価性のない任意の金銭・物品の提供である」としています。
さらに「ふるさと納税は返礼品という対価が事実上認められており,本来の寄付とは言えない」とも。
そもそも寄付とは「共感」が伴うことが原則だということです。
まあふるさと納税を行っている人は寄付をしているなどとは思っていないのだろうけど。
発案者の菅元総理だって制度として無理やり「寄付」としただけで,国民をだましたということです。
話はそれましたが,猛暑の中,涼しい部屋でこの本を読んで「寄付」について考えてみました。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「読書」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事