特に中国と韓国との歴史問題を詳細に丁寧に綴っています。
ブックカバーの折り返しには以下のように概要が記載されています。
「靖国神社,歴史教科書,慰安婦,領土,そして「犠牲者」個人への補償。戦後七五年を超えてなお残る歴史問題。なぜ「過去」をめぐる認識は衝突し,アジア太平洋戦争の「清算」は終わらないのか。本書では、帝国の解体から東京裁判,靖国論争が始まる一九八〇年代,慰安婦や領土をめぐり周辺諸国との軋轢が増す二〇一〇年代以降の歴史問題の全容を丹念に描出。名著『国家と歴史』を改題のうえ全面改稿し,歴史和解の道筋を示す。」
清朝時代から現在に至るまでの歴史なので長期に渡ってのアジアの国々との関係を興味深く読むことができました。
この中で,少し違和感を持ったのが「国民受忍論」という考え方です。
著者は「日本人を総被害者とみなしたうえで,一人ひとりが耐え忍ぶべき犠牲として,補償には応じないとする姿勢である。」としていますが,戦争に突き進めたのは国の指導者であり軍の幹部です。
我が家は東京大空襲で焼け出されて,自宅があった場所が判明できないまま土地を失いました。
それでも国に補償をしろとは言いませんでした。
それはあきらめたということにすぎません。
とても「耐え忍ぶべき犠牲」などとは思えません。
一方「なるほど」と思ったのは,「フィリピンは111万人もの犠牲者を出して最大の被害国であるのに,中国や韓国と違って和解を進めることができ,「過去の戦争」をめぐって日比関係が揺らぐことがなかったことだ。」と述べていることです。
そしてその理由の一つとして,人口の9割を占めるキリスト教の「赦しの文化」を挙げていることです。
もちろん対米同盟国の一員としての協調関係,日本のODA,慰霊のための多くの行事があった上でのことですが。
いずれにしても中国,韓国ともよい関係が築けるようお互いに努力が必要ですが,前途多難であることは間違いありませんね。
いや,現大統領の尹氏には期待が出来そうですね。
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